ハリネズミの飼い方、基本から応用までご紹介

ハリネズミの飼い方、基本から応用までご紹介
現代はペット社会と言っても過言ではありません。週末のペットショップはどこもすごい人だかりです。そして、近年はペットとしての動物のニーズも多種多様です。ハリネズミを飼おうと思った事がある人ってどの位いるのでしょう?でも確かについこの間ペットショップでハリネズミを目にしました。

それまではハリネズミの起源や飼育に適した環境など考えた事もなかったのですが一体どんな生き物なのか気になってしまいました。ペットとして人に懐く事なんて出来るのか・・・また危害を与えることはないのか・・・あの背中いっぱいのハリは人との生活で不都合は無いのか・・・では、そんなハリネズミの飼い方についてご紹介します。

 


ハリネズミの飼い方、
基本から応用までご紹介

 

ハリネズミは国産!

さて、まずはハリネズミの選び方です。断然国産ハリネズミがお勧めです。その理由は市場に出回るまでの成育状態です。主にタイ・アメリカなどの外国産ハリネズミは繁殖場の小さなスペースで過密飼育されているのがほとんどです。その様な環境では病気の蔓延・怪我(喧嘩による耳の欠如・足の骨折・眼球の喪失等)も多く望ましくはないのです。

人に慣らす工程も省き成長した個体よりもベビー期の方が人気があるという営利目的で離乳時期を早め未発育のまま日本に輸出されていることが多いのが現実です。十分に母乳を飲んでいない為免疫力が低く病気がち・体力が無い・体が弱い個体が大半でストレスが溜まっている場合も多く神経質な子や警戒する元気もないほど弱っている子も少なくありません。その点、一般的な国産のハリネズミは比較的小規模な繁殖場で育てられ管理が行き届いているというのが現状でしょう。

因みにハリネズミの値段は場所や店によって大きく異なりますがペットショップの相場では一般的に1万5千円~3万円程度。ハリネズミが盛んな大阪では1万円~2万円と言われ、逆に流通が少ない地方では高くなりがちとなっています。

カラーによっても違いは有りますがスタンダード(ソルトアンドペッパー系)よりもシナモンの方が高くピントやホワイト系などのレアカラーはさらに高くなるというのが通常です。

 

人慣れはするの?

確かに丸まって手の平に乗せてる画像など目にした事がありますね。元々は大人しい動物なんでしょうか・・・。一般的にハリネズミは小さいうちから飼い始めた方が慣れやすいと言われます。特に生後8,9週(2ヶ月強)~生後3ヶ月が理想だと言う事です。しかしハリネズミ自身にとっては生後6,7週前後までは母親と過ごし大人のフードを食べられるようになり完全に離乳できてからペットとしての人生が始まるのが理想です。

つまり販売可能時期は早くて生後7週。生後6週未満のベビー個体は早く母親から無理やり離されたため母乳による栄養や免疫が不十分やストレスの問題で病気がち・慣れないなどの可能性が高いでしょう。生後半年以上など成長しているハリネズミを飼う場合でも時間はかかりますが慣らすことは可能です。元々出来るだけ人慣れている個体を選ぶ様にしましょう。

そもそもハリネズミは警戒心の強い動物です。あまりにも警戒心が強すぎる性格の個体もいますのでその様な性格なら慣らすのにも時間がかかると思っていた方が良いでしょう。最初は丸まってても、すぐに警戒を解き活動を始めるという好奇心旺盛な子を選ぶのが良いでしょう。つまりハリネズミと言えば怒ったりビックリして丸まっているイメージですが人間に慣らすことはでき慣れれば針を撫でることまで出来ると言う事ですね。

しかし、慣れていないと小屋に手を入れる度に丸まり威嚇したりとハリネズミにとっても大変なストレスになり飼い主さんとのコミュニケーションなど成り立ちません。これは両者にとって快適な暮らしだと言う事は出来ませんし日頃の健康チェックや体重測定も出来ないと言う意味でも健康管理が難しくなり望ましくは無いのです。

 

健康状態良好ポイント!

目やにが出ていない・目が活き活きしている・腫れや傷がないのは大事です。鼻水がたれていない・くしゃみをしていない・少し湿っているのが正常です。耳に傷がない・耳の中が汚れていないかは要チェックです。

万が一、ひどい喧嘩などで耳が欠けていても日常生活に支障はありませんが外耳炎になるリスクは高いので注意すると共に悪い環境で育った可能性もあるので他に外傷がないかチェックしましょう。

歯が汚れていない・かけていない・歯間に隙間があるのが正常です。足に傷がない・腫れていないのも大切です。

肛門や生殖器周囲が腫れていない。手に持った時にずっしりとした重みがある。下痢をしていない。食欲がある。ふらついていない。元気があるのもチェックして下さい。

ハリネズミ独特の針・被毛・皮膚のチェックポイントは針が抜け落ちている部分はない・傷はないという点も重要なチェックポイントです。

 

ハリネズミとの接し方

まずは反応を見ましょう。飼育施設に手を入れた時に丸くなったり威嚇の表情を見せたり寝床に逃げ込んだりせずに匂いを嗅ぎに来たら積極的に慣らしのスタートです。

好物をあげてみましょう。好物に反応を示したら自分のにおいを嗅がせて与えその後も欲しがるなら同じ手順で与えます。その際少し針を撫でてみて嫌がるようだったらすぐにやめます。食べ終わって寝床に戻る様ならそっとしておきます。嫌がらなければ顎の下や針を触って撫でてみてください。

スキンシップは短時間で済ませるのが好ましいです。最初は5分程のスキンシップから始めて徐々に時間を増やしていきましょう。無理強いはせず気が乗らない時はそっとしときましょう。触られても警戒しなくなったら抱き上げてみましょう。そして膝の上にのせ好物を与えます。ハリネズミの体の左右に両手をそえて下からすくうように持ち上げるのがコツです。

