猫を飼うならどんな環境で日常生活をさせてあげようとお考えですか?自由気ままな猫を最初からケージで飼おうと考える方は案外少ないのかも知れませんね。ほとんどの場合猫は完全室内飼いがたまには家と戸外を自由に行き来出来る飼い方か・・・その2択がまずは浮かびますよね。そして家の中では自由に生活しその場その場で猫が快適だと感じる場所で過ごすというパターンが多いと聞きます。
しかし時と場合によってはケージを利用する事が猫にとって良いこともあるのです。勿論猫自身はケージに入れられることを極端に嫌がる子もいますし・・・。因みに我が家の4匹の猫の実情はどうかといいますと基本は完全室内飼いで朝ごはんをそれぞれのケージで済ませ日中は皆自由に家中を動き回り夕食はそれぞれのケージに入りそのまま夜はケージで過ごします。これにも理由はありますので後ほど。今回は猫をケージ飼いにすることで得られるメリットとデメリットについてお伝えします。
猫をケージ飼いにすることで
得られるメリットとデメリット
メリット:生活のリズムが作れます
我が家ではこの様な理由からケージを利用しています。食事と睡眠は猫はケージだと習慣づいていればケージは嫌な場所ではありませんので嫌がることなく猫自らケージに入ってくれます。ケージに入れば美味しいご飯が貰えて数時間寝ればご主人さまが遊んでくれるという習慣を続けているときっと他にも必要な場面が出てきますよ。絶対お勧めです。
子猫のしつけにも役立ちます。生後間もない子猫の場合にはトイレトレーニングが必要です。その場合トイレをケージの中に設置することでスムーズにトイレを覚えさせる事ができます。またがちなご家庭であれば留守中の子猫が落ちて怪我をしないか部屋をいたずらしないか不安ですよね。そんな場合にも飼い主さんが留守の間はケージで過ごすのを習慣にすると安心ですよね。
深刻な問題としては近年の日本は様々な災害が記憶に新しいですね。その際ペット達は大変な苦難を味わったケースも少なくないと思います。そもそも猫という生き物は臆病です。地震や災害に際してはパニックに陥り咄嗟に逃げ出す性質があります。しかし普段寝る場所、つまり落ち着ける場所がケージであれば猫はケージに飛び込んでくれる可能性が高いのです。飼い主さんはそんな時家族の安否や安全確保は重要です。家族の一員である猫も同様です。
普段から怖い思いをしたらケージに避難という訓練をしておけばその様な場合でも速やかに避難できます。また万が一家でない場所で過ごさざるを得なくなった時にも住み慣れたケージがあれば多少は気分も違うのでは?猫は自分のテリトリーを大切にします。見知らぬ外界で知らない匂いや人に遭う事は大変なストレスです。そんな時のストレス軽減のため最低限安心出来る場所を作っておくことも大切です。
メリット:ストレスから守ります
神経質な猫にとってケージは問題回避のために大切な場所になることがあります。ケージは不意の来客や騒がしい幼児などから隠れる場所としても有効です。よく慌てて押し入れや家具の隙間に隠れて様子を伺う猫も多いですよね。人見知りの猫の場合には人間が入って来られない自分専用のケージは安心できる場所なのです。
また飼い主さんのご家庭に赤ちゃんが生まれて乳幼児との暮らしが始まる猫の場合にもケージ生活は両者にとってメリットになることがあります。そもそも猫は好奇心旺盛な生き物です。生まれたばかりの赤ちゃんの動きやミルクの匂いにつられてちょっかいを出すケースもあります。また逆に赤ちゃんが猫に興味を持ちしっぽを掴んだりして猫を驚かして怒りをかってしまうケースもあるのです。乳幼児と猫を完全に隔離できない環境での暮らしにはケージは最適です。
そこで注意したいのは今まで自由に部屋でくつろいでいた猫をいきなり赤ちゃんのためにケージ飼いにすることです。新入り(人間の赤ちゃん)のために何故自分だけが・・・という猫の不満は当然ですから猫の気持ちを考え短時間から徐々に慣らしてあげるのが大切です。お互いの為だということをしっかり伝えてあげるのが肝心なのです。
また家の中に充分な遊びの環境がない場合には高さのあるゲージを用意してあげるとストレス解消が可能という点で猫をケージで飼うメリットがあります。元々猫は上下運動が好きでキャットタワーやキャットウォークが設置出来るご家庭であれば是非そうしてあげて欲しいのですが現実的にはスペース上の問題や賃貸などで手を入れることが出来ないなど難しいケースが多いものです。
トイレスペースは1階に食事スペースは2階に就寝スペースは3階にといった具合に目的に合わせ上下活動が出来る高さのあるケージを用意してあげると高い上の階にジャンプしてそこから下を眺めているたったそれだけでもストレス解消できてケージライフを楽しめるものです。夏はひんやりベッド・冬は温かい毛布など快適な寝床を用意してあげると猫にとってケージは快適空間になるのです。
