捨て猫を拾った時にまずするべき7つの事とは

捨て猫を拾った時にまずするべき7つの事とは
あなたは、目の前にブルブル震えるとっても小さな、あきらかに一目で捨てられたのだとわかる子猫がいたら、どうしますか?

私は子供の頃から、そんな捨て猫を見て見ぬ振りが出来ず、何度も保護した事があります。そして、何度母親から叱られた事か・・・。今も我が家には、様々なシチュエーションでやって来た4匹の猫がいます。

でも、そんな小さな命が、人間の身勝手で辛い思いをさせられるなんて、とても許せる事ではなく、同じ人間として幼心にも申し訳ない思いで一杯だったのです。勿論、出来る事なら、そんな不幸な猫ちゃん達は、1匹でも多く救いたいという思いでした。

しかし、そんな子猫達は、みんな健康で何の問題も無い子ばかりではありません。しかも、自分の力にも限界があります。現実を冷静に判断し、対応しなければいけない事もあります。「捨て猫を拾った時にまずするべき7つの事とは」なんでしょう。

 


捨て猫を拾った時にまずするべき7つの事とは

 

猫を捨てる事は罪。小さな命を守りたい

目の前の捨て猫を可哀想と思いながらも、保護を躊躇なさる方の中には、その子猫をどのように扱ったら良いのかがわからないという場合も多いでしょう。又、子猫が複数であったり、とても衰弱していた場合、手間や費用がどのくらいかかるのか、予測がつかないから、という事も少なくないのではないでしょうか。

拾った子猫の育て方や扱い方の知識がなければ、そう簡単に保護も出来ませんし、子猫を保護飼育する事に適しているかどうかという家庭事情もあるでしょう。では、捨て猫を拾ったら、まず、何をしますか?

本来なら、まず、警察に通報して「愛護動物の遺棄」という犯罪として捜査を依頼するという声も耳にします。

金銭的な問題・負担について、躊躇する事もあるでしょう。野良ちゃんや保護猫ちゃんであるという事でボランティア精神を発揮して下さる動物病院の先生もいらっしゃるものです。そんな先生を探して訪ね、ご相談してみる事をお勧めします。

現在、我が家にいる猫も、ひどい雨の日、迷子になってしまったのか、高い木の上で力の限り鳴いて助けを求めていた所を保護しました。しかし、家には先住猫がいた為、お互いが激しく拒否したので、かかりつけの動物病院にご相談した所、2週間預かって下さった上に、健康診断とノミ、耳ダニの対応、里親募集に協力して下さいました。

その子は、先生もメロメロになる位、美形猫ちゃんなのですが、残念ながら、里親の申し出は無く結果的には我が家の猫ちゃんになりました。しかし、その後もとても気にかけて下さり可愛がって頂いています。

もし、そんな素敵な獣医さんが身近にいらっしゃらず、自費で対応してあげなければならないとしても、一つの命が救われ、幸運にも新しい家族に迎えられ、幸せになってくれるのを見届けられたら、この上ない喜びを味わえるはずです。

様々な理由から「捨て猫なんか拾ってきちゃだめじゃない!いた所に戻してきなさい!」などと子供に言ってしまう保護者さんもいらっしゃるでしょう。しかし、理想は、これが、命を育てる事、小さな命は大事にするもの、とお手本を見せてあげられる良い機会、そして、それが最高の情操教育になると考えてはいかがでしょうか。子供達に動物愛護の心を身につけさせることは、とても良いことです。

 

子猫は、まず保温、先住猫とは隔離します

戸外に捨てられていた子猫は、きっと、子猫とは思えないほど切羽詰った大きな声で鳴いているでしょう。それは、お腹が空いて母親を求めているのかも知れません。あるいは、ただ弱々しく鳴いている状態になっているかも知れません。その時、子猫は、体力も使い果たし、体温も下がってしまっている場合もあります。

そんな子猫を発見し、拾って帰宅したら、まずは、暖めてあげましょう。ダンボール箱などに古いセーターやタオルなどを敷き、カイロやお湯の入ったペットボトルを適度な温度が保てる様に工夫して入れてあげます。例え、寒くない時期であっても、体が弱っている様であれば、暖めてあげた方が早く元気になります。

