「猫の集会」ということばを耳にしたことはありませんか。どこからどのようにやってくるのか、猫たちがぞろぞろと一定の場所に集まって何か話をしているように見えるのが「猫の集会」といわれるものです。
人間社会と同じように、井戸端会議をしているのかもしれません。オスとメスは一緒にいてどんな話をするのでしょう。
お見合いの集会かもしれません。はたまた子供のことの情報交換かもしれません。
そこではどんなことが行われているのでしょうか。いろいろな視点から分析していきます。
猫の集会で何が行われているのかを
7つの視点で徹底解剖!
「猫の集会」が行われる場所
昼間も集まることがありますが、たいてい夕方から夜中に行われます。
場所としては公園や空き地、駐車場などの少し広いスペースを好むようです。集まってくる猫たちは、主に野良猫ですが中には飼い猫が参加していることもあります。
猫の五感で感じとる集合場所や時間
猫にも視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感があって、なかでも聴覚が一番発達しています。
猫は聴覚でいろいろな情報を集めているようです。
<視覚>猫はもともと夜行性です。暗い所は瞳孔を開いてわずかな光でも取り込もうとします。明るい昼間の視力は人の約10分の1ですが、暗い夜には人の約5倍の明るさで周りの物を見ることができます。暗くなったほうが周辺が見やすいので「猫の集会」は夜に行われることが多いと思われます。
<聴覚>いちばん敏感に働くのが<聴覚>です。人が聴き取るができる高音が約2万ヘルツ、それに対して猫は人の約3倍の6万ヘルツ以上の音がわかるそうです。そして両耳で音のする方向や音源をすぐにキャッチします。優れた聴覚で仲間の猫の鳴き声や足音を聴き分けて、集合場所や時間がわかるのではないでしょうか。
<嗅覚>人の数万~数十万倍あるといわれています。猫は食べ物は味よりも、食べられるものか、おいしいか、腐っていないかなど食べ物のニオイで判断しているようです。また、猫は鼻とは別に口の中(上あごの前歯のつけ根あたり)にヤコブソン器官という穴があり、フェロモンなどのニオイに反応します。そんなときは口を半開きにして笑ったような表情になります。
また、ニオイで仲間や縄張り、どのような猫か、猫同士の優劣関係まで嗅ぎわけることができます。お互いに体をこすりつけ合うことで、次に出会ったときにニオイを嗅ぎ合って仲間かどうか確認するのは、「猫の集会」で最初に行われる行為です。
<味覚>猫は、苦味、酸味には敏感で、塩味はそれほど敏感でなく、甘みは全くといっていいほど感じないようです。そのことはアメリカとイギリスにおいて行われた研究結果で報告されています。集まった時に食材の味をみんなで伝え合って確認しているのかもしれません。
<触覚>猫のヒゲの根元にはたくさんの神経が集中していて、刺激や振動でも感じ取ります。そのヒゲは口の左右、両目の上、左右の頬、アゴ、前足の後ろ側に生えています。それらのヒゲで暗闇でも物にぶつからずに歩くことができたり、せまい所を通ったりします。また、風の流れてくる方向がわかったり、微妙な音波をヒゲで感じたりします。猫のヒゲは猫が生活していくうえでとても大切な役割を果たすものなので、絶対に切ったりしてはいけません。ヒゲがなかったら「猫の集会」場所がわからなくなるかも知れません。
猫同士の優劣関係
猫は普段は単独行動をする動物なので、基本的にボス猫以外は対等で上下関係というより優劣関係があるようです。
ボス猫はおもに去勢されていないオス猫で、地域で一番ケンカが強く他の猫たちに尊敬されている猫が選ばれているようです。猫たちの優劣関係は複雑でその時の状況によっても優劣が入れ替わったりします。また、劣位だからと優位の猫に必ず道を譲るということはないそうです。
人間にはわからない「猫社会」のルールを「猫の集会」で話し合っているのでしょうか。
ホームテリトリー・ハンティングテリトリー(縄張り)
ホームテリトリーとは、室内などそこで生活している猫だけが行動する範囲で、他の猫が侵入することを許しません。もし侵入してきたら、壮絶な喧嘩となるでしょう。
ハンティングテリトリーとは、複数の猫がともに行動できる範囲です。
顔見知りの猫仲間なら喧嘩にならず、テリトリーへの侵入は自由にできます。ただし、テリトリーに顔見知り以外の猫が侵入したときには激しく闘ったりするようです。
また、猫たちはあらゆるところに体をこすりつけて、頬やアゴにる分泌腺からニオイ(フェロモン)を出して、自分たちの縄張りを主張します。もしかしたら、このテリトリー内によその猫がいないか、仲間同士の確認をするために「猫の集会」をしているのかもしれません。
「猫の集会」に参加するのはどんな猫か
「猫の集会」に集まるのはオス猫だけではありません。
老猫もいて、メス猫、母猫とその仔猫、若い猫と様々です。また、公園など外で行われるからと野良猫だけでもありません。飼い猫でも家と外を自由に出入りしている猫も仲間として受け入れてもらえたなら、その地域の「猫の集会」に参加できます。
なかには、何日も家に帰ってこなかった猫がある日、「猫の集会」に参加しているのを見つけたという例もあります。
「猫の集会」とは
まとめてみると「猫の集会」とは、自分たちのテリトリーで行われる情報交換のようなものではないかと勝手に思っています。
同じテリトリー内にいる仲間の猫たちが集会場所に集まり出すと、それを五感それぞれの特長から「あの猫が来てるから自分も行かなくては」と本能的に続々集まって「猫の集会」が始まるのではないかと思われます。
おそらく複数の猫が行動する範囲、ハンティングテリトリーで行われることだと考えられています。
「猫の集会」で何が行われているのか
「猫の集会」は、例えば人がたまたま出会った人に「久しぶり~」と声をかけて「○○のスーパーの○○が安かったよ」とか「○○さん元気にしてるかな」とか話をしているときに、知り合いが集まってくるような状態です。
猫も自分たちのテリトリーにいる仲間たちのニオイや空気を感じて集まり、「よー、久しぶり」とかいいながら「△△おいしかったぞ」とか「このあいだ、よそ猫が侵入していたぞ」とか、たわいもない話をしていることでしょう。
また、テリトリー内の猫たちがみんな元気でいるかの確認をしたり、それぞれの近況報告をしているのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか。「猫の集会」に参加してどんなことをしているか、どんなことを話しているのか知りたいと思う人も多いでしょう。
だけど、そういう「猫の集会」という猫の世界を自分たちであれこれ作って考えるのも楽しいと思いませんか。案外、猫も同じように人間が集まっているとき「「人間の集会」って何やってるんだろう。」って思っているのかもしれません。
まとめ
猫の集会で何が行われているのかを7つの視点で徹底解剖!
・「猫の集会」が行われる場所
・猫の五感で感じとる集合場所や時間
・猫同士の優劣関係
・ホームテリトリー・ハンティングテリトリー(縄張り)
・「猫の集会」に参加するのはどんな猫か
・「猫の集会」とは
・「猫の集会」で何が行われているのか