猫の鳴き声☆意味がよくわかるチェックポイント

猫と暮らしている皆さんは、猫が使ういくつかの鳴き声についてはよくご存じですよね。個体によってそれぞれ微妙に違いはあるものの、猫の鳴き声にはどの個体にも共通したルールのようなものがあり、猫同士では当然のことですが、私たち人間にも同じように語りかけてきます。

猫の鳴き声で大変よく知られているのが春や秋の夜更けに聞こえる「ア〜オ、ア〜オ」という求愛の声でしょう。あの小さな身体の一体どこからと思う音量、訴えかけるような調子に眠りを妨げられて頭の痛い思いをしている方も多いかも知れませんね!

もちろん、猫の鳴き声はそれだけではありません。「にゃーん」という鳴き声が一体どういう意味なのか、首をひねることもあるはずです。そこで今回は、猫の鳴き声の意味するところをお伝えします!

 

猫の鳴き声☆
意味がよくわかるチェックポイント

 

わかりやすい鳴き方に着目しよう

「近寄らないで」

もっともふつうに考えて、猫の鳴き声は概ね「にゃーん」ですよね。これは、猫の発声器官が、自然な状態で発声すると大体このような鳴き声が出る構造になっているためだと言われます。

個体により、この基本の鳴き方が「わ〜ん」「ひゃーん」「きゃーん」などいろいろに変化することがありますが、このような違いは差し引いて考えましょう。さて、多くの個体に共通の鳴き声とはどんな鳴き声でしょうか?

冒頭で挙げた「ア〜オ、ア〜オ」をはじめ、よく知られた一般的な鳴き方としては、「ゴロゴロ」「フウ〜ッ」「シャーッ」「ウゥ〜〜〜〜」などがありますよね。さてこれらの鳴き方ですが、特徴的なのはズバリ…意味がはっきりしていること!です。

「フウ〜ッ」「シャーッ」「ウゥ〜〜〜〜」などは、絶対に解釈を誤りたくない鳴き声ですよね!猫が険悪な様子でこんな鳴き声を発したら、それ以上追い詰めるのはやめておきましょう。後に引かなければ襲いかかるつもりであると告げていますから。

興奮度合いを段階を追ってご紹介すると、まず普通は「ウゥ〜〜〜〜」と低く唸って相手の出方を見ることが多いようです。猫によっては軽く小さく「フゥ〜ッ」(又は「ハァ〜ッ」)と言って牽制することもありますので、まちまちですね。状況によりますが、「シャーッ」が出る頃には、興奮もMAXに達しているかもしれませんね。

 

「美味しい!」

使われる状況が限られる鳴き方をあと2つ挙げてみますね。ひとつ目は、猫が食べるときに発する鳴き声です。お腹がペコペコ状態の猫にご飯をあげると、食べ物を口に入れた状態で咀嚼しながら鳴くので、「ワオワオワオ」または「みゃうみゃうみゃう」と聞こえる鳴き方をすることがありますよね。

その猫が食べたことがないようなご馳走をもらったときにも同じことが起こります。これは室内飼いが普及しつつあり、飼い猫が「飢える」状況が珍しくなった最近ではあまり見かけないかも知れませんね。

こんな時、猫はご馳走を楽しむことに集中しているわけですから、ぜひそうさせてあげましょう。いくら鳴き声が可愛くても、食べ物の恨みは恐ろしいものです。「邪魔をした」と判断されれば豹変するかもしれませんよ!

 

「捕りたい!」

もう1つは、猫が獲物を捕ろうと夢中になっているときに自分でも気が付かずに発する声です。「けけけけけけけけ」「へけけけけ…」「ニャ、ニャ、ニャ、ニャ、…」あるいは声に出さず口だけを動かしているときもあります。窓の外に近くまで鳥が来ているときなど、お聞きになったことはありませんか?

