どうせ猫を飼うのなら、出来る事なら目も開かない位の生まれたてのちっちゃな赤ちゃん猫から飼い始め、一日でも長く祖の可愛らしさを見ていたいと思うのは、当然ですよね。
しかし、実際には、母猫が側にいない限り、赤ちゃん猫の世話は、とても大変だという事はご存知でしょうか?うっかり興味本位で始めてしまうと、大変な後悔やとりかえしのつかない失敗を経験してしまう事になりかねません。
そんな事にならない為に、猫を赤ちゃんから飼うときに注意するべき7つのポイントをしっかり覚えておきましょう。そして、それが、可能だと自身を持って言える時には、是非、産まれたての赤ちゃん猫の可愛らしさに癒されてみて下さい。
猫を赤ちゃんから飼うときに
注意するべき7つのポイント
冷たい手で触ってはいけません!
とても身体の小さな赤ちゃん猫は、産後1週間は母猫の体内にいた頃から自然界に飛び出してきて、その環境変化に対する免疫はありません。生後1~7日目の赤ちゃん猫は、産毛に覆われているだけなので、子猫は自分で体温調整が出来ません。
そんな体温調整ができない時期に、飼い主さんの冷たい手で直接触れると、外気の冷たさや触った手の温度だけで急激に体温を低下させてしまうのです。
赤ちゃん猫に触るときは事前に手を温め、常に人工的な保温の必要があります。赤ちゃん猫が母猫に触れている部分の温度の30度~35度が理想的で、生後1週目までは30度。1~3週目まで27度。3~5週目まで24度の保温が目安になります。赤ちゃん猫の寝ている部分を手で触れて、心地よく暖かみを感じるなら適温でしょう。
赤ちゃん猫にとって快適なスペースを用意してあげましょう
赤ちゃん猫飼育環境には、ダンボールなどに新聞紙を敷き、毛布・フリース等などを床材として、簡易湯たんぽも入れてあげると良いでしょう。例えば、使い捨てカイロをタオルでくるんだ物や、ペットボトルに40度くらいに冷ましたお湯を入れてあげると良いでしょう。ただし、いずれも時間経過による温度の低下には充分配慮して下さい。金銭的に余裕があるのであれば市販のペット専用ヒーターも便利です。
天井は開閉式にすると良いでしょう。暗くて静かである事、暖かく安心できる環境をつくってあげる事が大切です。
適度な排泄ができていますか?
赤ちゃん猫はオシッコは案外スムーズにできますが、自分で上手にウンチをする事は出来ないものです。毎回飼い主さんが手伝ってあげる必要があるのです。ミルクを与える前後には、濡らしたティッシュなどでお尻を拭いてあげましょう。
実際には、母猫がお尻を舐めて排泄を促してあげる要領で、飼い主さんが、ぬるま湯に浸して軽くしぼったガーゼなどでお尻を刺激してあげるのがコツです。
乾いたティッシュの様な物でゴシゴシと刺激してしまうと、その刺激でお尻が真っ赤にただれてしまったりするのでやめましょう。必ず湿らせたティッシュや綿棒、指などで軽く刺激する程度にします。軽くトントンと叩くように刺激するのが良いでしょう。
赤ちゃん猫が嫌がらなければ、洗面台などで蛇口からのぬるま湯でお尻を刺激するのもお勧めです。
排便では、特に下痢と便秘に注意が必要です。赤ちゃん猫に人工乳を与えると、ほとんどの場合、最初の数日間は、便秘か下痢のどちらかになると言います。3日以上続く下痢は、脱水症の危険があり、もし、脱水症状を起こしてしまうと命に関わりますので、獣医さんに受診の上、下痢止めの注射をして貰うしかないでしょう。
便秘に関しては、2~3日位なら問題ありませんが、4日以上出ないとか、ミルクも飲まなくなった場合には獣医さんでの診察が必要です。
目やにのケアは出来ていますか?