その時、注意して欲しい事は、すでに猫ちゃんを飼っていらっしゃるご家庭でしたら、決して拾った猫と先住猫は絶対に一緒にしないでください。先住猫にとってストレスになる事、先住猫が子猫に危害を与える事もありますが、何よりも、捨て猫ちゃんは、どんな病気をもっているのかわかりませんので、わかるまでは接触させない事が大切です。

ウィルス性のかぜに感染していたり、ノミ、耳ダニを持っている場合も多いので、先住猫もろとも治療を余儀なくされるなんて事もあります。また、カリシウィルスなどに感染している場合には、治癒後も1ヶ月程、感染の可能性がありますので、接触は避けなければなりません。皮膚病にも注意が必要です。

 

動物病院に行きましょう

やはり、そんな時に1番頼りになるのは獣医さんです。かかりつけの獣医さんがいれば、まず事情を話し、なるべく早く相談にいきましょう。この様な場合には、子猫自身が衰弱していることが多いですから、里親探しなどは二の次です、信頼出来る獣医さんに診てもらったり、適切なアドバイスしていただいたり、素早い処置が必要です。

獣医さんならば、子猫の状態を見て、生後どのくらいか、性別など判断し、更に、病気の有無を診て、治療して下さいます。これは、少し時間がかかる事もあるかも知れませんが、後に里親さんが見つかり、譲渡する際には完璧な健康体でお渡しする為の最低限守りたいルールです。

捨て猫のほとんどが、風邪ひきか鼻気管支炎を患っているものです。その場合には、抗生物質の注射を何日間か続けることで解消するでしょう。また、大抵ノミがいますから、体の様子をみながら体力的に大丈夫ということになれば駆除します。1ヶ月は有効ですから日付を覚えておいて、里親さんにお渡しするときに申し送りします。ノミを媒介にして寄生する猫条虫がいる場合も多いので、検便をし、駆虫して貰います。「白血病」「猫エイズ」「猫伝染性腹膜炎」の検査をしておくと安心でしょう。

 

ミルクをあげましょう

もし離乳前なら、哺乳瓶と猫用ミルクの準備です。ミルクは猫用以外のものでは代用できませんのでご注意ください。生後1ヶ月までは猫用ミルクをあげてください。

もし、子猫が生後1週間から10日なら1日に4回の授乳が必要です。量については、それぞれメーカー毎に違いますので、使用上の注意をよく読んで作りましょう。

始めのうちは、上手く吸うことができない子もいるかも知れません。注射器(もちろん針なし)やスポイトを使う方法もありますので、心配なら、獣医さんに相談してみましょう。焦らず、根気強く続けていれば必ず自分で吸うコツをつかみ、上手に飲める様になります。

 

排泄の介助をしてあげましょう

ミルクの後は、排泄の時間です。本来、産まれたての小さな猫ちゃん達は、母猫さんに舐めて貰い、その刺激で排泄をするものです。ですから、子猫を拾ったら、お母さんの代わりをしてあげる必要があります。

ティッシュペーパーを数枚たたんで手に持ち、人肌のお湯で濡らし、子猫のお尻にあてて軽くトントンと刺激を与えたり、さするように動かします。するとおしっこが出てきます。コツをつかむまでは、ゆっくり繰り返しましょう。しかし、肌の弱い子は、これで、かぶれてしまう事もあるので、心配ならば直接、洗面所などで、優しくお湯を出しながら、指を濡らして直接チョンチョンしてあげる方法も良いでしょう。

また、軽く腸のあたりを揉んであげるのも良いです。ミルクを飲ませて、水分を充分摂ってうんちを緩くするという事も試してみても良いですね。

排便が3日に一度程度の便秘であれば心配はいりませんが、4日、5日出ないのなら獣医さんに相談の上、浣腸を使う、1週間程長引く様ならば、獣医さんに診察、処置して貰います。

この時期には、まだトイレを用意する必要はありませんので、子猫の入れてある箱かケージの全面にペットシーツを敷いておきましょう。3週間位からは、トイレの代用として、平たいプラスチックトレーなどの小さな箱にペットシーツをしき、その上から猫砂を入れて、「しつけ」の準備を始めましょう。猫のトイレのしつけは犬とは違ってとても楽といえるかもしれません。

 

子猫の健康の為、大切な離乳です

1ヶ月近くたつと、子猫は、ハイハイの様なぎこちない動きから、獲物を狙って小走り出来る様になってきます。この頃になると、人間をすっかり親と思い込み、体によじ登って来たり、遊びをせがんだりと、一番可愛い時期になります。愛着がわいてきてしまう頃でしょう。

