何を自由研究にするかが夏休みの課題でもあると思います。
普段、目にするものや、いつも通ったり遊んだりしているときに気になっていたことなど、「あれはどうやって作られているんだろう」とか「あの池にはどんな生き物がいるんだろう」とか、そういうささいな疑問から自由研究の課題も見つかると思います。
もし、課題が見つからなかったり、ザリガニに興味があれば、小川や池などでザリガニ釣りに挑戦してみましょう。
そして、ザリガニを飼育しながら観察記録を自由研究にしてみませんか。それでは、ザリガニの生態や飼い方などをよく知って自由研究に活かすポイントを紹介しましょう。
ザリガニの飼い方を知り
自由研究にいかす7つのポイント
ザリガニの種類
日本国内には3種類のザリガニが生息しています。
<ニホンザリガニ> ニホンザリガニは日本固有のザリガニで、絶滅危惧種に指定されています。北海道西部、青森、秋田、岩手の水質がきれいな場所に生息しています。
体の色は茶色、体長は約6cmしかなく、ハサミを入れても約10cmという小型のザリガニです。
<アメリカザリガニ> アメリカザリガニは、体は赤くて大きなハサミを持っています。現在、一般的に用水路や水田などでよく見かけるのはこのアメリカザリガニです。
名前のとおり外来種のザリガニで、昭和初期に食用としていたウシガエルの餌としてアメリカから持ちこまれ、日本で繁殖したといわれています。
<ウチダザリガニ(タンカイザリガニ)> 1926年頃食用としてアメリカから輸入されました。大型のザリガニで体長が15cm以上あります。
ニホンザリガニが減少したのもこのザリガニの影響だといわれています。
とても繁殖力が強く、生態系に大きく影響を与えるとして現在は特定外来生物に指定されているため、飼育、繁殖、販売とも禁止されています。
ザリガニの釣り方
ザリガニ釣りの時期は、だいたい5月から11月頃までです。ザリガニは緩やかな水の流れのところにいることが多いので、小川や用水路、池などをのぞいてみると、案外すぐに見つかるかもしれません(ほとんどアメリカザリガニです)。
釣り道具は家にあるものでも簡単に作れます。
割り箸にタコ糸を結び垂らした先に、水で戻した乾燥スルメなどザリガニの釣りエサとなるものをくくりつけます。糸が水に流されるようなら、餌より20cm上に小石などを結びつけておきます。
用意した釣り糸をザリガニが潜んでいそうな石と石の隙間などに垂らします。手ごたえがあれば、そーっと糸をたぐり寄せます。
ザリガニがひっかかっていなければ、再チャレンジするか別の場所に移動してください。
引き上げる途中で逃げられないようにザリガニをすくい上げる網を用意していても便利です。
ザリガニを飼うために必要なもの
ザリガニを家に連れて帰って飼うとなると、どのようなものを準備したらいいのか基本的なものをまとめてみました。(一般的に自然で見かける「アメリカザリガニ」が基準です。)
・バケツでも飼うことができますが、どこからでも中が観察できるように透明の水槽を用意します。水槽はザリガニが脱走しないようにきっちりとフタをしてください。ザリガニはエアーポンプのホースでもよじのぼってしまいます。
目安としては、個体の大きさにもよりますが一匹なら最低でも40cm以上、数匹なら60cm以上の水槽がいいでしょう。ただしザリガニは非常に気性が荒く共食いすることもあるので、ひとつの水槽で大量に飼育するのは避けた方がいいです。。
・ザリガニ同士がけんかしときの逃げ場所や普段落ち着ける場所として、底に植木鉢や流木、土管などを配置しておきます(シェルター)。
・ザリガニは脱皮します。そのとき砂で体のバランスをとりながら脱皮するので底砂は必ず敷いてあげます。砂は大粒よりも目の細かい砂利がいいでしょう。
・ザリガニが水の中で酸欠しないようにエアーポンプとエアーチューブは忘れずに備えつけます。
