画像出典 鮒次郎のブログ http://blogs.yahoo.co.jp/aiamuhuna
ドジョウは丈夫なため、比較的飼育が容易な生き物です。冬越しも出来ます。水温や水質にも特に注意も必要ありませんので、飼育初心者にも適していると言えるでしょう。
ドジョウの種類によっては、大きいもので20cm程度に成長する個体もいる様で、水槽の大きさは、飼う個体に合うものを用意しましょう。
代表的な品種は、マドジョウ・ヤマトシマドジョウ・フクドジョウ・ヒドジョウやホトケドジョウなどです。
マドジョウは、日本全国の水田や川などに生息している一般的に知られているドジョウです。成長しても最大で約12cm程度で、水槽で飼育するのに適した良い大きさと言えるでしょう。ヒゲ10本。性格は温和なので、他の生物との混泳にも適しています。
ヤマトシマドジョウは、九州と山口県のみに生息する日本固有種です。ヒゲは6本。比較的きれいな水質の中流から上流が生息地とされます。スジシマドジョウより上流側に生息します。ヤマメのような体の模様が美しく、成長するとオスは約8cm、メスは約10cmになります。
普通のシマドジョウは本州や四国・大分県の川の中流から下流や湖、沼などに生息している、日本固有の種です。オスの胸ビレの根元にある骨質盤と呼ばれる部分の形がヤマトシマドジョウは異なり、区別する事が出来ます。マドジョウと比べると、ややきれいな水を好みます。
それらの特徴を知った上で、ドジョウの飼育を楽しみましょう。それではドジョウの飼い方を見ていきましょう。
ドジョウの飼い方で注意するべき7つのポイント
底砂を用意しよう
自然界を再現したいのなら水槽の底に5センチくらい泥や細かい砂を敷きましょう。
ドジョウは、自然界では水底の泥の中に潜って暮らしています。より自然に近い雰囲気で飼育したい場合には、川砂が良いでしょう。本来、泥を好むドジョウですが、観賞用として飼育するのなら、泥では潜ってしまい観察ができないので、代わりに細かい川砂を敷きましょう。
幸いな事に、そこに関しては、ドジョウ自身はそれ程敏感ではない様です。
ドジョウの食事法、口から砂利ごとエサを吸い込み、砂だけをエラから排出するという点でも、泥砂利(川砂)が最適でしょう。また、砂利に潜り冷水から体を守り、冬眠する事も考えられますので、そういった意味でも底砂は必要と言えます。
水槽に敷く砂利は、ホトケドジョウ・フクドジョウ以外は、良く潜るので出来るだけ細かいものがお奨めです。
因みに、ホトケドジョウの場合は、中層を泳いでいる事が多いという特徴があるので、底砂はあまり必要ないと言えるでしょう。また、フクドジョウは小石・粗目の砂利・砂を混合させると、生息地の雰囲気が出るようです。
川砂を採取するのなら、細かく角がないものを選ぶようにしましょう。角があると魚体を傷める原因になってしまうので、配慮が必要です。
水田の泥を入れるのも一案ですが、観察するという観点からは、水を濁らせない為、水底の泥を動かさない様、水流のコントロールに細かい配慮が必要となる事から手間がかかります。
ショップで手に入るものでは、水田の泥を洗って砂粒のみを取り出した「田砂」「新田砂」、「荒木田土」が販売されています。ただし、「荒木田土」を大量に使うと、ろ過器はあっという間に目詰まりしてしまうので一切使えません。
水草を育てた経験がある方ならご存知かもしれませんが、ソイルシリーズのパウダータイプというものが、柔らかさから魚体を傷めないという点では良いそうです。これならば、水田の環境に近い酸性の水質にし、ディスプレーの水草にとっても最適です。しかし、高価なのが難点です。
大きな水槽にしよう
45cm(高さ)×30cm(縦)×30cm(横)以上の大きな水槽がお勧めです
このサイズの水槽で10尾程度までの飼育が可能でしょう。ドジョウは体長10~15cm程度になる事を考えると、小さな水槽での飼育は困難かもしれません。
また、ドジョウの水槽の配置場所ですが、なるべく明るいところにおく事が望ましいのですが、直射日光に当てる場所では、水温上昇に注意しましょう。
また、ドジョウは寒さに弱いので、冬は陽のあたる場所で水温が下がらない様工夫してあげたいものですが、陽があたる屋外では、低温になり冬眠してしまうようです。
水槽のフタは必須です
ドジョウは、夜間の運動量もかなり多く、勢い余って飛び出す事が良くありますのでフタは必需品です。水槽のほんの小さな隙間からでも飛び出すことがあるので細心の注意が必要です。
また、震動に敏感で、驚くと水槽から飛び出してしまう事がありますので、この点でも注意を払いましょう。
その様な理由から、ドジョウの飼育に関しては、水槽の高さ、深さが大変重要と言えます。しかし、うなぎと違いドジョウの場合には、高さ(深さ)が40cm以上ある水槽であれば、そこから飛び出す事は大変難しいので安心でしょう。
カルキを抜いた水道水を使おう
水は金魚などと同様に、水道水をそのまま使わう事は望ましくなく、1~2日ほど汲み置きして塩素を抜くか、カルキ抜きを適量入れてカルキを抜いた水道水を使います。
