猫好きな人にとって一番つらいのは、本人また家族が「猫アレルギー」であることです。
それでも猫とじゃれ合ったり、猫の愛くるしい表情に癒されたい人も多いと思います。「猫アレルギー」とは猫と接触することで引き起こすことですが、長年猫と生活してきた人が突然「猫アレルギー」になることはないといわれています。
そもそも「アレルギー」とは、人の体内に入ってきた外部からの異物(ウイルスや菌など)を追い出そうとする免疫機能が、害のないものにも過剰に反応してしまうことで起きる症状です。
また、アレルギー反応の原因となる抗原性物質をアレルゲンといって、花粉や塵などによる吸入性、牛乳や卵などによる食物性、金属などによる接触性などのものがあります。
ここでは、「猫アレルギー」について症状や原因、克服法などを考えていきたいと思います。
猫アレルギーを克服するために知っておきたい7つの事
猫アレルギーの症状
猫と接触することによってアレルギー反応が引き起こされ、くしゃみ、鼻水、咳など、風邪とよく似た症状を発症することです。猫アレルギーの症状は、主としてヒスタミンと呼ばれる体内の化学物質によって引き起こされるもので、風邪の症状とよく似ています。
・目のアレルギー症状
かゆみ・充血・涙・腫れ・鼻のアレルギー症状
かゆみ・鼻水・くしゃみ・鼻づまり・のどのアレルギー症状
痛み・咳・喘鳴(ぜんめい=ぜーぜーいうこと)・皮膚のアレルギー症状
発赤(ほっせき)・かゆみ・その他のアレルギー症状
胸を締め付ける感覚・唇の荒れ・喘息のような咳き込み・花粉症様症状
以上が猫アレルギーの主な症状です
猫アレルギーの原因
猫の毛やフケ、唾液、オシッコなどに含まれるタンパク質が原因とされています。毛づくろいするときに舐めることによる唾液が付着した毛やフケが、体をかいたときに空中に飛び散ることもそのひとつです。
猫アレルギーのアレルゲンとしては、現在5種類が知られています。アレルゲンは極めて小さく、花粉やほこりの10分の1程度の大きさしかありません。
猫の脂腺から分泌されるFel d 1と呼ばれる糖タンパク、セクレトグロビン、および唾液中に含まれるFel d 4リポカリン,が猫アレルギーを引き起こす主犯格と言われています。
セクレトグロビン,は猫の皮膚中に存在する脂腺(しせん)から分泌されるアレルゲンです。特に首や顔周辺の毛に多いとされます。
リポカリンは主として顎下腺(がくかせん=あごの下にあり、唾液を分泌する組織)から放出され、毛づくろいするときに毛やフケに付着することで空気中に飛び散ります。研究によると、猫アレルギーを示す人の63%は、このリポカリンに対してIgE抗体を持つということです。
猫アレルギー予防や対策
猫アレルギーは猫だけが原因ではないことが多いので、あらゆるアレルギーの原因を考えての予防や対策をします。
・部屋の天井から床まで徹底的に掃除をする。
・カーテンやシーツなどをこまめに洗う。
・気になるようなら、ぬいぐるみなどアレルゲンが付着しそうなものを部屋に置かない。
・床は毛足のあるカーペットは敷かずに、ビニール製ものやフローリングにする。
・猫のトイレをこまめに掃除する。
・最低月に一回は猫のシャンプーをする。
・猫にブラッシングをする。
・猫を触ったら手を洗う。
・空気清浄機を設置する。
などです。
病院でアレルギー検査を受ける
アレルギーの原因を知るためにも、病院で一度検査を受けてみて治療法などの相談を受けてみるのもいいでしょう。
もしかしたら「猫アレルギー」ではなく、ほかにアレルギー症状の原因があるかもしれません。『viewアレルギー36検査(即時型アレルギー36種検査)』なら、項目を選ぶことはできませんが、1度の採血でアレルギーの主な原因となる36種類(犬・猫を含んだ吸入系その他18、食物系18)の項目を調べることができます。
猫アレルギーを克服するためにも悪化させない
不安な気持ちからくるストレスも、アレルギーを悪化させる原因のひとつです。自分は「猫アレルギー」だから・・・と深く思いこみすぎる心のストレスから症状がひどくなることもあるので、ときには症状を悪化させないための気分転換も必要です。
どこかに出かけたり、音楽を聴いたり、自分の好きなこと興味のあることをして心に余裕を持ちましょう。
それでも猫を飼いたいなら
どんなに「猫アレルギー」だといわれても、猫を飼いたいと思う人はたくさんいると思います。
飼うからには、最後まで一緒に暮らしたいですよね。それでもやっぱり、猫を飼いたいけど迎え入れる勇気がないという人は、猫のいるカフェ、ペットショップ、猫を飼っている人のところで、何度か猫に直接触れてみてから考えるのもいいと思います。
なかには、猫と生活しているうちにアレルギーの症状が改善していった人もいるみたいです(それなりの覚悟は必要ですが)。
猫アレルギーの猫好きなひとに、うれしい研究報告
「猫アレルギー」のために、思いっきり猫をギュッとしたり、じゃれ合ったりできない人たちに朗報です。
「猫アレルギー」がなくなる日が来るかもしれません。ある米専門誌に、どのようにして猫へのアレルギー反応がでて、どう誘発されるのか解明したという研究論文が発表されたそうです。
実用化にはまだまだ時間と年月がかかるでしょうが、「猫アレルギー」で長い間つらい思いをしてきた人たちにとっては待ち遠しい成果です。
以上まとめてみましたが、少しは「猫アレルギー」についてご理解していただけたでしょうか。必ずしも、猫と一緒にいたらアレルギーの症状が出たから「猫アレルギー」だと決めつけなくていいのです。
もしそうであっても、深く考えて悩みすぎずに適度に運動したり、音楽を聴いたりしてストレスを解消させること、こまめに掃除をするなど、いろいろなやり方で「猫アレルギー」を克服する方法をみつけてください。
そしていつの日か、何のためらいもなく、あたりまえのように猫がそばにいる生活はもうすぐ近くまで来ています。
まとめ
猫アレルギーを克服するためにしっておきたい7つの事・猫アレルギーの症状
・猫アレルギーの原因
・猫アレルギー予防や対策
・病院でアレルギー検査を受ける
・猫アレルギーを克服するためにも悪化させない
・それでも猫を飼いたいなら
・猫アレルギーの猫好きなひとに、うれしい研究報告