猫ブームの昨今、オーナーさんの中にはそのブームにのってしまっただけで正しい猫の飼い方をご存知ないまま飼い始めてしまった方も少なくないと聞きます。そうなるとオーナーさんは勿論猫ちゃん自身も日常生活の様々なことで戸惑ってしまう場面も多いですよね。それはとても不幸なことです。
思い描いていた猫のいる暮らしとのギャップが大きければ大きいほど「こんなはずではなかった」とあんなに可愛いとおもっていた猫に対する気持ちまで幻になってしまうのです。
でも猫ってこんなもの、猫のいる暮らしってこんなもの・・・と最低限の猫の飼い方に関する常識さえ持っていれば何もバタバタすることなんてないんですよ。そのポイントさえ押さえておけば『猫』はいたって手のかからないペットなのですから・・・。我が家の猫ちゃんの問題行動の原因・・・実は間違った猫の飼い方をしてない?見直すべき飼育法についてお伝えします。
間違った猫の飼い方をしてない?
見直すべき飼育法とは
構い過ぎはNG!
猫を迎えた当日は新しい環境に慣れさせることを第一に考えてあまり構い過ぎずにそっとしておいてあげるのが良いのです。一刻も早く新しい家族と仲良くなりたい気持ちは分からなくはありませんが急ぎ過ぎると猫を疲れさせてしまうだけです。猫との信頼関係が大切とお考えならまずは我慢です。
元々猫はよく眠る動物で更に子猫なら尚更睡眠が必要です。寝姿が可愛くてついちょっかいを出したい気持ちはわかりますが寝ている時は決して邪魔をせずゆっくり眠らせてあげることが重要なのです。抱っこしたい、遊びたい、動く姿を見たくても新しい環境になれるまでは待ってあげます。
また誰が見ても可愛い新しい家族をたくさんの人に紹介したい気持ちもわかりますが猫は神経質なタイプの子がとても多いものです。人との触れ合いも苦手な子も少なくありません。ましてや初日は勿論、新しい環境に慣れない内の時期にあまり大勢の人に対面させるのはあまりのぞましいことではありませんのでお勧めはできません。
環境が変わっただけでも猫にとっては大変疲れを感じているはずなのでその気持ちを一番に優先し思いやることは大切です。スキンシップは飼い主さんが癒やされるためにも重要ですが猫にとっても重要です。猫が望めば充分にスキンシップしてあげます。ここでは『望めば』という条件が肝心です。それが正しい猫の飼い方です。
スキンシップは遊ぶ・抱っこ・撫でるなどです。遊ぶのは猫じゃらしなどのおもちゃを利用したりキャットタワーなどで一人遊びさせることで運動不足やストレスの解消に役立ち更には飼い主さんとの絆も深まります。抱っこや撫でるのは猫の気持ちいい部分を触ってあげたり一緒に過ごすことで絆を深める意味があります。触るついでにツボマッサージや猫の健康状態を知るためにも役に立ちます。
猫にとって危険な物は片付ける
一見猫にとって室内の整理整頓はあまり重要とは考えない飼い主さんも多いものです。しかし実はとても大切なことなのです。子猫は好奇心旺盛で新しい環境に慣れれば早速部屋を探索し始めます。また夜行性の動物なので昼間は寝てばかりですが夜はまるで別人いや別猫の様相で運動会のごとくはしゃぐこともあるものです。つまり飼い主さんが就寝したあとで様子がわからない時間に・・・というのが厄介なのです。
動くものを見つけると興味を持って急に走り回ったり飛びついたりすることもありますのでその結果壊れたり倒れるものがあると危険ですから予め撤去しておくことは必要です。案外見落としがちなのが糸状のもの。これも猫が飲み込んでしまうと吐き出すことができず命に関わることもありますので要チェックです。
猫は自分の住む環境を納得するまで探索しないと安心出来ないという習性があります。家の探索は存分にさせてあげたいものですがその為には飼い主さんの役割として環境整備はとても重要になるのです。それが正しい猫の飼い方です。
年齢・月齢に合わせたキャットフード
猫の健康を守るのは飼い主さんの役割です。健康維持の為にはバランスのとれた食事を与えるのが一番。最もわかり易いのは『総合栄養食』と表示されたフードを主に与えることです。また猫飼育においては年齢・月齢に合わせたものを選び与えることが重要です。またその与え方にもルールがあります。与え方は1日の量や回数・あげるタイミングが大切なのです。飼い主さんの都合ばかり考えてはいけません。
そもそも猫は食事を一度に食べきらず食べ残しながら少しずつ食べていく傾向があります。一日に与える総量を決め数回にわけて与えるのが大切です。また草を食べる習性もあり『猫の草』を用意してあげても喜ぶ子もいます。更に困ったことに猫は偏食傾向が強く嗜好が偏ることがあります。それに合わせてばかりいると栄養バランスが崩れ病気にかかりやすくなりますので配慮が必要です。
