猫の血尿はストレスが原因?その7つの理由

猫の血尿はストレスが原因?その7つの理由

猫が血尿を出す原因はさまざまです。おしっこ自体に血が混じっているものだったり、赤血球の色素だけが尿に溶けだしたものだったり、一言で血尿と言っても、色々な症状があります。この猫の血尿、ストレスによって発生するという説があります。でも、食欲不振や血便のように、ストレスから即症状が出るようなことって、あるのでしょうか。実を言うと、そうとも言い切れない部分もあるのです。

猫の血尿を見たら、様々な病気にかかっている可能性を考えなければなりません。そして、ストレスの解消も含め、猫に対してどのようなケアをしてあげれば良いかを知る必要があります。今回は、猫の血尿の原因とケア方法などについて、お伝えします。

 


猫の血尿はストレスが原因?
その7つの理由

 

 

猫の血尿の原因はストレスだけではない

まず、猫の血尿は、ストレスによっても起こりますが、それ以外の要因で起こるものの方が多いということを覚えておきましょう。その様々な原因についてはこれからご説明しますが、全ての血尿をストレスのせいだと片付けてしまい、ストレス源を取り除くことしかしないで放っておいたら、重い病気を見逃してしまうことになります。そのせいで手遅れということにならないためにも、猫が血尿を出す病気について、しっかり学んでおく必要があるのです。

 

膀胱炎には、細菌性と特発性がある

猫が血尿を出す原因として多いものが、膀胱炎です。尿道や膀胱に炎症が起き、そこから出血して尿に血が混じるのです。この膀胱炎には大きく分けて2つの種類があり、細菌感染によって起こる「細菌性膀胱炎」と、それ以外の「特発性膀胱炎」に分類されます。このどちらかにより、治療方法は異なりますが、共通するのは、人間の膀胱炎と同じく、猫の膀胱炎もおしっこをする時痛みを伴うということ。そのせいでおしっこをしたがらなくなり、別な病気を誘発するおそれがあります。

 

トイレが汚いと細菌性膀胱炎になりやすい

2つの膀胱炎のうち、細菌性膀胱炎は、尿道からの細菌感染によって起こります。この病気が起こる原因は、トイレが汚かったり、気に入らないなどの理由でトイレを我慢しがちになり、膀胱や尿道がおしっこで洗い流される頻度が減り、細菌の侵入を許してしまうことです。また、汚いトイレでも用を足せる猫だとしても、汚れた猫砂が尿道口に触れることで細菌が侵入し、感染することもあります。細菌性膀胱炎を防ぐためには、トイレの清潔を保つことと、十分なおしっこの回数を確保できるように、水分をたくさん与えるのが大事です。

 

ストレスによって起こる血尿は特発性膀胱炎のせい

では、細菌性ではない特発性膀胱炎は、何が原因で起こるのでしょうか。それは、表題にも挙げたストレスによるものだとも言われています。ただ、この特発性膀胱炎のはっきりとしたメカニズムはまだ解明されておらず、ストレスや体調、肥満、遺伝的要素など、色々な要因が複雑に絡み合って発生するようです。そのため、治療法としては対症療法しかできず、根本治療ができないために、再発率の高い病気と捉えられています。ただ、ストレスも要因の一つなので、ストレスが溜まらないようにしてあげるのは、猫の血尿の予防としては効果的です。

 

結石によって尿道が傷つき、出血する

膀胱炎以外にも起こりやすい猫の血尿の原因としては、尿路結石が挙げられます。尿中のミネラル分が結晶化したものが結石で、それが尿管に詰まって内側を傷つけ、そこから切り傷のようになり、出血するせいで血尿となるのです。この尿路結石は、人間でもよく言われますが、体内の細い管に固いものが詰まるわけですから、大変痛みを伴う病気とも言われています。猫ももちろん痛がるようになり、様子が変わってきますので、なるべく早く病院に連れて行きましょう。

 

水分不足、ミネラル過多で結石ができる

結石ができる原因としては、尿が濃くなり、結晶化しやすくなることです。尿が濃くなるのは、単純に水分不足ということのほか、水分の摂取量は十分でも、フードに含まれるミネラル分が豊富すぎることです。水分に関しては、なるべく飲ませるように工夫をすればクリアできますし、食事のミネラルに関しても、フードを購入する前に成分をよく見て、マグネシウムなどが多すぎないものを与えれば予防できます。また、結石ができやすい猫のための、低マグネシウム配合のフードを利用するのも良いでしょう。

 

ネギ類によって溶血し、血尿が出る

猫の血尿には、血自体が混じるものだけではなく、血の色素だけが混じるものもあります。これは、体内で赤血球が壊れる、「溶血」という現象が起きている時に出る血尿です。この原因の大半は、ネギ系の野菜を食べさせたことによる、いわゆる「玉ねぎ中毒」です。ネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という成分が猫の赤血球を壊してしまうのです。この溶血による血尿は、その他の血尿と少し様子が異なりますので、もしそんな血尿を見たら、最近与えた食べ物を思い出してみて下さい。

 

いかがでしたでしょうか。猫の血尿から考えられる病気と、その対処法などについてのご説明でした。これらの血尿は、全て原因は異なりますが、どの場合も必ず動物病院に連れて行ってあげることをおすすめします。猫のご先祖様は元々乾燥地帯にいた動物のため、水分を摂らなくても活動できる体質をしています。ですが、その反面泌尿器に異常をきたしやすく、血尿を始め、腎臓病などの病気にかかりやすいです。

血尿をした後、もしも猫がけろりとした顔をしていても、油断はしないようにして下さい。泌尿器の異常は、猫にとって命取りになることもあります。ですから、血尿を見たら、単純にストレスが原因だと決めつけず、色々な原因を疑ってみて下さい。

 


まとめ


猫の血尿はストレスが原因?その7つの理由とは

・猫の血尿の原因はストレスだけではない
・膀胱炎には、細菌性と特発性がある
・トイレが汚いと細菌性膀胱炎になりやすい
・ストレスによって起こる血尿は特発性膀胱炎のせい
・結石によって尿道が傷つき、出血する
・水分不足、ミネラル過多で結石ができる
・ネギ類によって溶血し、血尿が出る


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