山に近い公園を散歩していると、リスを見かけることがありますよね。彼らはとてもすばしこく、うっかりすると見逃してしまいますが、その姿はとても愛らしく、手に乗せて毛並みを撫で回したくなってしまうのです。公園や山で見かけるだけでは足りない、いつでもリスを愛でられるように家で飼いたい、と思う方も少なくないでしょう。
確かにペットショップに行けば、かわいいリスがケージの中でカリカリとひまわりの種など齧りながら行く先を待っています。しかし、かわいい気持ちでそのまま買う前に、一度リスの飼育について考えてみてください。
そこで今日はいくら好きでもリスはペットにオススメできない理由についてお伝えします。ではご覧ください。
いくら好きでもリスは
ペットにオススメできない7つの理由
ケージだけを考えているのならオススメできません
ご存知の通り、リスはもともと野生の動物です。野山を好きに駆け回ったり、木々の間を飛んだりと、よく運動します。そのため、ケージだけで飼育していると運動量が足りず、ストレスが溜まって寿命が短くなってしまうことがあります。
リスを飼育する際には「大き目のケージで」と教えられることが多いですが、できればリス部屋があるくらいが良いくらいです。一室設けるのが難しい場合は、一日のうちに時間を決めて部屋で放し、たくさん動き回らせると良いでしょう。
齧りそうなコードの保護は忘れずにしてください。
きれい好きな方はオススメできません
リスは決まった場所に排泄をする習性を持ちません。犬や猫のようにトイレのしつけはできないと考えてください。まったくトイレを覚えないわけではありませんが、完璧にはなりません。
おしっこをするときに必ずケージの中でしてくれるわけでもなく、外に向かって飛ばされることもあります。繁殖期には臭いがきつくなることもあります。
部屋に放しているときには、気が向いたところでウンチをします。これらのことに目くじらをたててしまうようでは、リスを飼うのは難しいです。
あなたがエアコンの主導権を持ちたいならオススメできません
リスは、夏は暑さに弱く、冬は寒さが過ぎると冬眠してしまいます。人の環境で飼育するには温度管理と湿度管理が必要です。一般的なシマリスは、寒い地域に順応した動物なのでじめじめした多湿の環境は不向きです。
梅雨時期などは除湿が必要になります。また室温は、夏場では25℃を超えないように、冬場は寒いままにしておくと冬眠しますので、させたくない場合には室温を暖かく保つか、ペット用ヒーターの導入が必要です。
あなたの適温とリスの適温は違いますので、リスに合わせたエアコンの稼動ができないといけません。
物音に神経質な方はオススメできません
リスは基本的に昼間動いて夜眠る動物ですが、人の飼育下においては飼い主のサイクルにある程度合うようになります。しかしこれだと本来のリスのライフサイクルと異なりますので、ストレスがかかる危険があります。
また、人間もそうですが、電気を消したら必ずすぐに寝付けるわけでもありません。ケージの中でリスがガシャガシャと動き回ることもあるでしょう。多少鳴くかもしれません。
そういった音が我慢できないのであれば、リスを飼うのは不向きです。
先住動物がいる場合はオススメできません
リスは群れを成すタイプではなく、単独で行動する動物です。そしておとなしい動物とは言えず、相手を敵とみなすとかなり凶暴になります。リス同士を同じケージで飼育しようとすると、命に関わる激しいケンカになることがあります。
また猫などが部屋にいる状態でリスを放したりすると、自然界では「狩られる」側にリスはありますので、強いストレスを感じることになります。隔離して飼育したとしても、互いの「におい」はわかりますので結局ストレスになります。
リスを飼う場合は、1匹飼いが適しているでしょう。
家を空けることが多い方はオススメできません
リスを飼う場合、毎日の水換えやエサの補充、トイレの掃除が日常のお世話になります。これに関しては、一日二日の外出程度であれば問題ないでしょう。
しかし「その3」の通り、温度環境は保たなければなりませんので、エアコンはつけっぱなしで出かける必要があります。さて、問題は三日以上の留守です。これだけ空くと、ケージ内の衛生状態にかなり不安がでてきます。
それなら小動物だし連れていけばいいか、というとそう簡単にもいきません。リスは車移動などに大きなストレスを感じますし、移動の際の寒暖差が体調に大きく響くこともあります。長期出張が多い方は、飼育は難しいでしょう。
5年以上のお世話に耐えられない人にはオススメできません
メジャーなシマリスで、寿命は6~7年です。10年以上生きてくれることもあります。
同じ小動物でもハムスターなどに比べてずっと長生きです。かわいいからと飼うのは簡単ですが、この先他の動物も飼えませんし、長期の旅行も難しくなります。光熱費も上がるでしょう。
具合が悪くなったら、通院や入院が必要になり、介護をしなければなりません。いらなくなったから野山に放すというわけにはいかないのです。そういったことをきちんと考えられないようであれば、リスを飼うのはやめておきましょう。
実はすべての根源には、リスは野生動物である、ということがあります。もともとペット用に、人に飼育されるために改良された動物ではないので、野山を走り回っているのが本来の姿なのですよね。ただ、飼われたリスが不幸かというと必ずしもそうではないでしょう。
そのためには、リスの本能行動にできるだけ近い状態で飼育してあげることが良いのです。犬や猫とちょっと違うリスの飼育事情。飼う前にきちんと考えてみてください。
まとめ
リスはペットにオススメできない理由・ケージだけを考えているのならオススメできません
・きれい好きな方はオススメできません
・あなたがエアコンの主導権を持ちたいならオススメできません
・物音に神経質な方はオススメできません
・先住動物がいる場合はオススメできません
・家を空けることが多い方はオススメできません
・5年以上のお世話に耐えられない人にはオススメできません