川の中、群れをなして愛らしく泳ぐメダカを想像すると、なんだか癒されますね。しかし、現代では身の回りに自然も少なくなり、環境も大きく変わってきているせいか、自然の中のメダカを見る機会は、少ないでしょう。野生のメダカは絶滅しているなんて話も耳にします。
そこで、メダカをペットとして飼ってみようと考えた時、果たしてメダカの飼育って簡単なのか、難しいのか・・・意外に知られていない事も多いので、戸惑う事もるでしょう。
因みに、私は、昨年、知り合いから分けて貰った黒メダカで繁殖に成功していますから、是非、皆さんもチャレンジしてみてはいかがですか。
では、「めだかの飼い方は難しい?知っておきたいめだかのあるある」についてお話しましょう。
めだかの飼い方は難しい?
知っておきたいめだかのあるある
1リットルの水に、メダカ1匹が目安です
メダカを飼う為の容器はバケツ・プランター・花びん等水が入る容器であれば、それほどの制約はありません。
複数のメダカを飼う場合、1リットルの水に対して、1匹を目安にすると良いでしょう。あまり混雑していると、喧嘩の原因となりますので、注意しましょう。ストレスとならないように余裕を持たせましょう。
ただし、オス・メス各1匹のペア飼育の場合にのみ、1リットルに2匹でもいいでしょう。ちなみに観察の為、200mlのビーカーに1匹のメダカを飼うことも可能です。毎日のこまめな水の管理が必要です。
重要なのは、水の深さよりも、水面の広さ
メダカの水槽の飼育水にとって、重要なのは、深さよりも広さです。メダカの生態として、水面のエサを食べる事が有り、水槽の上の方を泳いでいることが多いという特徴があります。その為にメダカの目は、顔の上の方についているのです。
あまり深さは必要ではなく、空気と接する面積が広いほど、水中への酸素の取り入れがしやすくなるので広さが肝心になるのです。
また、メダカの水槽からの飛び出し防止のため、フタはあった方が良いでしょう。もし、フタのない容器で飼育する場合には、水面が容器の口より5cmぐらい下がるようにします。
エアレーションはメダカのストレスの原因?
一般に市販されている飼育セットには、濾過(ろか)装置ついているものが多いのですが、これを使用しても良いのですが、その水流によって、メダカを疲れさせてしまう心配があります。メダカが、常に泳いでいなければならないほど水流が強い場合には、流量の調節が必要です。
そもそもメダカは、平野部の浅い池沼、水田など水の流れのない場所や用水路など水の流れのゆるやかな場所に住んでいる生き物です。つまり、他の魚に比べると、あまり泳ぎが得意な魚種ではありません。
ですから水槽の中に、強い水流が出来ているのは望ましくはないのです。酸素を補うためであれば、エアレーションではなく、水面の広い容器や、水草などで対策する方が、よりよい飼い方です。
メダカの水槽の水質管理の為の水換えは、こまめに少しずつが基本になります。週に一回1/4程度の交換が望ましいでしょう。全ての水を入れ換えることは、余程の事がない限り避けるべきです。
ただし、水槽内のバクテリアの状態が良ければ、間隔をあけても良いでしょう。水槽の大きさやメダカの数によっても条件は変わりますので、適切な水換えの仕方を見極めましょう。
戸外飼育のコツは日光の調節です
戸外で雨水があたる場所での飼育であれば、水換えの必要はありませんせっかくの戸外飼育ですから、太陽光を上手に利用しましょう。
特に、水草を入れているのであれば、光合成により活発に酸素を放出します。酸素が充分に供給されれば、バクテリアの働きもよくなり、メダカが出すアンモニアを分解する事により、水をきれいな状態に保ってくれるのです。
因みに、水草は近くの川に生えている物を使用するもの良いでしょう。水槽の大きさに見合った物で、キンギョモやホテイアオイなどを入れておくと、産卵の際にも役立ちます。主に、水質の向上を考えるのであれば、セリなどスーパーで扱っている野菜でも代用できます。
ただし、夏場の太陽光は、かなり強力ですから、一日中、日光が当たる環境では水温が上昇し過ぎてしまう事がありますので注意しましょう。庭木が一定時間木陰を作る様な場所が望ましいでしょう。または、人工的に日陰を作る工夫も必要です。
また、小さな容器も同様で、水温変化への影響が大きいので、戸外飼育には大きい容器を用意するべきでしょう。
底土の役割は、水質管理とメダカの隠れ場所
自然の中、メダカが住んでいる環境は、童謡にある通り、川の中です。そして、そんな川底にあるのは「泥」です。その理由は、流れの速くない所に住んでいるから、という事です。
特に、小さく弱い存在のメダカが、様々な場面で驚く事がありますが、そんな時には、水草の陰や泥の中に身を潜めることが多いと言われます。
ですから、水槽の底に入れるのも、田んぼなどの土が最適という事にはなるのですが、実際には人工飼育の管理上、なかなかそうもいきません。代用するとすれば、比較的手に入りやすく扱いやすい、赤玉土が適当でしょう。赤玉土には小さな穴がたくさん空いているので、バクテリアも繁殖しやすいという特徴もあります。
メダカの病気の原因は水質悪化?