病気や怪我で安静を余儀なくされた時にも猫自身ケージで過ごす事に慣れていれば環境が大きく変わることがないので安心して過ごせます。猫は自分のテリトリーから出ることを嫌いますからいつもの寝場所が変わったりトイレの場所が変わるだけでも更に体調を崩すケースもあります。そんな不測の事態が起こった場合にも猫にストレスを与えることなく居場所を移動する事ができるのです。
メリット:しつけに利用できます
猫は爪が伸びれば爪とぎをするものです。飼い主さんがこまめにカットしてあげても爪とぎ行動はします。そして爪切りを極端に嫌がる子もいますから飼い主さんは猫の爪を切るのも一苦労なのです。そうなると当然のことながらほとんどの飼い主さんが懸念するように家の壁や床・家具はその爪とぎ傷の危険にさらされるものです。
完全ケージ飼いは猫の精神衛生上望ましくはありませんが爪とぎアイテムをケージ内に設置し爪とぎをするのはケージ内で!というしつけは可能です。飼い主さんご家族の誰かが子猫をケージから出すときにはしっかり猫の様子を見てあげるルールを作り爪とぎや粗相をさせないように徹底してしつける意味では猫のケージ飼育はとても有効です。
つまりトイレトレーニングやいたずらなどのいわゆる問題行動全般に上手に猫ケージを取り入れると飼い主さんの強い味方になってくれますよ。
デメリット:ストレスになります
猫をケージで飼育するメリットであげたストレス解消に役立つ半面、猫はケージに入れられることでストレスを感じるケースも少なくはありません。そもそも猫は寒がりで暑がり、自由気ままにのんびりとした暮らしを望むものです。そんな自由大好きな猫を長時間ケージ閉じ込めるということは彼らの人生の全ての楽しみを奪ってしまうことにもなりかねません。
いかなる理由があろうとも5時間以上狭いケージに閉じ込めることはお勧めできません。猫自身がケージから出たがりますし健康上、また精神衛生上よくないのは言うまでもありません。狭いケージの中、自由に動けない環境では退屈もしますしストレスを抱えます。また解消する術を見つけられなくなるのも当然です。
ケージに入れなければならない意味をきちんと考えて適材適所にケージを利用するという考え方が一番自然です。猫が嫌がるのなら無理強いはいけません。ケージに入りたい気持ちになっていないのに閉じ込められるのは飼い主さんが考えるより猫にとってはかなり辛いことで相当なストレスになるのです。
デメリット:最適な快適空間を保つのは結構大変
猫のケージを用意するデメリットは飼い主さんのコスト的な負担が大きいということです。猫にとって望ましい大きさのものを用意しようと考えれば最低でも1万円以上するのは覚悟しなければいけません。勿論大きいものであれば人間の生活スペースも提供するのですから部屋は狭く感じることにもなります。
当然のことながら猫はケージを自由に出入りすることが出来ませんから常に最も快適な環境に設置する必要があります。そんな快適なスペースを猫に提供するのが優先で人間は我慢・・・ということになりますね。それを不満に思ってしまうのなら猫をケージで飼うことは今一度検討が必要です。
夏の日差しや冬の寒さには充分な配慮が必要です。季節に合わせた快適な環境を保てる工夫をしなければいけません。またうっかりしがちなのが飲料水です。猫のケージ飼育かそうでないかは関係ないのですが食事は毎日決められた時間1日に2~3度分けてあげればいいので比較的管理も楽なのですがお水はなるべく新鮮なものを24時間いつでも飲めるようにしておく必要があります。
自由に家の中を動き回れる猫ならば不測の事態が起こったとしても最悪の場合洗面所やキッチン、バスルームなどでなんとかしのぐ事が出来る可能性もありますが特に猫をケージで飼う場合にはこれが案外難しいのです。
いかがですか。以上が猫をケージ飼いにすることで得られるメリットとデメリットです。猫をケージで飼うということに関しては結論から言えばメリハリをつけて利用し猫にストレスを感じさせない工夫をしてあげれば理想的です。猫をケージで飼う事に否定的な意見を持つ方も多いとは思いますが猫にとって、また飼い主さんにとってメリットもあり決して全て否定する必要はないのです。
猫にとってケージが嫌な場所でないと感じられる工夫と配慮ができるのであれば是非お勧めします。我が家では4匹中3匹が病気のため医師の処方の餌を食べています。そのため食事やトイレの具合を確認する為に隔離が必要な環境です。また赤ちゃんもいるので夜の猫達の大運動会は望ましくありません。その様な理由でケージを利用していてとても助かっています。猫達自身も一日の生活の流れが分かり易く快適に過ごしているようです。
まとめ
猫をケージ飼いにすることで得られるメリットとデメリット・メリット:生活のリズムが作れます
・メリット:ストレスから守ります
・メリット:しつけに利用できます
・デメリット:ストレスになります
・デメリット:最適な快適空間を保つのは結構大変