水が汚れてきたら、水替えをするのですが、水の入れ替えは、週に1回、全体の1/3程度の量を入れ替えましょう。一度に全てを入れ替えてしまうと、水槽内で繁殖しているバクテリア(フンや食べ残しを分解する働きを持つ)が存在しなくなり、環境の急激な変化がおこります。それは、ドジョウの飼育に悪影響を与えてしまいます。
その水質の変化を危惧して「水替えは基本的に2ヶ月に一度。水槽の3分の2」という意見もあるほどですので、実際には、飼育数、水槽の大きさ、餌の食べ残しなどそれぞれのご家庭にあったケアのコツを研究しましょう。
また、水替えの際の水質維持に、グリーンウォーターを準備することを推奨する声もあります。グリーンウォーターとは、ベランダなどでバケツに水を汲み、メダカなどを入れ放置しておき、勝手に出来上がる水の事だそうです。バクテリアやプランクトンが豊富なこのグリーンウォーター、見た目は青汁ですが、魚にとっては、大変健康的な水という訳です。
因みに、ドジョウの飼育に適した水温は、夏場は27~31度、冬場は7~10度です。
エアレーション・水草・石も入れましょう
水草は水質浄化にも役立つし、見栄えも良い、また、ドジョウの呼吸を助ける為には、大切な物です。
酸素を作り出すエアレーション・水草を是非、準備してあげるましょう。
また、ドジョウの飼育水槽の中には水草を入れたり、石を置いたりすると、より自然に近い状況になりますので、ドジョウが快適である事とディスプレーという意味でも楽しめると思います。
ただし、水草には注意が必要です。ドジョウは、泥や砂に潜る行動をしますので、その為、水草を掘り返してしまう事が頻繁に起こりますので、根元を小石で囲むなどして、しっかり固定しておかなければなりません。ミニ植木鉢を利用するのも良いでしょう。
水草は マツモ、カボンバ、アナカリス(オオカナダモ)などが手に入りやすくて安価で、お勧めです。
しかしながら、ドジョウは、エラ呼吸だけでなく水面から顔を出して行う腸呼吸も出来ますので、呼吸の為だけの意味での大量の水草は、不要といえるでしょう。
隠れ家として、塩ビ管・湯飲みや陶器などを入れてあげると良いでしょう。
なんでも食べる雑食性です
ドジョウは雑食です。自然界では、ミジンコ、イトミミズ、藻などを食べている様です。
家庭では、豆腐や麩を与えれば好んで食べます。市販のものでは、メダカや金魚のエサ、冷凍ミジンコや冷凍アカムシも、かなり好んで食べる様です。しかし、それらの食べ残しは水を汚しやすいので、こまめに細いホースなどで吸い出してやるとか水槽用の網などを利用して溶かしてから与えるなど工夫して水質悪化しないように注意しましょう。
また、フレーク状の餌も良く食べますが、他種混泳飼育をしている場合には、下層で生活するドジョウには餌がまわってこない事があるため、沈下性の飼料を選ぶ方が望ましいでしょう。
どじょうは基本的に、魚の餌であれば何でも食べてくれ、また、食べる量も非常に多いので優れた掃除屋とも言われます。
普段から様々な餌をバリエーション豊かに与えるようにすれば、飽きずに良く食べてくれるでしょう。
エサやりは、1日1~ 2回が良いでしょう。食べ残しが原因で水が濁らない様、気を付けて下さい。また、何らかの事情で、数日間エサを与えられなくても問題ない位、丈夫です。
ここで、手作りの餌の情報がありましたので、ご紹介しましょう。炊きたてよりも、少し時間がたって水気が減った少量のご飯がベースとなる餌です。炊いたご飯に、メダカや川魚の餌などをふりかけます。餌の量も、自分好みで、いや、ドジョウ好みで、と言いますか、適宜で良いようです。それを、餅を作る要領で、よくこねて、平らに薄く延ばします。一日置き乾燥し硬い状態になったら出来上がりです。原料が米ですので、冷凍庫保存です。
また、ウナギの養殖専用の餌でも、ドジョウはかなり成長します。しかし、これも費用がかかります。
繁殖にチャレンジしてみよう
ドジョウの繁殖は、かなり難しく、人工的な飼育下では、ほとんど繁殖はしないといわれています。
実際に、ドジョウの養殖にも、産卵を誘発するホルモンを打ち、繁殖させているという事です。
しかし、全く不可能という訳でも無いようですので、チャレンジしてみる価値はあると言えるかも知れません。
さて、温和で飼いやすい「どじょう」を金魚と同居させて飼うのも楽しいかも知れませんよね。
ドジョウは雑食性なので、何でも食べます。つまり、もし、金魚と一緒に水槽で飼えば、金魚が食べ残して水槽の底に貯まってしまった餌も食べてくれて、いわゆる掃除屋さんを引き受けてくれるという訳です。
金魚と同居させてしまえば、ドジョウ用のエサを特別に与える必要も無いし、お掃除までしてくれるなんて、まさに、一石二鳥ですね。
動物学的に見れば『コイ目ドジョウ科』の淡水魚に分類される「どじょう」は、意外な事にコイの仲間だという事です。
また、姿形がよく似ているウナギは『ウナギ目ウナギ科』。実は、ドジョウとは全く別の生物、似て非なる者という訳です。とても、興味深いですね。
まとめ
ドジョウの飼い方で注意するべき7つのポイント・底砂を用意しよう
・大きな水槽にしよう
・水槽のフタは必須です
・カルキを抜いた水道水を使おう
・エアレーション・水草・石も入れましょう
・なんでも食べる雑食性です
・繁殖にチャレンジしてみよう