ペットのなかで、愛らしい姿とコミカルな動きで人気なのが猿ですよね。私たちにとって最も身近な存在で、とても賢い動物なのですが、ペットとして飼うには事前に飼育方法を十分に確認しておく必要があります。なぜならば、猿をペットとして飼うのはとても難しいからです。
ペットとしてよく飼われている猿の種類は、リスザル(コモンリスザル)やコモン・マーモセットなどが多いです。体長は20~30cmほどで身体が小さく、飼うスペースをそこまで必要としません。
とはいえ、やはり簡単に飼えるというわけではありません。そこで今日は猿をペットにしたいと考えている人が、最低限クリアすべき7つの条件についてお伝えします。ではご覧ください。
猿をペットにしたい人が
最低限クリアすべき7つの条件
猿はペットではなく野生動物であることを認識してください
あくまで猿は野生動物です。犬や猫、うさぎやハムスターのようなペットではありません。賢いからといって、飼い主が定めたしつけを守ろうとする習性は猿には無いのです。
小さい赤ちゃんの頃はしつけができるかもしれませんが、成長とともに人間の言うことに抵抗したり凶暴になったりします。
人間と同じように両手が使えるので、飼い主の大切な電子機器や書類を壊してしまうこともあります。
テレビでよく見るような、人間の言いつけを守るイメージは捨てたほうが賢明でしょう。野生動物としての猿の習性を尊重するようにしてください。
お互いに感染症を移してしまいます
猿は私たち人間と同じく霊長類の動物です。そのために私たちの感染症が猿に移りますし、猿の感染症が私たちにも移ります。風邪といった軽症のものから、Bウィルスという生死にかかわる感染症までさまざまです。ほとんどの場合が、私たち人間から猿に感染させてしまうのです。
衛生面や健康面でも細心の注意を払う必要があります。
但し、おしっこのマーキングや食べものの散らかしなど、衛生面でしつけをすることは難しいです。こまめに掃除をするなどして、少しでも良い衛生状態を保つ必要があります。
私たち人間と同じく感情豊かです
私たちと同じ霊長類の動物のためか、猿は人間と同じような感情を持つ傾向があります。私たちが人を好きになったり、嫉妬や妬みといった感情を持ったりしますよね。それと同じように猿も感情を持つものです。
相手によって好き嫌いがはっきりしています。好きになった相手には、強い絆を持つようになります。
動物園の猿は、猿自身が気に入った人を飼育係に据えるそうです。人間と同じように猿の気持ちをよく汲み取るように心がけましょう。
猿に適した飼育環境を準備するようにしましょう
猿は野生下でもそうであるように、樹の上で生活する動物です。飼育する場合にはなるべく高さのあるケージを用意して、止まり木を何本か入れて飛び移れるようにしてください。エサを散らかしたり、排泄物を飛ばしたりするので、掃除しやすい場所に置くといいでしょう。
猿は比較的寒さに弱い動物です。寒い冬の時期には部屋の室温を一定以上に保つ必要があります。
ケージの周辺は30℃くらいに保つのが理想的です。エアコンをはじめ、ホットスポットをつくって暖かい場所を確保してあげてください。紫外線を浴びるのが足らないと病気になってしまいますので、日の当たる場所にケージを置くか、紫外線ライトを設置してください。
猿はお金のかかる動物だと心得ましょう
猿を飼育する場合、猿自体の価格も高いのですが、飼育環境を整えるための費用も結構かかるものです。
上述した暖かい温度を一定に保つための暖房器具などの初期投資のほかに、止まり木や巣箱、エサ箱などは、猿が壊してしまいますので、消耗品として定期的に交換する必要があります。
一般的なペットよりも、お金のかかる動物だと心得てください。
エサは猿用のエサだけで、人間のごはんは与えないようにしましょう
エサは基本的にはモンキーフードで大丈夫です。もし入手できないなら、一時的ではありますが子犬のドッグフードでも代用することは可能です。
その他に、果物や昆虫などを好んで食べます。
私たちに近い動物だからといって、人間のごはんは決して与えてはいけません。味付けしてあるごはんを与えてしまうと、病気になりかねません。
生涯責任をもって飼育しましょう
猿の寿命は15年~20年とも言われています。この長い年月を、最後まで責任をもって猿を飼育できますか。よく考えてください。猿はほかの犬や猫と異なり、新しい飼い主を探すのは非常に大変です。
また、実際に飼育してみると、時間やお金が膨大にかかって大変だという意見も多く聞かれています。どんなペットでも同じですが、生涯最後まで責任をもって飼育するようにしましょう。
いかがでしょう。猿をペットにするのは、非常に大変だということがお分かり頂けましたよね。もし少しでも不安を感じるならば、猿をペットにするのは止めておいたほうが良いかもしれません。
もしかすると、別の種類の動物が合っているかもしれません。そのくらい、猿を飼育するのは難しいですので、いま一度よく考えて検討しましょう。猿はペットではなく、あくまで野生動物として飼育する、ということをよく覚えておいてくださいね。
まとめ
猿をペットにしたいなら・猿はペットではなく野生動物であることを認識してください
・お互いに感染症を移してしまいます
・私たち人間と同じく感情豊かです
・猿に適した飼育環境を準備するようにしましょう
・猿はお金のかかる動物だと心得ましょう
・エサは猿用のエサだけで、人間のごはんは与えないようにしましょう
・生涯責任をもって飼育しましょう