老猫には、どの猫もいずれなりますよね。若いうちに亡くなってしまったら、もちろん老猫にはなりませんけれども、あたりまえに歳をとっていけば、必ず、老猫になるものです。人間が永遠に若いままでいられないように、猫だって残念ならが老化をまぬがれることはできませんよね。しかも、猫は人間よりずっとずっと早く、年を取ってしまうのです。
いつまでも子どものように思っていた我が家の猫。でも、必ず、老猫になる。我が家の猫が、だんだん歳をとってきたら、あらかじめ、老猫に対するさまざまなことを学んでおいた方が賢明です。歳をとった人間がいろいろできなくなることが増えるように、老猫だって、今までのようにいかないことが増えてしまいます。そこを、飼い主がケアしてあげましょう。
大事な我が家の猫が、老後もすこやかに幸せに暮らせるようにどのようなことを気をつけたらいいのか、どのような準備をしておく方がいいのか、お伝えします。
老猫になったペットの気持ちと
準備しておきたいもの
寝てばかりいるようになる
人間だって若いうちは元気ですけれども、年を取ったら疲れやすくなります。猫だって同じです。子猫の時には、いくらでも永遠に遊んでいたのに、老猫になったら全く遊んでくれなくなったという話は、よく耳にすること。昔は遊んでいたのに、どうして遊ばなくなったんだろうなんて、悩まないでください。
老猫にしてみたら、目の前でねこじゃらしをプラプラされたって、飛びつく元気なんてあるもんか、と思っていることでしょう。若いもんみたいに、なんでもかんでも飛びつくわけはないとか、あんなねこじゃらしみたいなプラプラに飛びついて面白いと思う年齢はとっくに超えたわい、と思っているかもしれません。老猫の気持ちを尊重して、老猫のペースに合わせてあげましょう。ムリをして、遊ばせまくる必要もありません。
高いところにのぼれなくなる
猫は高いところにのぼる名人です。家じゅうの高いところにどこでもよじのぼってしまいます。けれども、年を取るとジャンプ力も衰えるもの。人間だって、子どものうちはよく跳ねることができますし、のぼり棒なんかにもいくらでも登ることができますけれども、年を取ると、はしごを登ることさえ難しくなってきますよね。猫だって、それと同じです。老猫は、高いところに登るのが難しくなるんです。
それでも、老猫は慣れた窓辺に眠りたくって、無理やり登ろうとするかもしれません。ジャンプ力が衰えているのに、無理やりに窓辺に登ろうとして、ケガをするといけませんから、老猫が登りやすいように階段をつけてあげるなどして、工夫をしてあげましょう。
歯磨きはとっても大切
老猫になると、噛む力が弱くなるため、やわらかいウェットフードを食べる機会がぐっと増えます。ウェットフードは、飲みこみやすく、老猫にとって食べやすくてよいのですが、歯にこびりつくので、歯が汚くなってしまいます。そのまま放っておくと、歯周病になる可能性もありますから、しっかりと歯磨きをしてあげましょう。
ただ、老猫はかなり気難しくなっています。今まで、歯磨きなんてしたことがなかったら、なんじゃ、いきなり、先っぽにブラシみたいなのがくっついた棒を口に突っ込みやがって! 気に入らないぞと嫌がるかもしれません。わしの口にみだりにさわるなあ、なんて逃げ出すかもしれませんから、できれば、子猫のうちから、歯磨きにならしておく方が賢明です。
ツメ切り
老猫は、ツメが元のさやに戻らなくなってしまいます。そのままののびたツメのままで、体中をかきむしると傷だらけのかわいそうなことになってしまいますから、ツメは切ってあげましょう。
ただ、先程も言ったように老猫は気難しくなっています。今までツメ切りなんてしたこともないのに、いきなり前足をムギュッとつかんで、ツメキリなんてはじめたら、なにするんじゃあ、とおびえるかもしれません。ジタバタあばれる猫のツメを切るのは非常にむずかしいことです。ネコを傷つけてしまう可能性もあります。ただでさえ、猫のツメ切りは、案外むずかしいですから、動物病院に頼むのが一番安全かもしれません。
いかがでしたか。あんなに可愛かった子猫が老猫になるなんて、嫌なことだと思うかもしれません。若いうちの無邪気な姿はもちろん、かわいい。けれども、年を取った猫の味わいもまたよいものです。猫と共に、のんびーり、まったーりと、若いうちにはできなかったのんびり生活が実現できるかもしれません。
老猫になって、介護が必要になったからといって、捨てる人もたくさんいます。信じられないことですが、長年連れ添ってきたかわいいわが子を、平気で外に置き去りにしたり、保健所に持って行って殺してもらったりする人が実際にいるのです。言語道断です。絶対にそんなことはしないでください。
子猫はかわいいけど、老猫の介護はイヤだなんて思う人には、猫を飼う資格はありません。猫にとてもとても失礼です。猫は野良猫になったってきっと生きていけるからといって、かんたんにポイポイ捨てるのは最低の行為だと覚えておいてください。
老猫になっても、最後まで慈しみ、大事にお世話をしたら、きっとあなたにとっても得るものが多いはず。あなたの猫が天国に召された時、きっと、あなたは猫に感謝をすることでしょう。
まとめ
老猫になったペットの状態と世話の仕方は・寝てばかりいるようになる
・高いところにのぼれなくなる
・歯磨きをしっかりしよう
・ツメ切りをしてあげよう