生まれたての赤ちゃん猫は目が開いていません。生後7日目位からやっと目が開き初めて、生後14日位でパッチリ開くのです。しかし生後間もなくは、目やにで目が開かないというケースも多く見られるのです。
そんな場合には、ぬるま湯で湿らせたガーゼで、そっと拭いてあげましょう。強くこすったり無理に目を開けたりする事は、絶対にいけません。しかし、そのままにしておくと眼球が白濁したり、失明することもあるので適切な対応、注意が必要なのです。
眼球の白濁については、初期であれば処方薬で完治する場合もありますので、早めの受診・治療が肝心です。
グルーミングのお手伝いをしてあげましょう
猫は本来とても綺麗好きなものです。自己で行う毛繕い、つまりグルーミングは勿論、母猫なら、いつも仔猫の身体を舐めてあげるという行為をするものです。
もし、母猫に舐めてもらった経験の無い赤ちゃん猫には、一日に数回、授乳の後や排泄の後などに、お湯で固くしぼったタオルなどで、優しく身体を拭いてあげる事が大切です。この場合、蒸しタオルの温度は、ぬるめが良いでしょう。
この時期に、こまめに身体を拭いてあげるということをしてあげると、赤ちゃん猫はグルーミングを覚えるのです。
授乳のコツがあります
もし、保護された赤ちゃん猫を育てるのであれば、そのような子猫は、必ずと言って良い位、人口の哺乳器からの授乳を嫌がものです。
しかし、人工栄養は必要不可欠で、どうしても飲んで貰わなければいけません。そんな時の哺乳器で授乳するコツは、赤ちゃん猫の口の中にゴム部分を入れたら、少し前後させて動かしながら、ミルクを絞り出してみると吸い付いてくれるでしょう。
嫌がる赤ちゃん猫の口を無理矢理開けて、喉の奥まで押し込んでミルクを絞り出すなどという事は、気管に入ってしまう心配がありますので絶対にしないでください。
ミルクを与える際には、子猫を仰向けにしてはいけません。上半身を上向きにした状態で与えましょう。また、使用した哺乳器は毎回煮沸消毒して使用する事をお勧めします。
また、ミルクも作りおきはせずに、与える都度作ってください。大変手間がかかることかもしれませんが、弱い赤ちゃん猫の健康を守る為には、必要な事です。
どうしても哺乳器から飲む事を嫌がる子もいます。そんな場合には、注射器のシリンジ部分やスポイトなどを使って授乳してみましょう。
ここで注意したい事は、口に入る部分が尖っていないかという事です。赤ちゃん猫の口中を傷つけてしまわない様に十分確認してから使用しましょう。
最初は、一滴ずつから始めるのが基本ですが、それでも駄目な場合には脱脂綿にミルクを浸し、含ませてあげる方法もあります。
子猫専用粉ミルクをお湯で溶き、人肌まで冷まし、吸いやすいよう必要に応じて先端をカットした哺乳器でマンツーマンで丁寧に与える様にしましょう。
吸う力に応じて哺乳器の角度には充分な配慮をした上、器官に入ってむせたりしない様に、ゆっくりと飲ませる事が大切です。
授乳時間は4時間に1回、一日4~5回が目安となります。欲しがるだけ与える事に問題はありませんが、赤ちゃん猫の様子をよく観察し、お腹がパンパンに張っている様なら加減しましょう。
因みに本来、牛乳は乳糖が下痢を起こす・栄養価が足りないという理由で、赤ちゃん猫に与えるのは、良くありません。一刻を争う赤ちゃん猫の命の危機に、仕方ないという事はあるでしょうが、出来る限り、子猫専用のミルクを用意してあげる努力をしましょう。
すぐ病院にいきましょう!
赤ちゃん猫を飼い始める前には、ご近所の良い動物病院を探しておきましょう。例えば、大きな病院(専門の先生が何人もいると安心)、新しい病院(人間同様、新しい医療器具も大きなポイント)があると安心です。また、土日診療、料金が明確、夜間対応可などの病院があると良いですね。
まず、初めて病院に行った時には、ノミの駆除、検便、皮膚のチェックなどをして貰いましょう。健康状態を知っておくことは、とても大事な事です。
赤ちゃん猫はとても弱い存在で、思わぬ事で命を落としたり、重篤な病気を見落としてしまいがちです。また、今後何らかの理由で診察を受ける事もありますので、かかりつけ医を決めておく事は、大きな安心を与えてくれます。
いかがですか。以上が、猫を赤ちゃんから飼うときに注意するべき7つのポイントです。通常、この時期の子猫の体重は130~250グラムとされます。
何らかの理由で体重が100グラムを切ってしまう事があると、残念ですが、死亡率は一気に跳ね上がるという事実があります。産まれたてのとても小さく弱い赤ちゃん猫にとって健康維持という事は意外に難しい物なのです。
もし、その様な様子が見られたら、飼い主さんが、どんなに愛情をもってあたっても、素人が完璧に対処するのは、無理というものです。至急動物病院に連れて行くしか方法はないと考えるべきです。大切な小さな命、大事に育てていきましょう。
まとめ
猫を赤ちゃんから飼うときに注意するべき7つのポイント
・冷たい手で触ってはいけません!
・赤ちゃん猫にとって快適なスペースを用意してあげましょう
・適度な排泄ができていますか?
・目やにのケアは出来ていますか?
・グルーミングのお手伝いをしてあげましょう
・授乳のコツがあります
・すぐ病院にいきましょう!