猫をマッサージするといいことたくさんな理由

飼い主さんにとって猫の健康状態ってとても重要な事ですよね。人の場合リラックスが一番!と足しげくマッサージに通う方も少なくは無いですよね。では猫にとってマッサージって必要だと思いますか?ほとんどの人になにかしらの効果はあるのだから猫にとってもマッサージすればなにか良い影響はあるのかなあ…なんてちょっと気になったりすることってありませんか?

しかし猫ちゃんによっては人に体を触られるのを嫌がる子もいます。ベタベタしたがる飼い主さんを疎ましい顔で見る猫ちゃんもいます。そんな猫ちゃんならマッサージなんて逆効果でストレスの原因になるかも知れませんね。しかし勿論甘えん坊さんの猫ちゃんもいてそんな猫ちゃんなら飼い主さんのマッサージで喉をゴロゴロいわせて喜んでくれます。とても活発な猫ちゃんなら激しい運動後筋肉のこりほぐし効果ありという意味でマッサージも良いのでは?

では具体的に猫にマッサージするといいことがたくさんある理由についてお伝えします。

 


猫をマッサージすると
いいことたくさんな理由

 

 

猫も体はこるのです!

飼い猫ちゃん達は戸外で自由に暮らしている野良ちゃん達と比べると人間のライフスタイルに合わせて生活しなければいけないという意味で飼い主さんが考える以上に日々様々なストレスを抱えているものです。一見のんびり自由にしている様に見えても…です。

猫ちゃんって何事にも動じない様に見えて案外ストレスには弱い生き物です。日常生活の中で何らかの理由により極度のストレスを感じるとひどく緊張し筋肉がこわばって体がこってしまうと言われます。ストレスや緊張以外でも体に不調な部分があると『こり』という形で表れるものだと言います。

そんな『コリコリ』状態の猫ちゃんにとってはマッサージは非常に良い効果を発揮します。マッサージでリラックスさせてあげるのが大きな目的です。人間同様、猫ちゃんも温かい手でマッサージされれば筋肉のこわばりがほぐれて身も心もスッキリ!効果が期待できるのです。血行もよくなり新陳代謝も活発にするという意味で本来動物が持っている自然治癒力を高める効果もあるのです。

猫のストレスを緩和するメカニズムについてはそもそもマッサージには脳内麻薬の一種である『エンドルフィン』の分泌を促進する仕組み、いわゆるオピオイドシステムを活性化しストレスを緩和する効果があると言われます。人間やその他多くの動物達が好きな人と一緒にいることや触られることでオピオイドシステムが活性化しエンドルフィンが分泌される訳です。マッサージがストレス緩和につながるのはこの様な理由からです。

実は猫ちゃんへのマッサージは飼い主さん自身もリラックス出来る行為であるのをご存知ですか?ある実験で犬を撫でると撫でている最中には被験者自身の血圧低下が確認されています。また他の実験でも動物に話しかける行為が血圧を下げストレス軽減する効果があるという結果が得られました。

このように人は動物と触れ合っているだけで様々な『癒し効果』を享受できるので猫にマッサージを施すことは猫にとって良い事ばかりではなく飼い主さんにとっても『アニマルセラピー』に近い効果を得るという意味で大切な行為であると言えるのです。飼い主さんとペットが同時に幸せな気分になれるならやらない手はないですよね。

 

健康管理に役立つ!

猫ちゃんにマッサージをする時には当然ながら猫ちゃんの体の隅々まで触ってみるわけですがそれにはとても重要な意味があります。そのマッサージで猫ちゃんの体のこりをほぐすだけではなく同時に全身をチェックできる場面でもあるのです。マッサージしながら猫ちゃんの体に触れているうちに痛みのある場所・しこりや湿疹など異状があればそれを直接見つけることが出来るのです。

つまり猫ちゃんにマッサージすることでこりを解消しつつリラックスさせてあげるのと同時に飼い主さんは猫ちゃんの健康状態ならびに体調の異変を早期に発見することができるとても大切な役割を果たしてくれるのです。言葉でのコミュニケーションがとれない飼い主さんとペットの関係ではこれはとても重要ですよね。

腰痛、腎臓病など慢性病に対する体調管理としては日頃から猫ちゃんの様子をしっかり把握しているのが特に大切です。またその様な持病をフォローするマッサージ方法もあるようですがこれに関しては素人療法は禁物ですので必ず動物病院で指導を受けてから正しく行うべきです。

猫の体の表面というものは炎症・腫れ・しこりなど様々な病気の初期症状が現れやすい部位です。猫の体を定期的にマッサージする事でその様な異常に気付く事が出来て病気を早期発見し悪化させることなく早期治療が可能になるのです。

その為には普段から猫ちゃんが飼い主さんから体を触られることに慣らしておく必要があります。それをしておくことで普段しっかりと体のチェックが出来るのと同時に万が一体調不良で動物病院での受診しなければならない時にもにもスムーズに診察・治療を受けられます。子猫のうちからスキンシップを兼ねて習慣づける事をお勧めします。

 

ツボを刺激して健康になる!

