犬を飼うなら言う事を聞いてくれる犬がいいな、なんて考える人もいるでしょう。「お宅のワンちゃん賢いね」って言ってもらいたい人もいるでしょう。
でも、賢い犬の基準ってはたして何なのでしょうか。なかには、賢い犬ランキングなどといって取り上げたりしていたりしますが、本当に確かな情報なのかは分かりません。
なぜなら、賢い犬だと思って飼ってみたら「全然言うこと聞かない」「何も覚えてくれない」とか勝手な理由をつけて「もういらない」って手を離してしまう人もいるからです。
盲導犬や介助犬、、芸をする犬などを見ると「わー、この犬たち賢いな」と思うでしょうが、それらの犬たちは最初からどんな指示にも従ったり、芸が出来た訳ではありません。
どの犬たちもちゃんと、しつけから始めているのです。結局は、血統書つきの犬でも雑種犬でも、犬のしつけ方次第で、賢い犬に育てられる可能性は十分あるのです。
それでは、どのような事からしつけを始めて行ったらいいのかを、今から一緒に考えていきましょう。
犬のしつけ方で困っているひと必見!
賢い犬の7つの育て方
飼い主がリーダーであることを犬に覚えさせよう
飼い主がリーダーだということを犬にしっかり覚えさせるのは、本格的にしつけに入る前にとても大事なことです。
そのことを基本としてしつけを始めないと、飼い主の指示を聞かなかったり突然わがままになったりすることもあるからです。
本来、集団で行動をする犬たちにはしっかりしたリーダーが存在します。リーダーのいるグループの犬たちは、リーダーには絶対服従しなければなりません。
もし、逆らったりすればグループから追い出され、たった1匹で生活していかなければなりません。そうなると、食べ物も寝場所も自分で探しながら生きていくしかないのです。
だから、グループのリーダーには絶対服従をするのです。そのような犬の習性をしつけに生かすために、まず、一緒にいる犬のリーダーは飼い主であると覚えさせます。
そして、飼い主に家族がいれば、その家族たちのことも飼い主よりは順位は下だけど犬よりは上だという事もちゃんとわからせるようにします。
家族に小さな子供がいる場合は、犬は自分と同等または、いつでも子供より上の立場になれると考えています。
だから子供を含めて家族全員を犬より上だと思わせるために、犬の食事は人間より後にする、散歩に出るときも家の玄関を出るのは犬が1番最後にする、など工夫をしながら犬が1番最後であることを覚えさせていきます。
しつけは子犬の時期から始めよう
犬のしつけは、極端に言えば生まれてときから始めても早すぎることはないそうです。逆に言えば成犬になってからでも遅くはありません。
でも、出来れば周りの事がよく分からない子犬の時期から始めた方が、何か教えた時に比較的覚えやすいようです。
どうして産まれてすぐからでもいいのかというと、生後2週頃までを「新生子期(しんせいしき)」と言って、目や耳、触覚などの機能はまだ発達していません。
でもこの頃にやさしく抱きかかえてあげたり、お腹や頭などをなでてあげると情緒が安定し、学習能力が高まり、運動能力もあがるそうです。
そして、人間に対する信頼性も強くなるようです。でも、ペットショップなどでは産後間もない子犬はいないので、もしも飼っている犬が子犬を産んだ時などに覚えておくといいでしょう。
ペットショップでは、たいてい3~4週から3ヶ月ぐらいの子犬が多いですが、この時期もしつけを始めるのには大切な「社会化期」と呼ばれていて、4~5週ぐらいは子犬が乳離れする頃です。
母犬は子犬が乳離れする頃から、いいこと悪い事を覚えさせていきます。だから3~4週から3ヶ月まではしつけの適齢期とも言われる「社会化期」で、しっかりしつけるのにいい時期なのです。
しつけるときは甘やかさないようにしよう
犬をしつけるときに大事なのは、絶対甘やかさないことです。しつけるときに「ごめんなさい」って感じで目線が合ったら「わかった。いいよ」なんて許していませんか。
そんなことでは、ちゃんとしたしつけは出来ません。すぐ「いいよ。いいよ」なんてことを言ってたら、犬も「これは別に覚えなくていいんだ」と考えてそのうちに覚えなくなってしまいます。
そして甘やかすことで、犬は「自分は1番えらいんだ」「いつでもリーダーになれるぞ」と自分に都合のいいように思ってしまいます。
ここで誤解のないように伝えておきますが、甘やかさないということと、体罰を与えるは違うということです。
しつけで甘やかさないというのは、途中であきらめずに根気よく教え続けるということで、体罰で押さえつけることではないのです。
体罰は犬にとって恐怖心から言われることを聞こうとしているだけで、決してリーダーを信頼して聞こうとしているのではないということはしつけしていく上で理解していてほしいことです。
犬を飼い主の都合に合わさせよう
