ピンクの体をし、赤いエラが3本ついている不思議な生物でとても愛らしい表情とまったりのんびりした動きが可愛らしく、1980年代に空前の大ブームとなったウーパールーパー。
当時は水族館で見る動物だったウーパールーパーですが、現在ではアクアリウムショップなどで2000~4000円程度で購入できる為、気軽にペットとして一般家庭でも飼われる様になっています。また、飼育方法も確立され、とても身近な動物になりました。
ウーパールーパーの正式名称はメキシコサンショウウオで、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類です。
簡単な飼育の中でもウーパールーパーの注意しておきたい7つの飼い方がありますのでご紹介します。
ウーパールーパーの注意しておきたい
7つの飼い方
初心者には単独飼育がお勧め
始めてウーパールーパーを飼う際に単独飼育を勧められるのは何故か。
それは、ウーパールーパーは口の前に来た動くものを無造作に食べてしまうという習性ゆえの行動で「共食い」が発生する可能性があるからです。
特に幼生期には注意が必要です。また、ウーパールーパーの中でもアルビノやゴールデンなど、目の色が白や薄いピンク等いわゆるアルビノアイの個体は、視力が低いため動くものによく反応したり、餌に対する執着心も人一倍強いので要注意です。
個体購入の際のポイントは「大きさ」と「欠損」
ペットショップの水槽で出逢う5㎝以下の小さいウーパールーパーはとても愛らしく感じられるでしょうが、実は、飼育は難しく、一定の飼育レベルを持たない飼い主さんには困難です。
できれば10cm程度に成長した個体を選ぶ方が失敗せず、安心して飼育する事ができます。
また、暑さの厳しい夏になるまでに、ある程度の大きさに育っている事が望ましいので、どうしても小さい状態から飼いたいというのであれば、1月頃生まれた子をじっくり育て体力をつけさせて夏を乗り切れるようにしてあげましょう。
「欠損」とは主に共食いで手やエラが無くなってしまっている状態の事です。ウーパールーパーには再生能力があり、成長した個体であれば正しく飼育していけば「欠損」した部分も再生しますので、あまり気にすることはありません。
しかし、小さい稚ウーパールーパーの場合、両手や両足、両エラ等欠損していると、再生に使うエネルギーを得る前にエサを食べる事すら困難になるという事になりかねず、大変危険な状態なのです。
望ましい水槽の大きさは45cm平方以上
成長した大人のウーパールーパーは体長25cm程度になりますので、体を曲げずに入れる30cm平方の水槽が必要と考えられるでしょう。
30㎝平方というのも最低限の大きさであると考えるべきかも知れません。更に一つの水槽で複数匹のウーパールーパーを飼う混泳の場合には、全ての個体が成長した姿を想定し、それに見合った大きさの水槽を用意しなければなりません。
因みに水槽の深さ(高)に関してはウーパールーパーの場合、彼らの行動パターンとしてはのんびり遊泳したり、水槽の底を這って歩いたり、水面に顔を出して呼吸をしたりするので必要のないもの、むしろ、向かないものといえるかも知れません。
お勧めとしては、ランチュウ飼育用の低いタイプなどでしょう。
重要なのは、夏の温度管理
ウーパールーパーの暮らしていたメキシコの湖は、夏でも水温は25度程度、そんな彼らにとっては水温が30度を超える日本の夏はとても過酷な環境と言えるでしょう。
近年では、様々な保冷方法や「クーラー」や「ファン」など保冷アイテムも豊富にありますので、水槽の中を常に快適な状態に保ってあげられる様になってきました。「ファン」にしても「クーラー」にしても、冷え過ぎやパワー不足、コスト面など一長一短それぞれの特徴があります。
それらを知り理解した上で、使用する水槽や設置環境に合った最適な保冷システム、アイテムを選ばれると良いでしょう。反面、冬の保温の為のヒーターの準備は屋内飼育の場合、特に必要はないでしょう。
もし寒暖の差がかなり激しい場合や最低水温が5度を切る場合には、導入を検討してみるのもよいかもしれませんが、基本的には冬の寒さ対策は必要ないと考えてよいでしょう。
また、水温管理の基本である水温計は、必需品です。
水槽の中の環境について
水質はPH中性~弱酸性が良いとされていますが、あまり神経質になることもないといわれます。水温に関しては5~25度ぐらいが最適であり、高温に弱いウーパールーパーにとって28度はとても暑く、決して良い環境ではありません。反面寒さには強く、5度でも問題なく飼育できます。
飼育スペースとしては陽のあたらない涼しい場所に水槽を設置するのが望ましいでしょう。
水換えについては、水道水をカルキ抜きして使用し、水槽サイズやろ過能力にもよりますが、1~2週間に一度、水槽内の水の半分量を目安に水換えをしましょう。
複数匹を混泳させる場合、ウーパールーパーには縄張り意識はあまり強くはありませんが、隠れ家として入れた土管などに密集してしまうと共食いの危険性もありますので、片方が密閉された隠れ家などは避け、出入りのしやすい穴が多い物を1匹×1を用意してあげるなど十分に配慮しましょう。
餌は個体それぞれの好みを知ろう
ウーパールーパーの食事の仕方は、周囲の水と餌を一緒に飲み込みます。ですから餌の大きさは口に入るサイズで、それ以上の物になると吐き出してしまいます。また、食の好みや食べる量、味覚の違いもあるので、それらを把握する事も重要です。
活餌や人工フードなどバランスを考えて与える様にしましょう。
与え方にもコツがあり、口元目指して水面に落とし、沈めながら食べさせるのですが、落ちた餌に気づかない場合もありますので、ピンセットやスポイトなどで口元に近づけて与えるという方法もあります。
餌を与える頻度については毎日必ずではなく、隔日や3日に1回など諸説ありますが、それもそれぞれ、食べる量に個体差はありますので、普段から我が家のウーパールーパーの最適な食事の量を把握しておきましょう。
しかしながら1日3回というのは、例え1回分が少量だったとしても過剰と言えるかもしれません。
常に様子を観察し、小さな変化も見逃さないようにしよう
6月~9月の時期には、水温が上昇し水質の悪化に伴い、病気への注意が必要です。餌の食い付きが悪くなったら、まず水質や水槽内の環境の改善をはかり未然に病気を防ぎましょう。
主な病気には、顎の腫瘍や体のカビ、外鰓が溶ける(白い、真っ赤、抜ける)、体に赤い斑点等です。
いかがですか。以上がウーパールーパーの注意しておきたい7つの飼い方です。あの愛らしい表情とユニークな動きで、見る者を魅了するウーパールーパーに癒されながら、日々過ごす喜びを味わいたいものですね。
その為のいくつかの忘れてはならないルールをまとめてみましたが、人気者であるからとか面白いからとか気楽なペットと考えるのではなく、一つ屋根の下、一緒に暮らす住人であり仲間であるという事を常に頭において、良い環境、食事、健康的な生活を提供するという心構えさえあれば、特別な事ではありません。
まとめ
ウーパールーパーの注意しておきたい7つの飼い方
・初心者には単独飼育がお勧め
・個体購入の際のポイントは「大きさ」と「欠損」
・望ましい水槽の大きさは45cm平方以上
・重要なのは、夏の温度管理
・水槽の中の環境について
・餌は個体それぞれの好みを知ろう
・常に様子を観察し、小さな変化も見逃さないようにしよう