一番問題となるのは猫好きさんであればあるほど猫可愛さに人間の食べ物をむやみに与えてしまう失敗をしがちです。どんなに可愛くても子猫の頃から正しい食生活と専用のキャットフードのみ与えることを心掛けて下さい。新鮮で綺麗な水を常に飲めるような環境を整えます。食事はおおまかな目安となる時間が決めやすいものですが水に関してはいつどの位飲むのか把握するのは困難です。
しかし食生活を把握するのは猫の飼い方ではとても重要なテーマですね。
正しい肥満対策
室内飼育で避けて通れないのが『肥満』です。不妊手術と慢性運動不足が原因になることが多いといいます。戸外生活の猫は健康と縄張りを維持するために絶えずエネルギーを使い定期的に栄養満点の食事にありつけるわけでもありませんからほとんどの場合『肥満』とは無縁です。しかし室内飼育の猫は安全・快適な日常生活と時には多すぎる食事を約束されているのですからエネルギーを使う必要がありません。
日々のちょっとした遊びと次の瞬間にはなんの心配もすることなく熟睡できるのですからそんな生活でどれほどのエネルギーを使うかもわからないほどです。また猫を運動させて痩せさせ様と考えてもそれはほぼ不可能だと言えます。何故なら適度な運動をすればむしろ食事が美味しくなってしまうからです。減量のため食事量を減らしたり足りない分を我慢させるのは猫にとってはストレスになるのです。
本気で減量を考えるのであれば質の良い食事を適量与える事が最善の策です。一度かかりつけの獣医師に相談してその子にとってちょうど良い体重が維持できるよう正しい食餌管理をしてあげるのが大切です。正しい猫の飼い方をしりたいのなら個体差に合わせてその子に合った正しい対策を考えるのが一番です。猫の飼い方で命にも関わるとても重要なポイントが肥満対策です。
また悪い食習慣は肥満のみならず様々な内臓疾患を引き起こしたり最悪の場合命を落とす原因ともなるのです。因みに猫は魚好きというイメージがありますが食べすぎは「黄色脂肪症」という病気を引き起こしますので注意が必要です。
猫の多頭飼いにはデメリットもある
猫を一匹家族に迎えたら大抵の飼い主さんは『もう一匹』と考えるといいます。それは「遊び相手ができたら退屈せずに幸せに暮らせるのでは?」というのが主な理由のようです。しかしどんな猫同士でも気が合うのか?仲良くなれなかったらどうしたらいい?という悩みもありますよね。猫の多頭飼いは猫好きの飼い主さんにとってはとても幸せな暮らしですが当の本人、いや本猫にとってはどうなのか。
猫の多頭飼いを考える場合には充分にその飼い方について考える必要があります。猫にとって自分のテリトリーに他の猫が入って来ることは人間が想像するよりはるかに大きな精神的負担がかかることもあります。社会性ストレスで猫が慢性の病気になることも少なくありません。先住猫が他の猫と仲良くやっていけるかどうかは気質・社会性・経験・飼育環境が大きく影響します。
多頭飼いには適している子、いない子が存在するということは常に頭に入れておいてください。猫は単独で暮らしていた時間が長くなればなるほど他の猫と上手くやっていける確率は減っていくものです。人間と同様猫にも猫同士の相性はありますから一概には言えませんが一般的には去勢・避妊手術をしている子達ならばある程度若く健康で社会性がある猫なら問題はないケースが多いようです。
また同じぐらいの年齢や同じ猫種を選べば活動性や遊ぶ好みなどが似ているのでスムーズな場合が多いようです。2匹の猫を同時に迎えることができれば理想的ですが今まで何年も一匹で飼われてきた老猫がいるのなら新しい子猫を迎い入れることは老猫にとって大きなストレスになるのでお勧めは出来ません。そもそも猫自体が単独行動を好む生き物だと認識した上で猫の飼い方については充分考慮して下さい。
いかがですか。以上が間違った猫の飼い方をしてない?見直すべき飼育法です。そんなに難しいことではないけどついうっかり見落としていたり勘違いしていたりすることばかりですよね?ですから猫ちゃんの飼い方で一番大事なのは猫ちゃんの気持ちさえ理解すること。それができていれば猫ちゃんは絶対にオーナーさんをガッカリさせることも困らせることもしないものだということを分かっていただけると思います。
猫ちゃんが人に癒しをプレゼントしてくれるのですから飼い主さんは猫ちゃんが快適に暮らせる環境や日常を準備万端にしてあげる義務があります。猫はとにかく可愛いものですが大切な命あるものです。とても弱く、そしてちゃんと感情もあるのです。新しおもちゃを手に入れたわけではないのです。猫を飼うということは正しい飼い方を知ること、それだけは忘れないで下さいね。
まとめ
間違った猫の飼い方をしてない?見直すべき飼育法とは・構い過ぎはNG!
・猫にとって危険な物は片付ける
・年齢・月齢に合わせたキャットフード
・正しい肥満対策
・猫の多頭飼いにはデメリットもある