また、そろそろ、離乳が始まります。食離乳食の準備をしましょう。市販の缶入りの離乳食も便利です。しかし、離乳食を食べる時期はほんの短期間なので使いきれるかが問題です。パウチを子猫用ミルクでのばしても良いでしょう。手作りなら消化の良い白身魚や鶏のささみを電子レンジで温めてよくつぶしてから与えましょう。

この時期は、まだ、固形の物では、下痢をしてしまう心配もありますので、ミルクは補助で与えながら、便の様子をみながら、丁寧に切り替えてゆきます。1週間くらいで離乳時期も終わり、子猫用のフードに移行できるでしょう。

生後一年位までは、子猫用のフードが望ましいでしょう。里親さんにも、その旨伝えておきましょう。この時期から食事に気を付け、良い栄養をたくさん摂った子は、病気をしない骨太の健康な個体になります。子猫用フードは大人用にくらべると多少お値段も高いのですが、子猫の将来の健康への投資と考えましょう。

 

里親募集を始めましょう

拾ってきた子猫を我が家の子として育てられるのが理想的ですが、様々な理由で、捨て猫の保護のみという場合もあるでしょう。そんな場合には、子猫の為の「里親」を探してあげなければなりません。里親募集は生後3週間位から始めましょう。ただし、実際に子猫を里親さんにお渡しするのは1.5ヶ月以上になってからが望ましいでしょう。

この頃の子猫は、とにかく、何をしても可愛らしいものです。最高の被写体ですから、顔や体の柄がよくわかるような写真をたくさん撮ってあげましょう。近年の里親募集はインターネットでの募集が一般的でしょう。インターネットの良いところは、反応が早く、無料で一度にたくさんの人達に見て貰えることです。つまり、猫ちゃんのプロフィールと写真の出来が、重要になると言う訳です。

逆に悪いところは、匿名性が高いので、思わぬ里親詐欺事件などの心配もあると言う事です。メールの文字面だけでは本心確認が充分に出来ないからです。自らが命を救った子猫が、幸せな一生を送れるために、里親さんのチェックはしっかりしておきたいものですね。

里親を探す前に、必ずしておきたいことは、猫ならばトイレトレーニング、離乳、など最低限のしつけをしておく事と獣医さんに診てもらい、健康な状態で引き渡せる様にしておく事です。

また、メスであれば、避妊をどうするかを双方の意思確認・相談をしておくと良いでしょう。手術可能な年頃なら、一般には避妊手術をしてから、里親探しをされる方が多く、最近では「避妊手術補助金付」の様な、里親に譲る時に避妊手術の一部を現金で負担される方もいる様です。

里親探しの方法としては、インターネットの情報ページを利用す方法と、ご近所での里親を見つける方法の2つでしょう。その中でも、ご近所でという事なら、親戚・縁者・知人を頼る・地域のミニコミを利用する・地域の掲示板を利用する・獣医やペットショップに聞いてみる・里親探しイベントに参加するなどでしょう。

 

以上が捨て猫を拾った時にまずするべき7つの事です。そもそも、いかなる理由があろうと、一つの命をないがしろにする事なんて絶対にあってはいけない事なのです。

いわゆる地域猫などと呼ばれる野良ちゃん達が、産んでしまった子猫が増え続ける事も問題ですが、人間の勝手な考えで、捨て猫になってしまう猫の存在は、飼い主の責任感やしっかりしたモラルさえあれば、根絶出来る事なのです。

また、里親さんの元で、全ての猫が幸せになれるとばかりは限らないと言う事も、残念ながら、忘れてはいけない事実なのです。最近、動物に関する悪徳業者が問題になっています。そんな悪徳業者が、一般の里親を装い、動物実験用または営利目的で動物を入手し、用が済んだら・・・という悲しい現実です。

また、保健所や地方自治体が運営する動物管理センターへの引き渡しも、猫にとっては、保護されたとは言え、決して幸せな人生ばかりではないという事も覚えておいてください。

世の中の全ての猫が幸せな人生を送れますように・・・。

まとめ

捨て猫を拾った時にまずするべき7つの事とは

・猫を捨てる事は罪。小さな命を守りたい
・子猫は、まず保温、先住猫とは隔離します
・動物病院に行きましょう
・ミルクをあげましょう
・排泄の介助をしてあげましょう
・子猫の健康の為、大切な離乳です
・里親募集を始めましょう


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