猫ちゃんの平均寿命は16.0歳と言われています。そして、猫ちゃんの中には、完全家飼いの猫ちゃんと家の外に出る猫ちゃん、そして野良猫ちゃんがいます。因みに【家の外に出る】猫ちゃんの平均寿命は13.2歳です。
飼い猫、メスのポピーは現在24歳を迎え、人間換算でいうと114歳に相当するとのことで、かなりのご長寿ネコさんです。ポピーは、1990年生まれ。ポピーが世界最長寿ネコだという事は、ギネスブックでも認定されています。
とは言え、現在の彼女は、視力と聴力を既に失っている状態なのだそうです。猫の平均年齢を越して長生きしてもらうための7つの心がけは、一体何なのでしょう。
猫の平均年齢を越して
長生きしてもらうための7つの心がけ
長生き猫ちゃんには年齢に合ったお食事を・・・
猫ちゃんに長生きして欲しいのなら、食事に気をつけてあげる事が重要です。当然のことですが、人間以上のスピードで年老いていってしまう猫ちゃんに、長生きして貰うには、飼い主さんの愛情とあたたかい配慮で、健康を維持してあげる事が大切でしょう。
まずは、腎臓や心臓の機能が加齢とともに低下してきます。腎臓や心臓の健康維持に気を配ってあげる事が必要となってきます。
良質なたんぱく質を適度に摂り、ナトリウムやリンを過剰に摂取しないことが大切です。そうする事で、腎臓や心臓の負担を減らすことが出来るのです。
そして、食欲や消化吸収能力も衰えには、ビタミン類を多めに摂取する事を心掛けましょう。ただし、ビタミンによっては摂り過ぎることで逆に害のあるものもありますので、やみくもに多く摂れば良いという訳ではないので気をつけましょう。
最近のペットフードは、長生き猫ちゃん専用のものも多いので、上手に活用しましょう。そして、新鮮な水をいつでも飲める様に、猫ちゃんのお気に入りの場所に設置しておきましょう。
加齢と共に、喉の渇きにも鈍感になるので、積極的に水分補給させる様配慮が必要です。ウェットフードや、いつものドライフードをぬるま湯や薄いスープでふやかしてあげましょう。
高齢猫期(7歳~10歳)には、摂取カロリーを控えましょう
成猫期と変わらない様に見える高齢猫期の猫ちゃん。元気そうに見えても、体の機能が衰え始めているものです。食欲は以前と同じでも、活動量が低下してしまっているので、消費するカロリーが減ることから、肥満になりやすい時期と言えます。
その様な理由から、成猫期と比べると、摂取カロリーを控えめにする必要があります。また、美しい皮膚・被毛を維持するために、オメガ3系・6系脂肪酸がバランスよく配合された食事を選ぶこともお勧めです。
老齢猫期(11歳~14歳)以降には、健康維持が重要です
老化が徐々に気になってくる老齢猫期(11歳~14歳)には、健康維持のためにビタミンB群、ビタミンEが多く配合されたフードを選ぶ事が大切です。
心臓や腎臓の健康維持に配慮してナトリウムやリンの含有量を調整したものを選ぶことも大切なのです。
その他には、関節の健康維持のためにグルコサミンを摂取したり、胃腸の健康維持のため食物繊維を豊富に摂取する事は、とても重要なのです。
平均寿命よりも長生きの長寿猫期(15歳以上)になると、食欲や消化能力が衰えるため、痩せやすくなります。消化がよく、少量でも十分な栄養が取れるフードが最適となります。
また、老齢猫期以上に心臓や腎臓の健康維持に配慮するため、ナトリウムとリンの含有量の調整は必要不可欠なのです。ビタミンB群やビタミンEも老齢期より強化したフードを選ぶと良いでしょう。
皮膚の健康維持のためにDHA・EPAを、そして関節の健康維持のためにグルコサミンやカゼインホスポペプチド(CPP)の摂取の必要となります。
室内飼いが、長生きの秘訣です
15年以上、元気に生きている猫ちゃんが増えてきた理由とし考えられるのは、完全室内飼いが多くなった為、外から貰ってくる感染症が減ったり、交通事故に遭う危険性も少なくなったことによるという事です。
ですから、寿命の短い順番で言うと、野良猫ちゃん、外にも出る飼い猫ちゃん、完全室内飼いの猫ちゃんという法則が成り立つ様です。
食事や健康面での管理、予防接種など、猫を病気から守る為の配慮がされている事は勿論、大切ではありますが、ペットとして、また、家族の一員として、愛されながら生きていくという事も大な要因ではないでしょうか。
ワクチン接種で病気予防しましょう
さまざまな病気予防のためにワクチン接種があります。現在では、猫のワクチンは義務ではありません。しかし、子猫の時期には、生後2か月頃に1回目、生後3か月頃に2回目、その後は1年に1回の追加接種が理想的と言えるでしょう。
ワクチンで予防できる病気は「猫免疫不全ウイルス感染症」と「猫白血病ウイルス感染症」「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」「猫汎白血球減少症」の5種類です。
特に「猫免疫不全ウイルス感染症」と「猫白血病ウイルス感染症」は、かかると治療が難しく死に至ってしまう怖い感染症なので予防しましょう。
近年では、ペット飼育可のマンションが増えていたり、ペットと一緒に泊まれる宿が増えていますが、その様な場所もワクチン接種済みであることが前提とされている所がほとんどです。
猫ちゃんとの楽しい生活のため、また、健康で長生きしてもらうため、猫ちゃんへのワクチン接種は、定期的に行いたいものです。
去勢・不妊手術する事で長生き出来る?