きれいな水で飼育している限り、メダカは、ほとんどと言って良い位、病気とは無縁です。つまり病気の予防には水質管理が大切という事です。
その為、水量や濾過能力に見合った量のメダカを飼う事が大事です。また、水がすぐ汚れてしまうような過度のエサは与えない事です。見た目がきれいなでも定期的な水換えは必要です。
季節の変わり目など水温に変化が出る時期も注意深く観察する事が大切です。知らず知らずの内に、消化不良を患っている可能性もあるのです。
また、特定の病原菌は、都合のよい水温、環境が整う事で、爆発的に増える可能性もありますので、小まめに水槽内の観察をしましょう。
病気のメダカへの対処法は、薬浴、塩浴。
まず病気の疑いのあるメダカを隔離しましょう。
常備しておくべき定番の薬剤は、塩化ナトリウム(食塩)・グリーンFリキッド かメチレンブルー (消毒薬)・グリーンFゴールド顆粒 (抗菌剤)などです。これらの薬剤を使用した薬浴が効果的です。
また、軽く「元気がないな」と感じる程度なら0.5%(1リットルにつき5g)の食塩を入れた塩浴も効果が見られる場合もあります。適量を守れば食塩はメダカに害はなく、治癒力を高める効果もあります。
また、ペットショップのメダカには不健康なものも含まれるので、飼ってきたばかりのメダカが、すぐに死んでしまう事も多いものです。
それは、ペットショップでは、ペット飼育としてのメダカ、大型熱帯魚のエサとしてメダカの二通りがあり、他の魚のエサになるメダカである可能性がある限り、お店ではお腹いっぱい食べさせない場合もある様で、痩せてお腹のへこんだメダカを見ることもあります。
更に、一つの容器に多くのメダカを入れているため、ストレスを抱えているメダカも少なくありません。
因みに、メダカが掛り易い病気には、白点病・尾ぐされ病・水カビ病・転覆病などがありますので、メダカを飼おうと決めたなら、それらの病気の特徴や治療法を知っておきましょう。
いかがですか。以上が、「めだかの飼い方は難しい?知っておきたいめだかのあるある」です。しかしながら、めだかに限らず、どんな生き物にも言える事ですが、生き物の飼育の仕方には、一つの正解が存在するわけではありません。
飼育環境も違えば、同じ種類であっても個体の性質によって違いがあります。生き物との関わりですから、一筋縄ではいかないのがほとんどです。
ですから、めだかの飼育方法の見解にも個人差があり、ご紹介した内容を実践すれば100%失敗しないと言えないのが正直な所です。ですから、これらの内容を参考にし、いろいろ試行錯誤して、めだか飼育を楽しんでみて下さい!
まとめ
めだかの飼い方は難しい?知っておきたいめだかのあるある
・1リットルの水に、メダカ1匹が目安です
・重要なのは、水の深さよりも、水面の広さ
・エアレーションはメダカのストレスの原因?
・戸外飼育のコツは日光の調節です
・底土の役割は、水質管理とメダカの隠れ場所
・メダカの病気の原因は水質悪化?
・病気のメダカへの対処法は、薬浴、塩浴。