飼っている猫を触ろうとしたら、いきなり猫パンチを食らわされて「???」と驚いた経験がある飼い主さんは少なくないはず。この猫パンチは、一体どんな時に繰り出される技なのでしょうか。
猫同士の喧嘩の時はもちろんのこと、親しくない人に触られそうになった時、時には親しい人が相手でも出されますよね。それどころか、よく観察していると、ぬいぐるみ相手に猫パンチが炸裂している現場を見かけることも。
実はこの猫パンチにはいくつかの種類があり、それによって込められている感情が違います。そして、猫パンチは、繊細な猫にとっては大事な感情表現だったりするのです。今回は、猫パンチに込められた猫の思いや気持ちについて、お伝えします。
猫パンチはどんな時にする?
知っておきたい猫の気持ち
相手を「敵」とみなしている
まずは、猫が相手だったり、ネズミなどの獲物を仕留める時に出る猫パンチを見たことがあるでしょうか。「ドドドドドッ」と素早く連続パンチを食らわせている、あの様子です。この猫パンチは、100%「攻撃」の意味を持ちます。
この攻撃のための猫パンチは、相手にとどめを刺すときではなく、とどめを確実に刺せるように、事前に相手を弱らせる目的で出されます。猫同士の喧嘩にしろ、獲物を捕らえる時にしろ、最小限の労力で敵を倒すための技の一つとして猫パンチは使われます。猫は、ただ闇雲に敵にぶつかって行ったり、避けられるかもしれないのにとどめを刺しに行くのは無駄な行動だと、本能的に理解しているのですね。
不満を訴えている
自分が好まない撫で方をされたり、嫌いな人間に執拗に構われたりした時に「バシッ!」と一発、猫パンチを放つことがあります。これは、猫が明らかな不快感を持っている時に出されるようです。つまり、「やめろ!」という気持ちを、猫パンチで表現しているのですね。
このタイプの猫パンチは、拳で相手を振り払うような弱いものから明らかに攻撃的な一発まで、様々な強度があります。その強度によって、猫の不快感がどの程度かわかるでしょう。目安としては、爪を出しているかいないかが境目となるようです。爪を出した状態でパンチされたら、その時その猫は相当不快に思っているということでしょう。
機嫌が悪い
いつもと違うことは何もしていないのに、しかも普段は愛想良く接してくれているのに急に猫パンチを浴びせてくることがあります。こんな猫パンチがどうして出されるかというと、ただその時の機嫌が悪い、これに尽きます。
猫は元来気分屋な子が多いため、昨日は気にならなかったことでも今日は気に障る、ということが多々あります。そんな時の猫パンチを食らってしまっても、嫌われてしまったと落ち込まないようにして、猫の機嫌が直るまでそっとしておいてあげましょう。
相手を拒絶している
相手に対して警戒しているとき、明らかに受け入れがたいときにも、猫パンチは発せられます。こんな時の猫パンチは、爪を出して攻撃的なパンチにも関わらず、体勢は引き気味となり、逃げ腰になっていることが多いです。
例えば、よく知らない猫や、見慣れないものが近付いてきてパニックになっているときなどには、このタイプの猫パンチが出されやすいようです。警戒のあまり攻撃を繰り出してはいますが、猫の内心では恐怖でビクビクしているはずですから、驚かせたりからかったりなど、あまり刺激しないようにしてあげましょう。
好奇心を持ち、じゃれている
小さなおもちゃや、虫などに対してチョイチョイと転がすような猫パンチを出しているときは、猫は対象物への好奇心でいっぱいの状態です。「これは何なのかな?」と、軽いパンチを仕掛けることで確認しているのです。人間が、気になるものをいじってみたくなるのと同じような気持ちですね。
また、虫などが相手の時は、既に瀕死状態にも関わらず、いつまでも猫パンチを続けて弄んでいることがあります。これは、相手がピクピクと動く様子に興味を示している行動なのですが、それを知らずにこんな有様を見ると、かわいい見た目に反して、猫って残酷なところもあるんだなと思わせられますね。
いかがでしたでしょうか。様々なタイプの猫パンチと、それを出した時の猫の気持ちについてご説明しました。
このように、猫パンチには攻撃から好奇心を示すものまで、たくさんの意味があるのです。そしてその強さも、込められる感情の度合いによって変化します。つまり、猫パンチを出すときの猫は、感情的になっているような状態なのです。ですから、猫パンチには、その猫それぞれの性格が見え隠れしていると言っても良いでしょう。
これからは、飼っている猫がどんなタイミングで、どんな強さの猫パンチを出しているかをじっくり観察すれば、その子の性格がわかってくるのではないでしょうか。是非一度、猫パンチの様子をよく見てみることをおすすめします。
まとめ
猫パンチをするときの猫の気持ちは
・相手を「敵」とみなしている
・不満を訴えている
・機嫌が悪い
・相手を拒絶している
・好奇心を持ち、じゃれている