おたまじゃくしの飼い方で知っておきたい7つの事

おたまじゃくしの飼い方で知っておきたい7つの事

「おたまじゃくし」と一言に言っても、実は生物の種類名ではないという事はご存知ですか。つまり、 「おたまじゃくし」とは、全てのカエルの幼体の総称なのです。

という事は、カエルは種類により生息環境が違います。よって、オタマジャクシも、どのカエルの幼体かによって、飼育環境も飼育法も違うのです。

その「おたまじゃくし」は、どの様な特徴があるのか、採集した周辺にはどの様なカエルがいたのか、また、卵がどのような形状だったのか、そして、その場所、時期、など様々な状況からカエルの種類を推定し、飼ってみると良いでしょう。おたまじゃくしの飼い方で知っておきたい事をお教えします。



 


おたまじゃくしの飼い方で
知っておきたい7つの事

 


フタ付きプラケースを用意しましょう


カエルの種類によって、最適な容器に多少違いがありますが、まずは、基本的には、成長しカエルになった時の事を考え、水槽は、フタができる容器を用意してください。

プラケースが手軽でお勧めですが、あまり、水深は必要がないので、種類によっては洗面器やバケツを利用する事も可能です。

気になる『フタ』についてですが、ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエル、カジカガエルは、垂直な壁面を登ることが出来るので、完全にフタが出来て、かつ通気性の良い容器が良いでしょう。

トノサマガエル、トウキョウダルマガエル、ダルマガエル、ツチガエル、ヌマガエル、ニホンアカガエル、ヤマアカガエル、その他アカガエル類、また、ニホンヒキガエル、アズマヒキガエル、その他ヒキガエル類に関しては、垂直な壁面を登ることが出来ないので、通気性を確保できるガラスの水槽などでの飼育も可能です。

しかしながら、ヒキガエル類以外は、ある程度のジャンプ力がありますのでフタは必要と言えるでしょう。

『エアレーション』に関しては、多数飼育の場合には用意した方が良いので、その場合には、中型以上のプラケースを用意しましょう。

 


陸場を作りましょう


陸場は、流木・石などを使い緩やかな傾きをつけましょう。

カエルになったときのために、小石や砂を入れ、陸場を用意しておきましょう。

ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエル、カジカガエルは、垂直な壁を登れるので、変態後に溺死する確率も低いため、本来、陸場は必要ありません。

トノサマガエル、トウキョウダルマガエル、ダルマガエル、ツチガエル、ヌマガエルは、垂直な壁を登れないので、変態後に溺死してしまう可能性がありますので、あく抜きした流木などで陸場を作っておく事をお勧めします。石やレンガは角度がきつくて登れない場合もありますので配慮が必要です。

ニホンアカガエル、ヤマアカガエル、その他アカガエル類には 十分な配慮が必要です。垂直な壁を登れない事、成体が陸生なので、変態後に溺死する可能性は非常に高く、陸場を用意しても、溺死してしまう可能性もあるのです。

溺死の確率を減らすために、浅く水を入れたケースを傾けた状態を維持し、水面上になるスペースを十分に確保する必要があります。
この様に、水深が次第に浅くなっていき自然に陸場になっていく形状にする事がコツです。園芸用の水苔や、庭に生えているハイゴケなどを陸地部分に敷いておくと、なお良いそうです。

ニホンヒキガエル、アズマヒキガエル、その他ヒキガエル類も垂直な壁を登れない事と、成体が陸生である事から、変態後に溺死する可能性は高く、更に登る力もアカガエル類より低いので、陸場環境は整えておきましましょう。

更に、ヒキガエル類はおたまじゃくし期間が非常に短く、変態の時期が早くきてしまうので幼蛙も実に小さく、飼育は大変困難と言えるでしょう。

また、マツモやカナダモなどの水草を一緒に入れておくと、足場兼非常食にもなるのでお勧めです。

いずれの場合も、水槽を設置する飼育場所が、野外の場合になる場合には、必ず日陰になる部分と直接雨水が入らない様に配慮しましょう。

 


