猫の風邪に隠された、知らないと怖い病気の種類

猫の風邪に隠された、知らないと怖い病気の種類

猫の風邪を甘く見てはいけません。あなたは、猫の風邪についてどれくらい知っていますか?ただ「猫風邪」と言うと、人間の風邪と同じような感覚で軽い病気に思われがちですが、実は油断ができない病気なのです。こじらせると大変な病気ですし、風邪と同じような症状を引き起こす重病もあります。この猫の風邪の原因となる病原体は複数あり、それぞれの特徴を知っていないと適切な処置もできません。また、猫風邪はワクチンを接種することが推奨されていますが、お金がもったいないからとそれを怠ると、重症化して猫につらい思いをさせることにもなりかねません。

猫にとって一番身近な感染症で、その上甘く見ると大変なことになる猫の風邪。ここで、その病気について詳しくお伝えします。

 


猫の風邪に隠された、
知らないと怖い病気の種類

 

猫風邪を引き起こす病原体は3つ

ただ「猫風邪」と言われてはいますが、一つの病原体によって起こる病気ではありません。猫風邪は、猫カリシウイルス、猫ヘルペスウイルス、猫クラミジア菌に感染することによって発症する病気の総称です。また、どの病原体に感染するかにより、症状が違います。猫カリシウイルスはくしゃみ、鼻水、発熱などの症状、猫ヘルペスウイルスはくしゃみや鼻水に加えて結膜炎や角膜炎、猫クラミジア菌は目やにから始まり、症状が進行するとくしゃみや咳をするようになります。この中のどの感染症かによって、治療法が異なってきます。

たかが風邪でも、病院で治療をした方が格段に治りが早いです。このような症状を見かけたら、病院に連れて行ってあげましょう。

 

一度感染すると、体内からウイルスがいなくなることは無い

先ほどご説明した3つの病原体のうち、猫クラミジア菌は効果的な抗生物質が判明しているので体内から追い出すことができますが、その他2つのウイルスは特効薬が無いため、厳密に言うと完治させることができません。対症療法によって症状を和らげたり、体力を回復させたりしますが、ただウイルスに負けない身体を作るだけであって、ウイルス自体をなくする治療ではないのです。つまり、一度これらのウイルスに感染してしまうと、もう死ぬまで感染しっぱなしの状態になるということです。もし猫が元気だとしても、猫風邪の症状が出ていないだけで、ウイルス自体は猫の体内で眠っているに過ぎません。つまり、また身体が弱ることがあるとウイルスは目を覚まし、再び猫を風邪の症状で苦しめるのです。

 

ワクチンを受けないと重症化することがある

このように、一度感染すると長い付き合いになる猫風邪。先ほど、ウイルス性の猫風邪には特効薬は無いとご説明しましたが、ワクチン接種による予防は可能です。ただ、予防すると言っても、感染自体を予防することはできません。しかし、感染後の重症化を予防することは可能です。猫風邪を重症化させないだけで、命の危険の心配はぐっと低くなりますし、看病する飼い主の負担もかなり小さくなります。

この猫風邪のワクチンは、猫白血病ウイルスワクチンなど、別な病気のワクチンと複合されたものを接種するのが一般的です。子猫の場合は数か月に一回、大人になってからは年に一回の予防接種を受ける必要があります。一回で済むことではないのでお金がかかりますが、猫風邪が重症化して命を落とされるくらいなら、負担ではありませんよね。

 

猫クラミジアは子猫にかかると命に係る

先ほど、猫クラミジア菌による猫風邪は抗生物質が効くということをご説明しましたが、だからと言って安心できるわけではありません。この病気は子猫に感染しやすく、しかも感染後は重症化して命を落とす危険性がある、恐ろしい病気なのです。この猫クラミジアもワクチンがありますが、生後間もない子猫はまだワクチン接種ができないため、母猫からの免疫が切れてからは空白期間が空きます。免疫が無いままのその空白期間に感染すると、重症化するリスクがあるということです。ですから子猫の猫クラミジア感染は、特に気を付けなければいけません。

 

風邪の症状が長引く場合は、猫エイズかも

ちゃんとワクチンを接種しているのに、猫風邪のような症状がいつまでも良くならないという場合、それは猫風邪ではなく猫エイズの可能性があります。猫エイズに感染して最初に訪れる急性期には、風邪に似た症状が数か月続きます。それを猫風邪だと勘違いする人はかなりいるようで、その場合は猫エイズの最終段階、猫エイズ発症期になって初めて気付くのです。それでは有効な治療などを受けさせることができなくなるため、できれば急性期のうちに猫エイズだと気付いてあげたいところです。もし、風邪の症状が長引くようなら、猫エイズを疑いましょう。

 

いかがでしたか。このように猫風邪は、何の予防策もとらないでいるのは大変危険な病気です。特に、子猫だったり、ワクチン接種をしていないなどの悪条件が重なると、もしかすると死んでしまうかもしれないという、決して甘く見ることのできないものなのです。しかしながら、猫風邪の感染力は強く、外からうつされて来たり、多頭飼いの場合は次々と連鎖的に感染したり、動物病院でうつされたりすることもあります。つまり、一生に一度も猫風邪を引かないようにするということは、不可能に近いのです。

猫風邪は必ず引いてしまうものと認識し、引いてしまった場合の処置や重症化を防ぐ術をしっかり頭に入れておく方が、現実的な対処法だと言えるでしょう。

 


まとめ


猫の風邪に隠された、知らないと怖い病気の種類とは

・猫風邪を引き起こす病原体は、猫カリシウイルス、猫ヘルペスウイルス、猫クラミジア菌の3つ
・一度感染すると、体内からウイルスがいなくなることは無い
・ワクチンを受けないと重症化することがある
・猫クラミジアは子猫にかかると命に係る
・風邪の症状が長引く場合は、猫エイズの可能性がある


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