ハリネズミをビックリさせない様必ず後ろからではなく前方から手を差し出し抱きかかえてください。万が一、落としてしまった時に危なくない様必ず低い位置に座って行います。ハリネズミは視力が悪く高い所でも高低差がわからず飛び降りることがあるのです。

慣れないうちはハリネズミ専用の皮手袋をを使います。しかし皮手袋ばかり使用していると飼い主さんの匂いではなく皮手袋の匂いに慣れてしまうので皮手袋で持ち上げ手に乗せる際は皮手袋を外すのが良いでしょう。優しく声をかけるなどして必ずこちらの存在を認識させてから持ち上げるのがポイントです。ハリネズミと接した後は良く手洗い・うがいをしましょう。

 

ハリネズミの住まいは?

ハリネズミを飼うならケージが必要でしょう。ケージを選ぶなら金網部分は塗装しておらず錆びないものでステンレス製のものにしましょう。理由は亜鉛メッキで塗装されている場合には金網をかじったりして体内に取り込まれると亜鉛中毒を起こす可能性があるからです。

水槽・衣装ケースを使用する場合にはプラスチックケースは使用前に必ずよく水洗い又は水ぶきをしましょう。加工途中で工場内のカスや埃がついてアレルギーを誘発する恐れがあるからです。最低でもハリネズミの体長の2倍×4倍の床面積が必要です。つまり奥行30cm幅60cmは必要と言う事になります。

床材のお勧めはトウモロコシの穂軸を粉砕した100%天然素材の敷き床のコーンリターです。安全性も高く吸収性に優れホコリもでにくく夏の暑い時期や冬の暖房での蒸れ等の床敷として最適です。ハリネズミは物陰を選んで巣にしてますので安心して眠れる場所や隠れて休息できる場所として体を伸ばしても寝られる程度のサイズのものを置いてあげましょう。

運動不足解消のため大きさ30センチ程度の回し車を入れると良いでしょう。住まいが用意できたら快適な場所に置きましょう。設置場所に肝心なのは騒がしくない場所・振動がない場所・他の動物と接触しない場所・直射日光が当たらない場所・温度差が激しくない場所・昼と夜がある場所・埃っぽく湿気が多い場所・においがしない場所・落ち着ける場所。

 

ハリネズミのお食事

ハリネズミ専用のフードがを利用するのが一番簡単で最適です。しかしハリネズミはグルメな生き物なので飽きたら「偏食」をしフードを食べなくなりひどい場合は何日も一切食べない絶食状態になる可能性もあります。対策としてはフードを何種類か用意し単体で使ったり混ぜて使ったり他の食材と一緒に使ったりして日毎バリエーション豊富にするのが理想です。

ハリネズミ専用フードが手に入らないとかどのハリネズミフードも食べない場合など困った時にはフェレット用フードやドックフード・キャットフードなどを使う場合もあります。そこで注意するのは脂肪分が少ない高齢用や肥満用のフードを選ぶ事。栄養の偏りを防ぐためハリネズミ専用エサとミックスして使う事です。

本来ハリネズミは夜行性で一晩中昆虫類を捕食しながら歩き回り少しずつ何度も食べます。ハリネズミの食事に手間をかけられるなら夜間数回にわけて与えるのが理想ですが現実的には困難でしょう。ハリネズミは食虫目に分類され野生では虫を主食としていますので一般的に好物は虫です。フードを主食、副食にミルワームとコオロギなど虫エサ・活きエサを与えることをお勧めします。

 

ハリネズミの病気

ハリネズミは本来とても丈夫な生き物で間違った飼育をしない限り病気にはなりにくい動物です。そうは言っても栄養のバランスが乱れた餌や過度のストレス・運動不足・夏眠冬眠等を続ける事により病気になる事はあります。つまり日頃の健康管理は重要で異変を感じたらすぐ動物病院で診て貰う事です。

針の付け根の皮膚や目の周囲によく起こるダニ症・高齢になると発症しやすい腫瘍・歯肉炎、歯周炎などの歯周病も一般的・針葉樹アレルギーなどは一般的です。

ペットのハリネズミで問題になっている神経系の病気のひとつであるハリネズミふらつき症候群(WHS)は致死率が高く未だに詳しい原因・治療法が確立されていない怖い病気です。なお、ふらつきや麻痺のすべてがWHSとは限りません。低体温・外傷・低血糖・エネルギー不足・脊椎の損傷・脳腫瘍なども考えられます。

大切なハリネズミが少しでも様子が違っていたら「治らない病気だから仕方がない」とすぐに諦めず早急に病院で診察を受けましょう。

 

いかがでしょう。以上が初心者にもわかるハリネズミの飼い方のポイントです。今すぐ動くハリネズミを見てみたくなったのではありませんか?身体も丈夫で少し臆病、飼い主さんが優しく深い愛情で接する事さえ守っていれば、特に難しい事は無いようですね。

しかし、犬や猫に比べればハリネズミをペットにするという事はあまり一般的ではないので餌の確保や万が一の時診てくれる動物病院の確保に多少の苦労はあるかもしれませんが、ネットを開けば情報は豊富に入って来ますので安心して下さい。

とても珍しく可愛くて愛らしいハリネズミ・・・個性的なペットとして我が家にお迎えしてみるのも楽しいかも知れませんね。

まとめ

ハリネズミの飼い方、基本から応用までご紹介

・ハリネズミは国産!
・人慣れはするの?
・健康状態良好ポイント!
・ハリネズミとの接し方
・ハリネズミの住まいは?
・ハリネズミのお食事
・ハリネズミの病気


連記事
タイトルとURLをコピーしました