「猫にまたたび」誰もが知っている、この両者の関係。猫の事を良く知らない人も、また、またたびには過去、全く縁がなかったという人も、この言葉によって、両者は、きっと相性抜群なんだろう、というイメージをお持ちの事でしょうね。
しかし、ちょっと待って下さい。確かに、猫は、ほとんどと言って良い位、またたびに興味を示します。子猫やメス猫に例外は有るとの事ですが、我が家の4匹の猫達も興奮のレベルに違いはあっても、とりあえずは、みんな飛びつきます。
ただ、このまたたび、人間で言えば、今、話題の脱法ハーブや危険ドラッグに近い一面を持っているという事をご存知ですか。ですから、適度に適宜与える事は猫にとって良い影響もあるのですが、与え過ぎによる弊害もあるとの事。「与えすぎに要注意!またたびと猫の上手な付き合い方」について、お話しましょう。
与えすぎに要注意!
またたびと猫の上手な付き合い方
猫科の動物にとって性的興奮をさそう媚薬
またたびは猫科の動物にとっては、性的興奮をさそう媚薬です。酔っ払ってるみたいと表現される事が多いので、ビールやお酒などアルコール類と同じような物と捉え、考えてしまいがちですが、実は全く別物ですので充分注意して下さい。
アルコールの様に効果のほどには、個体差があり、また、成熟していない子猫や去勢されたオス猫、妊娠中のメス猫は性的欲求が弱いため、反応を示しにくい傾向があり、効果が薄い事もあるようです。「性的な興奮」をさそう物という事ですから、それには頷けます。
性的興奮というのは、喉を鳴らし、目を細め、よだれを流して眠りはじめる、この様な様子が見られる事でしょう。また、この作用の継続時間は、およそ20~30分です。
また、少量の酒は百薬の長とさえ言われていますが、またたびの場合、服用、飲食したからと言って健康になることはありません。
中枢神経に麻痺を起こします
またたびは、中枢神経、つまり脳関連部位に麻痺を起こさせます。この麻痺が重度になると、呼吸を妨げ、命の危機まで引き起こしかねないので充分な注意が必要です。
適宜適量、またたび製品には使用方法が明記されていますので、正しい使用法を守りましょう。また、誤飲誤食を防ぐために、マタタビの管理はしっかりと行いましょう。
適宜適量は、0.5gを時々与える程度
市販されているまたたび製品は、ほとんどが一袋0.5g程度ですので、もし万が一、全部食べてしまっても大問題を引き起こす事はないと考えられますが、飼い主さんは、そんなに猫が喜ぶからと言って、一度に1g以上は与えない様、むしろ出来るだけ少量で抑える様に心掛けましょう。
万が一、またたびを猫に与え過ぎた場合でも、通常は猫自身がまたたびに飽きてしまえば関心を示さなくなるのであまり、問題はないとおもわれますが、密閉された空間(ケージなど)では猫が移動できない為、場合によっては呼吸不全などを起こし、死亡するケースもあるので、注意が必要です。
連続して与えると効果が薄れる場合があります。
強度の陶酔状態になりますので、与え過ぎないで下さい
陶酔状態になった猫は、どんな反応を示すのか、一概に言えるものではありません。またたび入りのおもちゃに夢中になり、周囲が見えなくなってしまう事もあります。またたびの匂いをかいだり食べたりした猫は抑制作用がなくなり、運動が活発になります。
一般的に「ハイになる」「恍惚状態」というような表現がされる状態になる訳です。しかし、それは、10分ほどで興奮から覚醒し、習慣性や中毒は認められてはいないので、用法・用量を守りさえすれば心配はないのですが。。
そんな状態で、ケガなどしないように、充分に注意しなければいけません。またたびを与えている時には、例え遊んでいるいる時でも必ず飼い主さんは、猫の様子を観察しましょう。
またたびの効果で麻痺を起している猫は、予期せぬケガや物をこわしたりしますので、倒れやすい物や階段の近くで使用しないで下さい。
また、愛猫がまたたび入りのおもちゃを誤飲し、喉をつまらせたりしない様、遊ばせる前におもちゃに破損箇所などがないかしっかり点検しておきましょう。
効果が強いのはどのタイプ?
市販されているまたたび製品には、粉末・液体・実・枝・葉などがあります。それらの効果の強さにも、違いがあり、一般的には、粉末→液体→実→枝→葉の順だと言われています。
年齢を重ねた猫、心臓が弱い猫には、身体への負担が心配です
またたびは、刺激が強すぎる為、年齢を重ねた猫や心臓が弱い猫には、かなり体に負担をかける事になるので、使用には充分注意が必要です。
またたびの成分である「マタタビラクトン」は猫にとって血管の拡張作用があり、その効果で呼吸困難を引き起こす恐れがあるとの事で与え過ぎは禁物と言われているのです。少量ずつを与えて様子を観察した上で与える様にしましょう。
例え、身体に良い物でも、取りすぎると良くない物は沢山あります。糖分や塩分など、またたびもそれと同じと考えたら納得できるのではないでしょうか。
凶暴性が見られる事もあります
またたびの効果があるのは良いのですが、効果の現れ方はそれぞれ、可愛い猫が、凶暴な野獣に変身するというケースもあるようです。多頭飼いの場合、極度の興奮状態で、猫同士が喧嘩を始める可能性も充分考えられます。
またたびの香りや体内に取り入れる事により半狂乱、陶酔状態など一種の酩酊状態になります。これはマタタビ酸という揮発性有機酸の作用によるもので、猫の大脳を麻痺させ、次いで脊髄、延髄を麻痺させます。
一時に多量を与えてしまうと呼吸系麻痺で死に至ることがあるので絶対に避けましょう。
いかがですか。以上が、「与えすぎに要注意!またたびと猫の上手な付き合い方」の例です。食欲不振や元気がない、水分をより多く摂らせたい、おもちゃへの興味関心を継続させたいという様なケースにおいては、威力を発揮する「またたび」ですが、何事もタイミングや分量、継続時間などベストな使い所を守る事が大切という事です。
猫を元気にしたいあまりに、多量の「またたび」を与えた為に、体調を崩したり、命までも危険にさらす事がない様、しっかりとした知識をもって活用しましょう。
また、どんな形状の「またたび」が、我が家の猫に相性ピッタリなのかをただ
しく把握する事が、とても重要であるという事は声を大にして言いたいポイントですね。
まとめ
与えすぎに要注意!またたびと猫の上手な付き合い方
・猫科の動物にとって性的興奮をさそう媚薬
・中枢神経に麻痺を起こします
・適宜適量は、0.5gを時々与える程度
・強度の陶酔状態になりますので、与え過ぎないで下さい
・効果が強いのはどのタイプ?
・年齢を重ねた猫、心臓が弱い猫には、身体への負担が心配です
・凶暴性が見られる事もあります