実は甘く見てはいけない、猫の目やに。健康な猫でも出てしまうものではありますが、その目やにの状態によっては、病気が隠れていることもあります。猫の目やには、常に出ているのが当たり前の老廃物のようなもの。ですが、だからこそ目やにから来る病気のサインを見逃してしまいがちになることもあるのです。猫から異常のある目やにが出ているのに、「目やになら、いつものことだから大丈夫」と勝手な判断をしてしまっては、大きな病気を見逃して、手遅れになってしまうかもしれません。
ここで、猫の目やにはどんな時に出るものか、どんな目やになら注意が必要なのかをしっかり学んでおくことをおすすめします。今回は、猫の目やにからわかる病気や対処法などについて、お伝えします。
猫の目やにに注意するべき
5つの事とは
正常な目やにと異常のある目やにの違いを知っておこう
まずは、健康な猫でも出るような目やにと、病気が考えられる目やにの見分け方を知っておきましょう。健康な目やには、色が茶色っぽく、付く場所や量も目頭にちょっと乗る程度で、目の開閉に支障が出るような大量ではありません。この正常な目やには、新陳代謝の過程で出るものですが、やはり溜まってくると不衛生になり良くありません。猫の目の健康チェックを兼ねて、まめに目やに除去をしてあげましょう。異常な目やには、量が大量に出て、白っぽかったり化膿して緑~黄色くなっていたり、ネバネバしたものです。
このような異常な目やには、何かしらの病気や外傷によるものの可能性が高いです。猫が普段と違う目やにを出していたら、考えられる病気のチェックをしましょう。
両目から出ているか、片目からなのかで考えられる病気が違う
目やにの質の他、出る場所からも原因を突き止められます。まず、両目から出る目やには、感染症による結膜炎を引き起こしている可能性が高いようです。その病気は、いわゆる猫風邪、猫クラミジア、マイコプラズマ肺炎の病原体によって結膜炎を起こしている状態です。また、片目から出ている場合は、外傷によるものが考えられます。猫同士でケンカして傷を作ってしまったり、何かに引っかけて目を痛めてしまったことが原因で炎症を起こし、そこから白く濁った目やにが出るような状態で、これは、軽いものなら数日で治る場合が多いです。
猫が目をいじらないようにしよう
猫にとって目やには不快に感じるものです。そのため、片目から出ていても、両目から出ていても、目をこすろうとするはずです。ですが、そのまま猫がこすりたいままにこすらせておくと、炎症が悪化してしまいます。この猫自身による目いじりを防ぐために、目やにが治まるまでの間、エリザベスカラーを着用することをおすすめします。今では、透明なプラスチック製の無機質なものだけでなく、かわいいデザインのものも売っているので、それらを利用すれば見た目の痛々しさが和らぎます。
感染性の病気の場合は、病院へ
一番注意すべきは、両目から目やにが出るような感染性のもの。軽い猫風邪なら、そのまますぐに治ってしまうこともありますが、猫クラミジアやマイコプラズマ肺炎は、悪化すると命取りになる病気なので、早めに獣医さんに診せましょう。これらの感染症から来る結膜炎の目やには黄色く粘ついていて、常に涙目になり、目が充血します。また、他の猫にうつる病気ですから、多頭飼いをしている場合はうつらないように気を付けましょう。マイコプラズマの病原体は人にも感染しますので、飼い主や家族も、猫を触った後はうがいや手洗いをして下さい。
アレルギー性の目やにもある
猫も、アレルギー性結膜炎になる可能性があります。そうなると、常に涙が出るようになり、あまり粘りのない目やにが大量に出るようになります。原因として考えられるのは、ハウスダストによるアレルギー。人間と同じく、絨毯の中や空気中に舞ったダニの死骸などによって引き起こされるアレルギーです。これは、一時的なものの場合もありますが、慢性化して常に症状が出る状態になることが多いです。
まずは、獣医さんにアレルギーかどうか診断してもらい、ハウスダストが原因だったら、常に室内をきれいに掃除するようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。このように、猫の目やにから考えられる病気はたくさんあるのです。猫が目やにを出すようになる病気は眼病に限らず、肺炎や風邪など、全身症状が出る病気も存在します。ですから、放っておくと命に係る可能性もあるのが怖いところですね。ですが、早期発見して獣医さんに診せれば、重症化せずに済むことが多いようです。
深刻な病気で目やにを出している場合は、早めに見つけてあげることが大切になります。猫の目やにから、その原因となる病気が何なのかを的確に見分け、早めに対処できるようになると安心ですよね。今回のご説明を参考に、猫の目やにチェックをこまめに行ってあげて、症状が重くなる前に対処してあげられるようになって下さいね。
まとめ
猫の目やにに注意するべき5つの事とは正常な目やにと異常のある目やにの違いを知っておこう
両目から出ているか、片目からなのかで考えられる病気が違う
猫が目をいじらないようにしよう
感染性の病気の場合は、病院へ
アレルギー性の目やにもある