「おたまじゃくし」は雑食性です


本来「おたまじゃくし」は、雑食性で、水中のコケやミジンコ、生き物の死体、落ち葉などの有機物を食べて生きています。

また、幼体については、大抵の種類で言える事は、基本的に藻類食であるという事です。

家庭で飼う場合は、煮干しやゆで卵などを、少量与える程度が良いでしょう。また、ゆでたホウレンソウや焼き魚の骨、鰹節なども良いという意見もある様です。

現在では、フレーク状の金魚のエサや、プレコフードなど配合飼料を与える事が主流の様です。

逆に控えた方が良い食品は、油っこいもの、生野菜、肉類です。

そこで、気を付けなければいけない事が、この時期にどれだけ栄養をつけたかで変態後の成長にも差が出るという事です。

ポイントは与える量で、水質悪化しないように、食べ残しは早めに取り除いたり、1回量は少なめに回数多く与える事です。

ちなみにおたまじゃくしを飼育中、共食いが起こる事があります。しかし、これには餌の量や栄養とはあまり関係がなく、餌やりが十分であっても起こってしまう事だそうです。

この共食いを防ぐには、飼育密度を低くする事がポイントで、また、共食いが起きてしまった時、尻尾だけを食べ残すことが多く、それが水質悪化の原因となりますので、注意が必要です。

変態が進むにつれて、おたまじゃくしはカエルに近づき、陸上に上がると、生きエサのみの食事になります。

 


上陸の準備と変態後の管理をしましょう


変態の時期には、上陸の準備をしましょう(陸場・フタ)

「おたまじゃくし」は、飼育時の水温にもよりますが、早ければ2ヶ月で「変態」が起こります。

後ろ足が生えて、前足が生えるまでの期間は、早ければ一週間です。更に、前足が生えると最短で1~2日で尻尾を吸収していき、いよいよ上陸です。

尻尾がなくなると「おたまじゃくし」は、水中では溺れてしまいますので、陸場が必要となる訳です。この様に上陸の時期が近づいた「おたまじゃくし」の為に水深1cmくらいの上陸用の平たい石を置いた別容器を用意するなどして工夫しましょう。

ここまで来たら、水槽には必ずフタをしましょう。

変態後の管理はプラケースで飼育しましょうヒキガエル意外は、基本的にプラケースでの飼育が可能です。

ニホンアマガエル、モリアオガエル、シュレーゲルアオガエルを飼育するには、ケースの底に、腐葉土か赤土などを入れ、植木鉢の受け皿を使用した水場を作り、飼育環境を整えましょう。

カジカガエルの場合には、水生傾向が強いという理由から、水深2センチほどで、流木や石を陸場にして管理します。エアレーションを使用するか、または、水替えを小まめに行うという注意が必要です。

トノサマガエル、トウキョウダルマガエル、ダルマガエル、ツチガエル、ヌマガエルについては、中型以上のプラケースが最適です。これらも、比較的水生傾向が強い種類ですので、水深は2センチほど、流木や石など陸場を用意し、エアレーションか、小まめな水替えは、アマガエルやアオガエルと同様ですが、ただし、他の種より体、生活量も大きいため、水替えは更に頻繁にする必要があります。

ニホンアカガエル、ヤマアカガエル、その他アカガエル類は、 数と大きさに合わせたプラケースを用意します。これらの場合、どの種類であってもも陸生傾向が強いので、水場と陸場を半々にする環境が必要です。エアレーション、または、定期的な水替えで対応しましょう。

園芸用赤玉土を底床とし、定期的(月一回程度)に交換します。陸場に隠れ家として「水苔」や「植木鉢のカケラ」などを置いてあげると快適に過ごせる様です。

 