可愛い愛犬と一緒にいると、常に犬の行動に飼い主の方が合わせてしまいがちになります。遊んであげる時間やごはんの時間、また、ほとんどの犬が大好きな散歩の時間などです。
そういう時間を毎日、ほぼ同じようなタイミングで犬のために行動していませんか。それも犬を甘やかす行動のひとつなんです。
ずっと続けていると、犬も「そろそろごはんの時間だな」「散歩に行く時間だぞ」と習慣づけて覚えるようになってしまいます。
犬は毎日の習慣として覚えてしまうと、その時間になっても人間が行動を起こさなければ吠えて要求するようになります。犬に人間の都合なんて分かりません。
そうならないためにも、毎回、遊びの時間、ごはんの時間、散歩の時間などをずらすようにしましょう。
また、散歩は天候やその日の用事によって行けない日もあると思うので、時々行けない日も作っておきます。
犬が飼い主のことをリーダーとして認識しているなら、ずらされたとしても「お腹すいたけど、ごはんの時間まで待とう」とか「散歩の時間まで待とう」と自然と待てるようになります。
犬のためを考えるなら、「可哀想だから」と犬に合わせずに、あくまでもリーダーとして毅然とした態度で向き合いましょう。
アイコンタクトをとろう
しつけていくうえでも大切なのは、飼い主と犬とのコミュニケーションですが、さらにアイコンタクトをとるというのは信頼関係をより強くするものでもあります。
犬が飼い主をリーダーとして認めていれば、何か行動を起こすたびに目を見る事が多くなってきます。
例えば名前を呼ぶと「なに?」という感じで目を見る。または目を見て近づいてくる。
「お座り」や「待て」のような指示の間も目をじっと見る。散歩中でも飼い主を気にするようにチラチラッと目を合わせるように見てくる、などです。
アイコンタクトをとるために、飼い主自身も何か指示をしたり、名前を呼んだり、散歩に行くなどの行動を起こすたびに犬の目を見るようにします。
何回も繰り返すうちに、自然とアイコンタクトがとれるようになるでしょう。アイコンタクトがきちんととれるようになれば、しつけももっとやりやすくなります。
指示どおりに出来た時は思いっきり褒めてあげよう
しつけで基本的な「お手」や「お座り」「待て」などの動作が出来た時でも、「すごいねー」「かしこいねー」という感じで思いっきり撫でて褒めてあげましょう。
犬はしつけられる事にストレスを感じているかも知れません。だから、指示したことが出来た時は大げさなぐらい褒めてあげるといいです。
何度も褒められるうちに犬も、「こうすればこんなに喜んでくれるんだ」と考えるようになります。
そして、だんだんと指示と行動が犬の中で一致するようになり出来るようになります。
しつける時にご褒美としておやつあげるようにするといいとも言われますが、しつけのご褒美はおやつに限らないのです。
思いっきり抱きしめてもらえる、褒めてもらえるというのは、犬にとっては嬉しいご褒美になります。
しつけ教室をのぞいてみよう
どうしても、ちゃんとしたしつけが出来ない。もっときっちりとしたしつけをしたい。
確かにしつけは、飼い主にとっても忍耐力がいるものです。なかなか言う事を聞いてくれなくて、つい怒鳴ってしまったり、イライラしたりしていませんか。
怒鳴ってしつけるのは犬からしても、「もういやだ」というストレスになってしまい、返って何も言う事を聞かなくなるかも知れません。
途中でしつけ方にどうしても自信がなくなったら1度、しつけ教室などをのぞいてみたり、そこで相談してみるのもいいですね。
他にも、愛護センターやペットショップ、ホームセンターなどで定期的に、無料のしつけ教室を行なっているところもあるので、興味のある方はお店や愛護センターに問い合わせてみましょう。
いかがでしたか。今現在、犬を飼っている人も、これから飼おうと考えている人も、賢い犬に育てるためには犬種ではなく、犬のしつけ方が大事だということを理解していただけたでしょうか。
捨て犬や雑種から介助犬やセラピー犬を育てたという話もありますから、あきらめずにしつけていきましょう。
でも、「さあ、しつけるぞ」って気合い入れすぎると犬も飼い主も疲れてしまうので、最初は、しつけも遊びの1つのようにしながら始めていくのもいいでしょうね。
お互いの信頼関係とコミュニケーションがしっかりとれるようになれば、もっとしつけやすくなってくるはずです。
そうなってくれば、犬と一緒にいる時、誰かに「お宅のワンちゃん賢いね」と言ってもらえる日も近いかもしれませんね。
まとめ
犬のしつけ方で困っているひと必見!賢い犬の7つの育て方・飼い主がリーダーであることを犬に覚えさせよう
・しつけは子犬の時期から始めよう
・しつけるときは甘やかさないようにしよう
・犬を飼い主の都合に合わさせよう
・アイコンタクトをとろう
・指示どおりに出来た時は思いっきり褒めてあげよう
・しつけ教室をのぞいてみよう