あっ、いつの間にか猫が鼻水を出している……と、そんなことに気付いた時は、どんな対処法を取ってあげれば良いのでしょう。鼻を拭いてあげれば良いのか、だとすると、どう拭けば良いのか。また、鼻をどうこうしてあげる以前にも、体調によってはしてあげられることが変わります。適切な対処をしてあげるために、猫の鼻水にどんな病気が隠されているのかを知ることも大切ですよね。間違ったことをして、体調を悪化させることになってはいけません。
風邪、アレルギー、猫エイズ……。猫の鼻水は、様々な可能性を孕んでいます。その時々によって、適切な対処法というのは違ってきます。今回は、猫が鼻水を出している時の対処法について、お伝えします。
猫が鼻水を出したときに
やってあげたい対処法
まずは、正しい鼻水の拭き取り方を覚えよう
猫の鼻水を放っておくと、鼻水が乾いて固まって鼻くそになり、猫が呼吸しにくくなってしまいます。ですから、鼻水を出していることに気付いたら、その都度拭き取ってあげるようにしましょう。でも、人間のようにティッシュでグイグイ拭ってはいけません。猫の鼻は触れてみるとわかる通り、皮膚が薄いため傷つきやすいです。ですから、ガーゼなどの柔らかい布を湿らせて、優しく拭き取るようにしましょう。
このガーゼに付いた鼻水には、猫風邪や猫エイズなどの病原体が付いている可能性があるので、他の猫に触れないようにしてきれいに洗うか捨てるかして下さい。
病院で、何が原因かを確定させよう
猫の鼻水に気付いたら、その原因を特定させるために動物病院に連れて行きましょう。発熱の有無や目やになど、その他の症状で素人でも病名を判断できなくはないですが、獣医さんに診てもらった方が確実です。また、薬の服用が必要な病気の可能性もありますので、悪化してから病院に連れて行くより早い方が絶対に良いと言えます。確かにお金はかかりますが、猫の健康を取り戻すために必要なことですから、躊躇せずに病院を利用しましょう。ただ、目立つ症状が鼻水だけなら、恐らく急を要することはありませんので、救急外来に連れて行くほどではありません。
もちろん、嘔吐や下痢などをしている場合は、急ぎ病院に連れて行きましょう。
猫風邪や猫エイズなどの場合は、他の猫にうつさないようにしよう
さて、病院に連れて行き、鼻水の原因がわかったところで、病気別の対処法です。まず、猫風邪、猫エイズ、そして猫白血病ウイルス感染症などの感染性の病気の場合は、多頭飼いだと一気に他の健康な猫に伝染してしまいます。それを避けるために、病気の猫を隔離したり、餌の容器や水の容器を共用させないようにしましょう。複数の猫と暮らす生活は楽しいものですが、全員が一気に病気で倒れることになると、飼い主は看病が大変ですし、医療費も爆発的に膨れ上がってしまいます。そんな事態を避けることも、大切な対処法です。
隔離などは部屋数が少ないと大変ですし、面倒な点もありますが、全員が病気になることに比べれば大したことではありません。最初に病気になった猫が回復するまでの間だけでも、感染拡大を防ぐ配慮をしましょう。
発熱を伴う場合は、十分に水分補給をさせよう
猫風邪も、猫エイズも、猫白血病ウイルス感染症も、鼻水だけではなく、発熱も伴うことが多いです。熱で身体の水分が奪われることと、鼻水を出していることで、脱水症状になりやすくなります。身体の水分が足りなくなると、結石や膀胱炎などを併発する恐れも出てきます。そうならないために、発熱を伴う猫の鼻水は、水分補給が重要になってきます。普段通りに水を与えて飲んでくれるなら問題ありませんが、飲みたがらない場合は、猫が飲みたくなるような工夫をしましょう。
例えば、飲みやすい容器に替えるとか、肉や魚などを煮た煮汁を水分として与えると、飲みやすいようです。その時は、もちろん塩分を入れずに煮た煮汁を与えて下さい。
アレルギー性鼻炎の場合は、室内の掃除をしよう
猫の鼻水で忘れてはならないのが、アレルギー性鼻炎の可能性。室内飼いなら、猫が持つアレルギーは、ハウスダストによるものがほとんどです。このハウスダストアレルギーは、掃除不足によって発生したダニの死骸が症状を引き起こします。ですから、こまめに掃除機をかけたり、水拭きをしたり、猫の寝床をきれいにしたりすることで、症状の改善が見られるはずです。ただ、掃除機をかけるだけではハウスダストは取り切れないとされています。
掃除機かけに加えて、水拭きもセットでしっかりアレルゲンを除去しましょう。また、猫の寝床に使用している毛布などにもダニが発生しやすいですが、洗濯してしまうと猫がリラックスできなくなる恐れがあります。はたいたり、日干しにするなどして対処して下さい。
いかがでしたでしょうか。このように、猫の鼻水一つでも、対処すべきことがたくさんあります。猫が鼻水を出すような病気は、アレルギー性鼻炎を除いては、ほとんどが感染性の病原体によるものです。そのため、医療費が思いのほかかかったり、実は重い病気の前触れだったりなど、飼い主にとって負担になることがたくさん発生するかもしれません。ですが、鼻水を出している程度の症状のうちに病院で診てもらった方が、猫の身体も楽ですし、慢性化したり、重症化するリスクも下げられます。
猫の病気は軽いものが少なく、ほとんどが通院を要するものばかりです。たかが鼻水だから放っておこうと思わずに、重い病気の前触れかもしれないということを忘れずに、細やかな対処をしてあげて下さいね。
まとめ
猫が鼻水を出したときにやってあげたい対処法とは・まずは、正しい鼻水の拭き取り方を覚えよう
・病院で、何が原因かを確定させよう
・猫風邪や猫エイズの場合は、他の猫にうつさないようにしよう
・発熱を伴う場合は、十分に水分補給をさせよう
・アレルギー性鼻炎の場合は、室内の掃除をしよう