種類別飼育方・注意点を知りましょう


種類(グループ)によっての飼育法の違いや注意点があります。

モリアオガエルやシュレーゲルアオガエルは、ニホンアマガエルに比べて水質要求が強く、水質管理に関しては、神経質になる必要があります。水替えの頻度を上げたり、投げ込み式濾過装置をつけるなどの対策をしましょう。

また、カジカガエルの幼生は、本来、清流に住む品種なのでエアレーションが必須と言えるでしょう。

これらについては、水温には、それほど神経質にならなくとも、30度を越えたりしなければ普通に育つと言われていますます。

ツチガエル、ヌマガエルは、トノサマガエル類よりも水生傾向が強いため、溺死の心配は少ないので、環境づくりには苦労はないかも知れません。

ツチガエルは「おたまじゃくし」のまま越冬することもあるので、その点では、個性的な特徴を持っていると言えるでしょう。

ニホンアカガエル、ヤマアカガエル、その他アカガエル類は、狭い場所で大量に採取できる場合がありますが、人工飼育にはあまり向かない為、変態まで見届ける事は困難でしょう。細やかな配慮ある世話をする為、採集数は、多くても30匹以内にしましょう。

ニホンヒキガエル、アズマヒキガエル、その他ヒキガエル類も、狭い場所での大量に採取が可能ですが、これもまた、変態までの完全飼育はとても難しいので、採集数を少なくし、大切に飼育するようにしましょう。

 


「おたまじゃくし」は共生できます


共生出来る生き物、出来ない生き物がいます。

「おたまじゃくし」のみの飼育も楽しいものですが、水槽内をより自然に近づけたいと思った時、他の種の生物も一緒に飼えないだろうかとお思いになるかも知れません。そんな時の「おたまじゃくし」と他の種の相性を調べてみましょう。

「カワニナ」「ヒメタニシ」は、とても相性が良いです。一緒に飼う事が出来ます。最適と言えるでしょう。

「メダカ」「ドジョウ」「ヌマエビ」も一緒に飼育することは可能ですが、「おたまじゃくし」が小さいうちは、不可です。

「スジエビ」は、「おたまじゃくし」より小さい物であれば、可能ですが、注意が必要です。

「ザリガニ」「タイコウチ」は、絶対不可です。何故なら、「おたまじゃくし」を食べてしまうからです。

 


「おたまじゃくし」は、優しく扱いましょう


水替え時に不用意に触ったり、網で捕獲しない様にしましょう。

「おたまじゃくし」の身体の表面は、デリケートです。多少水質が悪くても、必要以上の水替えは控えましょう。それより、心配なのは、「おたまじゃくし」の皮膚を傷つけてしまう事です。「おたまじゃくし」の身体は粘膜で覆われていますが、とても弱く傷つきやすいのです。傷ついてしまったおたまじゃくしは、共食いのターゲットとなってしまうこともあるので注意しましょう。
 

いかがですか。「おたまじゃくし」の飼育は、実は、それほど難しいことではないという事がおわかりになりましたか。

「おたまじゃくし」が健全な成長のプロセスをたどれば、真っ黒なあの可愛らしいビジュアルから、やがて足が出てきます。そして、ちっちゃな手が出て、尻尾がどんどん短くなって、小さなカエルの形になる一連の変化、つまり「変態」がおこり、やがて、ピョンピョンと、とび跳ねるようになるのです。

この「変態」では、姿形が変化するだけではなく、エラ呼吸から肺呼吸・皮膚呼吸という呼吸法の変化が起こるという大変、興味深い生体といえるでしょう。

 


まとめ


おたまじゃくしの飼い方で知っておきたい7つの事

・フタ付きプラケースを用意しましょう
・陸場を作りましょう
・「おたまじゃくし」は雑食性です
・上陸の準備と変態後の管理をしましょう
・種類別飼育方・注意点を知りましょう
・「おたまじゃくし」は共生できます
・「おたまじゃくし」は、優しく扱いましょう