飼い主さんが猫ちゃんとおもちゃで遊んでいるときにこの鳴き方が出たとしたら、それはあなたの「猫じゃらし」が第一級の腕前であると保証されたようなものです。自信を持って下さい!

 

猫の鳴き声は外国語と同じ。使われる状況に着目しよう

上の項目で挙げた鳴き方は、状況によってあまり意味が変化しない鳴き方でした。さて、それでは状況によって意味が変わってくる鳴き方にはどんなものがあるでしょうか?

「ア〜オ、ア〜オ」は言ってみれば気持ちをありったけの声量で表現しているだけですが、春先や秋の夜に聞こえるわけですから、発情期の猫どうしが鳴き交わす求愛の鳴き声と考えて下さいね。

同じように鳴いていても、これから獣医さんに行くのでキャリーケースに入れられている、あるいはお風呂に入れられてお湯の中に浸けられたのであれば、意味するところは違ってきます。

意味は「お願い!出して!今すぐ!怖いよう!」になり、声のト−ンも求愛の時の「お願い!デートして!今すぐに!どうしても!」と訴える時とはまた違い、怖いという感情がにじみ出ます。状況によって意味が異なる鳴き方のこうした違いを押さえることで、他の鳴き方の意味を把握するのに格段に役立ちます。

最近では研究が進み、猫の「ゴロゴロ」という鳴き方もメカニズムが明らかにされつつあるようです。「ゴロゴロ」はまず猫の親子のコミュニケーションに使われ、それに準じて親密な相手に好ましい感情を伝える場面で主に使われます。

注意したいのは、使われるのが好感情を伝えたい場面ばかりではないというところです。出産中の猫や、深刻な傷病にさらされた猫はひとり「ゴロゴロ」と言っていることがあります。

もちろん、人間や周りの個体に好感情を伝えているわけではありませんので気を付けましょう。独り言のようなものと解釈してそっとしておく方が猫のためです。人間の場合でも、よく笑う人は長生きするとか、病気にかかりにくいと言われていますが、猫も同じように意識的に「ゴロゴロ」で不調をケアしているとしたら、とても興味深いですね!

 

いかがでしたでしょうか。

以上猫の鳴き声について実際の例を挙げてきました。猫の鳴き声の意味を理解する重要な手掛かりとして「状況」をポイントにしてみました。

猫は非常に保守的な生き物で、日ごろの変化を嫌います。そこで注目したいのが「いつもの」様子です。猫の様子を観察していると、人間に対するコミュニケーションのほどんどが「要求」であることに気が付くものです。

ゴハン、トイレ、退屈(遊び)、癒し(甘え)など、猫は飼い主に「何をしてほしいか」を伝えようとしています。例えば、夕方ごろに猫が来て「にゃあにゃあ」としきりに鳴くことはありませんか?

最後にえさを食べてから数時間経っているようなら「ゴハンちょうだい!」であることはまず間違いないですよね。それで、飼い主はご飯を出したとします。すると猫は鳴くのをやめた。

ここまで来て、夕方の猫の「にゃあにゃあ」は、「ゴハンちょうだい」だったということが分かるわけです。この流れを毎日繰り返すことで、ご自分の猫の言いたいことがどんどんわかるようになり、分かるようになった猫語はどんどんたまっていきます。そうしたら、頭の中で「うちのこ猫語辞典」を作ってみて下さい!

「うちのこ」がいつ、どんな風に鳴いて、結果どうだったのかを覚えておけば、不調の時がいつなのか見分けることができます。猫は大変辛抱強い動物ですので、「苦しい」「体が痛い」などの言葉は多くありませんが、「うちのこ猫語辞典」が充実していれば猫のひそかな訴えに早く気づくことができます。それに…たまに知らない猫に出会っても案外意思が通じるのにびっくりなさるはずですよ!

 

まとめ

猫の鳴き声☆意味を理解するには

・基本的な猫語を覚えよう
・状況による意味の違いをヒントにしよう
・猫を観察!「うちのこ猫語辞典」を作ってみよう


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