これら手術を受けた猫ちゃんは、様々な効果が見られます。例えば、メス猫ちゃんなら、発情期の鳴き声の防止、むやみに仔猫を生まない事などです。
また、かなりの体力消耗となる妊娠・出産・育児をしなくて済むという理由から、長生きにつながると言われます。
オス猫ちゃんなら、スプレー行為が減る事が良い点です。また、メス猫ちゃんを追い求め、放浪する事がなくなるので、ケンカが減り、怪我や伝染病の感染の危険も減るという意味で、去勢されたオス猫ちゃんは去勢されていないものより平均3年の長寿を期待できるという研究報告もあるそうです。
防止できる病気は、スタッドテイル症(別名:釦状尾症・尾根部皮脂腺性皮膚炎)などです。メス猫ちゃんの病気では、子宮や卵巣の病気で、子宮蓄膿症(閉鎖性子宮蓄膿症、開放性子宮蓄膿症)、子宮炎、乳癌などです。
動物の使命とは、遺伝子継承である事を理解してあげましょう
そもそも動物とは遺伝子を次の世代に伝えるために今、生かされていると言われます。動物が生命の設計図として遺伝子を利用しているのではなく、遺伝子が自分のコピーを作らせるために動物を利用しているという訳です。
遺伝子のコピー作り、それが動物の繁殖行動です。つまり繁殖こそが動物に与えられた使命なのだと言えるのです。
そのために、生殖欲は動物の根源的な欲求であるようにプログラムされています。その根源的な欲求を抑制されると動物は大きなストレスを感じます。故にホルモンバランスも崩れます。そして、それとともに免疫力が低下して病気になりやすくなるというメカニズムなのです。
犬も猫もオスもメスも、去勢・不妊手術をすると長生きするという事が一般的に知られていますが、その理由は生殖器系の病気になりにくいからという理由だけではなく、生殖欲を抑制されるというストレスが無くなるからでもあると思われているのです。
去勢・不妊手術をするという事は、自然に逆らった行為ではありますが、繁殖活動を抑制されるという不自然な事よりは、ましだと言えるのかもしれません。
いかがですか。以上が、猫の平均年齢を越して長生きしてもらうための7つの心がけです。猫ちゃんにはもっともっと長生きしてほしい、それはどの飼い主さんにとっても共通の願いです。
その為に、大切なのは、やはり、日頃の健康管理やストレス回避、また充分な愛情です。食事は勿論、基本の日常生活に充分な配慮をする事で、猫ちゃんが、幸せに、そして元気に暮らせる事こそ、長生きの秘訣と言えるでしょう。
のんびり、ゆったり、適度な運動で日々暮らせる様に、飼い主さんも全力で協力してあげましょう。
まとめ
猫の平均年齢を越して長生きしてもらうための7つの心がけ・長生き猫ちゃんには年齢に合ったお食事を・・・
・高齢猫期(7歳~10歳)には、摂取カロリーを控えましょう
・老齢猫期(11歳~14歳)以降には、健康維持が重要です
・室内飼いが、長生きの秘訣です
・ワクチン接種で病気予防しましょう
・去勢・不妊手術する事で長生き出来る?
・動物の使命とは、遺伝子継承である事を理解してあげましょう