ヒゲはなく、無毛のネコちゃんとして、一般的なネコちゃん達とは少し違うビジュアルを持った、いわゆる珍ネコさんという事で広く知られている『スフィンクス』ですが、実は、まったくの無毛ではなく、その身体は、極めて短い産毛に覆われているという事をご存知でしょうか。
また、『スフィンクス』の中にも、まばらではありますが毛が生えている生体も存在するのです。
そして、一番興味深いのは、見た目とのギャップとでも言いますか、『スフィンクス』という猫種の性格は陽気で活発、人なつっこく社交的だという事です。
しかしながら、あれほどの珍ネコさんですから、他のネコちゃん達とは違う飼い方が有る筈ですので、調べてみましょう。
スフィンクスは他の猫と違う飼い方が必要!
その理由とは
「脂性」の肌ケアが必要不可欠
『スフィンクス』のお手入れは、見た目の通り、体に産毛しかないためブラッシングは必要ありません。しかし、皮脂を吸い取る被毛がない事、また、皮脂腺が発達している事などの理由から、皮膚が脂っぽくなりやすい、いわゆる「脂性」なので、飼い主さんは毎日固く絞った蒸しタオルなどで皮脂をふき取ってあげるなどの皮膚のお手入れの必要があります。
因みに、『スフィンクス』は、シワが多いのも特徴で、そのシワが多いほど良い生体とされます。しかし、反面、そのシワの間には、皮脂や汚れがたまりやすいので、湿らせたスポンジでふいたり、こまめに汚れをふき取ってあげる、お風呂に入れてあげるなどのケアが大切です。
毛が無いのでシャンプーは非常に簡単です。その際、しわの奥まできれいに洗ってあげましょう。ここで注意してほしい事は、一般の猫用シャンプーではなく、低刺激で弱酸性のボディソープを使う事をお勧めします。その方が、きれいに皮脂が落ちるそうです。
暑さ、寒さ対策が大切です
特徴である身体全体が被毛に覆われていない、いわゆる無毛のため、暑さにも寒さにも弱い特徴があり、それらに対する対策が必要です。
温度管理はしっかりしましょう。一番の対策としては、室内で飼う事でしょう。
当然のことですが、寒さにも弱く、紫外線にも過敏です。日焼け対策もしっかりする必要があります。外出する際には充分に注意しましょう。
ケガにも注意が必要です
当然ですが、『スフィンクス』は無毛であるため、ボディはとてもデリケートです。非常に外傷を負いやすく、カバーコートがない為、他の猫とちょっとじゃれあっただけでも、怪我をしてしまいます。ですから他の猫となるべく接触しないように、この品種だけでの室内飼育が基本となります。
傷つきやすい皮膚なので、生活環境にも十分配慮し、気をつけてあげる必要があるという事を忘れないでください。
結婚前に血液検査をするのです
『スフィンクス』はネコちゃんの中では珍しくB型の血液型が多い猫種です。それは、全『スフィンクス』の約半数とも言われます。そのため、子供を産む前には、必ず両親の血液型を確認しておかなければなりません。
何故なら、新生子ネコちゃんが、お母さんネコさんの初乳を飲んだとき、血液型が合わない為に、赤血球が破壊されてしまう「新生仔同種溶血現象」を起こしてしまう危険があるからです。この場合、血液型の違う親子間でお母さん猫さんがおっぱいを飲ませる事で子猫ちゃんが死んでしまうなどという悲しい事が起こりうるからなのです。
実は、ネコちゃんのほとんどは、A型の血液型であるといわれています。そんな訳で、他のネコちゃん達には必要でなくても『スフィンクス』だから必要な結婚前の血液検査という訳なのです。さすが珍ネコさんですね。
異種交配種は望ましくありません
起源は、突然変異により誕生したとされている『スフィンクス』です。現在、異種交配種はデボンレックスのみが認められています。
しかし、この交配の結果、重大な歯の障害、および神経系の障害が発生する恐れがあるとされ、ほとんどの団体ではこれを公認していないというのが現状です。
ストレスに注意しましょう
冬の寒さから、『スフィンクス』の肌や体温を保護する目的で、服を着せる事も有効と思われる飼い主さんも多いかも知れません。
確かに、その目的の為には有効と言えるでしょう。しかし、『スフィンクス』の身体は、産毛だけとはいっても、『スフィンクス』自身グルーミングは行います。
ですから、服を着せている事がストレスになってしまう場合もありますので、決して着せっぱなしにはしないようにしましょう。
非常に賢く人懐こく、活発で遊び好きな性格です
たっぷりの愛情で包んで飼ってあげたいネコちゃんです。陽気で活発、社交的な性格の猫ちゃんなので、時間が許す限り、お相手をしてあげて欲しい物です。
体温が他の猫より4℃高く、特徴ある、とてもなめらかなスエードの肌触りのボディを常にナデナデ、スリスリ…猫ちゃん、飼い主さん共に癒されましょう。
いかがですか。珍ネコさんの代表とも言える『スフィンクス』の魅力は、猫好きさんのみならず、映画界でも取り上げられる程人気です。
映画「オースティン・パワーズ」に登場するドクター・イーブルの愛猫「ビグルスワース」をご存知ですか。モフモフのチンチラが、なんと冷凍、更に解凍されて、『スフィンクス』になってしまうという場面がありました。 この名脇役ぶりでネコ好きさんをうならせた『スフィンクス』の本名は「テッド・ニュージェント」というのだそうです。
また、かの巨匠スピルバーグの映画「ET」のモデルにされたのも『スフィンクス』だと言われています。
そしてビジュアルの印象から、病弱なのではないかと思われる事が多い『スフィンクス』ですが、実は、しっかりした環境下で飼育をしたなら、決して飼いにくいなんて事はないのです。非常に長生きする猫ちゃんとしても知られ、ギネスにも登録されているほどです。
人間の年齢に換算すると150歳を超える超高齢だった「グランパ」という名の『スフィンクス』は、34年間も生き、世界記録を樹立したという事です。
まとめ
スフィンクスは他の猫と違う飼い方が必要!その理由とは・「脂性」の肌ケアが必要不可欠
・暑さ、寒さ対策が大切です
・ケガにも注意が必要です
・結婚前に血液検査をするのです
・異種交配種は望ましくありません
・ストレスに注意しましょう
・非常に賢く人懐こく、活発で遊び好きな性格です