猫のしつけは、犬をしつけるよりも難しいと言われています。それは、そのマイペースな性格や、人に従順でない猫本来の性質からそう思われるのでしょう。ですが、実際はそうではありません。ちゃんと考えて行えば、猫のしつけはそう難しいことではないのです。猫のしつけに失敗したと嘆いているあなたは、間違ったしつけ方法をしてはいませんか?
猫のしつけにはいくつかコツがあり、それを押さえて実行しないとなかなか身に着かないものがあります。何しろ、飼い主を喜ばせることを自分の喜びとする犬とは違うのですから、しつけ一つ取っても、一筋縄では行きません。今回は、そんな猫のしつけの中から、失敗に繋がる間違った方法などについて、お伝えします。
猫のしつけがうまくいかない理由。
その5つの間違い
叱るタイミングが遅い
猫のしつけにおいて、叱るタイミングはとても重要なことです。この叱るタイミングが遅すぎると、猫はどの行動に対して叱られているのか理解できず、しつけが成就しないばかりか、猫が混乱したり、飼い主に対して過度の警戒心を抱いてしまう恐れもあるのです。
ですから、猫のしつけを行う時は、その行動の記憶がまだ新しいうちに行うようにして下さい。もし、猫の問題行動の痕跡を時間が経ってから見つけてしまった場合は、残念ですが叱るのは次のチャンスを待つようにしましょう。
飼い主の気分で叱ったり、叱らなかったりする
猫のしつけに限らず、どんな動物をしつける時も、飼い主の気分次第で叱る強度を変えたり、同じことをしているのに叱ったり叱らなかったりするのは失敗のもとになります。猫は、「自分の行動」と「叱る=自分にとって不快な行為」を結び付け、その行動を取ったら不快な思いをする、つまり、してはいけない行動なのだと理解します。
ですが、同じ行動を取っているのに叱られたり叱られなかったりすると、その刷り込みがうまく行かず、問題行動を止めることができません。それを避けるためには、猫をしつける時の叱り方や罰の与え方に一貫性を持たせるようにして下さい。
根気が足りない
猫は、残念ながら犬よりもしつけにくい動物です。そのため、犬ならば短期間で覚えてくれるようなことも、猫の場合は根気よく教えて行く必要が出てきます。飼い主が短気だったり、犬のしつけには慣れているけれど、猫のしつけは初めてだという人の場合、これからがしつけの正念場というところで根負けしてしまい、しつけを諦めてしまうことがあります。
しかし、ここで匙を投げてしまっては、今までの努力が水の泡になってしまいます。
猫のしつけは犬よりも時間がかかるということを理解し、根気よく、時間をかけてあげれば、必ず成功します。
「褒めて伸ばす」は間違い
こちらも犬のしつけとの比較になりますが、犬は人間に褒められて喜びを感じる動物であるのに対し、猫は、人間に褒められることにそれほど喜びを感じません。
そのため、良い行動を取った時に飼い主に褒められても、それが自分にとって良い行動だと理解することができないのです。飼い主にとっては、かわいい猫を叱ってしつけるよりも、褒めてしつけた方が気が楽だと思いますが、猫のしつけは、褒めるよりも叱る方が効果的なのだということを知っておきましょう。
猫を叱るのは心が痛む場合もありますが、これも、お互いが良い生活を送るために必要なことなのです。
問題行動の原因を見ていない
猫のしつけで改善したい点と言えば、トイレではないところでの排泄行動や、家の中をめちゃくちゃにする破壊行動などが挙げられます。これらがただのイタズラやトイレを覚えていないだけならしつけることは可能ですが、トイレが気に入らないとかストレスが溜まっているなどの原因がある場合には、いくらしつけても無駄というものです。
どれだけ猫を叱っても、その行動を取る理由があるのなら、問題行動をやめることは見込めません。もし、猫が問題行動を取る場合は、頭ごなしに叱ってしつけようとする前に、その行動の原因は何かを考えてみて下さい。
いかがでしたでしょうか。猫のしつけに失敗しやすい間違いを5つご説明しました。猫のしつけに関しては、不可能ではないとはいえ、犬のようには行かない点も多々あります。猫のしつけにはマニュアルが少ないため、どうしても犬のしつけを参考にしてしまいがちになります。
ですが、犬は犬、猫は猫ですから、犬と同じくしつけようとしたり、自己流でやろうとしてしまっては猫がかわいそうです。
猫には猫の性質や性格があり、その心に届きやすいしつけ方法がちゃんと存在するのです。それを押さえておかなければ、猫にとって大きなストレスとなり、逆効果になる可能性もあります。あなたも、猫をしつける時は無理強いなどせず、根気よく、猫に合ったしつけ方法を守るようにして下さいね。
まとめ
猫のしつけがうまくいかない理由。その5つの間違いとは・叱るタイミングが遅い
・飼い主の気分で叱ったり、叱らなかったりする
・根気が足りない
・「褒めて伸ばす」は間違い
・問題行動の原因を見ていない