・餌の食べ残しや糞などで水中が汚れるのを防ぐために、ろ過フィルターが必要です。
・比較的寒さには強いのですが、暑さには弱いので水温が30度を超えないようにしてください。水温をいつでも確認できるように水温計も設置していると安心です。
ザリガニのオスとメスの見分け方
ザリガニをオス・メスのペアで飼いたいと思ったときのために、オスとメスの見分け方を知っておきましょう。見分け方が分かるだけでも自由研究の大きなポイントとなります。
簡単な見分け方としては、ハサミの大きさです。大きくてりっぱなのがオスで、体の大きさの割に小さいハサミを持つのがメスだというのは一般論ですが、中にはメスでもオスに見劣りしない立派なハサミを持つメスもいるらしいので確実な方法ではないようです。
より確実に見分けるのには、ザリガニを手に持って腹側を比べるやり方です。
ザリガニのえさ
ザリガニは雑食性なので、たいていのものは食べます。市販されているえさなら簡単に与えやすくて水も汚しにくいのですが、ここでは、自由研究の課題にできるように野菜や肉、魚介類、水草やパンなど何をどんなふうに食べるか実験してみるのも楽しいと思います。
ただ、食べないものや食べかけのものをそのまま放っておくと、水を汚す原因となるのでピンセットなどで取り除きます。
ザリガニの脱皮
ザリガニは、成長する過程で何度も脱皮を繰り返します。脱皮が近づくと、食欲がなくなる、動きがにぶくなる、体の色が変わるなどのサインを出します。子どものザリガニで年8~10回、大人になると年1~2回脱皮をして、脱皮した殻は自分で食べます。
脱皮の兆候に気付いたら他のザリガニと一緒の水槽で飼っているなら攻撃されないように別の水槽などに移します。
脱皮直後のザリガニのからだは柔らかいので、すぐには他のザリガニと一緒にしないでください(攻撃を受けやすい)。からだが硬くなるまで2~3日かかるので、それまで待ちましょう。
脱皮する時期に出会えたら、脱皮の兆候から脱皮したあとの記録しておくといいと思います。
自由研究の流れ
上記を踏まえて実際に例を挙げてみてみましょう。
ステップ1:テーマは決まったかい?~ザリガニの生態について
ステップ2:どんな生態かな?~予想を立てる ザリガニの動きや雄雌を見分けてみる
ステップ3:どうやって調べよう?~調べる方法と進め方の計画を立てる どのくらいの期間ザリガニのどこにフォーカスするかを考える
ステップ4:どんな結果が出るかな?~調べてみる~ザリガニを見てみて何を食べるのか。どんな動きをするのか観察する
ステップ5①:どうやってまとめよう?~まとめる~釣ってきてからザリガニを飼いはじめ実際に飼ってみてどう感じたか。自分の予想と近かったのかなど。
ステップ5②:タイトルを変えた方がいいかな?~タイトルを見直す~一番フォーカスしたい内容のタイトルに付け直す
ステップ5③:きれいに書けるかな?~まとめる(清書)~今までの事をもう一度まとめてみましょう。
いかがですか。ザリガニのことや飼い方など、少しは理解して興味を持っていただけましたか。種類や個体によって違いはありますが、アメリカザリガニは約3~5年といわれています。自由研究が終わっても大切に育ててください。ずっと世話をするのが楽しくなるように、ザリガニにも犬や猫と同じように名前を付けてあげるといいですね。
最後にお願いとして、アメリカザリガニは国の要注意外来生物(生態系に悪影響を及ぼす)としてリストに選定されています。むやみに川や池に放つことのないようにしてください。
まとめ
ザリガニの飼い方を知り自由研究にいかす7つのポイント・ザリガニの種類
・ザリガニの釣り方
・ザリガニを飼うために必要なもの
・ザリガニのオスとメスの見分け方
・ザリガニのえさ
・ザリガニの脱皮
・自由研究の流れ