人間同様、猫にもツボという概念は当てはまる様で例えば百会と呼ばれるツボの集まりでさまざまな部分に作用するもの。後(足)三里と呼ばれる膝の後ろで消化器系や膝に効くツボ。三陰交と呼ばれる膝の下の内側で肝・腎・脾の3つの経絡(=気の通る道)が交わるツボ。これらは重要なツボとされています。

これらのツボを刺激して気(エネルギー)の流れを活性化させる東洋医学的なマッサージやリラクゼーションを目的としたものなどがあるのです。しかしながら家庭で飼い主さんが猫ちゃんに行うマッサージは特別な手法などにはこだわらなくても猫ちゃんが気持ちいいと感じてくれれば良いというスタンスで充分だと思います。

実は猫の体にもたくさんのツボがあります。知っておくと効果的なツボというものもありますので覚えておいてください。ツボを刺激すると気の流れがよくなり効果的と言いましたが全てを覚えるのは大変。また位置を正確に見極めるのは至難の業です。ポイントとして百会・足三里・三陰交この3点を覚えておけば大丈夫。

テクニックとしては『Tタッチ』を知っておいてください。Tタッチとは指先で小さな円を描きながら皮膚だけを動かす方法です。体にこの様な非習慣的な刺激を与えることで心のバランスを整え身体の動きを高め健康状態を良くするケア法でありリラックス効果が期待出来ます。

このTタッチ、5本の指を体の上に軽く乗せ親指を支点に手首は動かさず他の4本の指先だけで円を描きます。1周と4分の1の円が基本で時計の6時の位置から9時の位置までの時計回り。この時の力加減としては自分の瞼で試してみて触れて気持ち良いと感じる程度の強さといえば分かり易いですね。

 

飼い主さんと猫ちゃんの絆を深める

マッサージを通して仲間意識が強まるとよく言います。マッサージには人間と猫との関係でも仲間意識を強めるという意味があるのです。ある調査によると猫が舌を使いお互いに舐め合う『アログルーミング』はほとんどの場合仲の良い個体同士が行う傾向にあるとの報告がされています。

またその際にはグルーミングされている方の猫はしている方の猫が動きやすいように首や頭の位置を微妙に調整してあげています。それは猫対猫のコミュニケーションであり飼い主さんと猫ちゃんの関係であれば飼い主さんが手で撫でてあげることでマッサージを受けている猫は飼い主さんを仲間として認識してくれているということになりますね。

その結果として人と動物の絆である『ヒューマンアニマルボンド』が強まるという効果が期待できると考えられる訳です。

その様な観点から言えば猫ちゃんへのマッサージでは勿論無理は絶対禁物!です。猫ちゃんが喜ぶ部分から徐々に慣らしていくのが大切です。特にマッサージを初めて行うときには無理強いはいけません。猫ちゃんに緊張感やプレッシャーを与えてはリラックスどころか逆効果のストレスをかけることになってしまいます。

猫ちゃんが触られると喜ぶ『お気に入り』の場所から慣らしていき撫でる面積と時間を徐々に増やしていくのがコツです。マッサージで一番重要なのは両者がリラックスした状態であること。静かで落ち着いた環境で大きくゆっくりとした呼吸でのんびりした時間帯に行います。

基本的に片手でマッサージしもう一方の手は猫ちゃんの脇腹や頭などに添え飼い主さんから優しい『気』を送ることで猫にも安心感を与えます。お互いがリラックスした雰囲気でおこなうことが一番大切です。とにかくソフトタッチで軽くもみほぐすのが基本です。

猫ちゃんの体調が悪いときにはお休みします。また特に力を入れていない、触っただけなのに痛がったりしこりや固まりがある場合は何らかの病気の可能性があるので無理にもみほぐしたりせず動物病院に相談して下さい。

 

血流を促進する

そもそもマッサージといえば全身を巡る血流を促進させるという効果があるのは広く知られていますね。それは猫にとっても同様です。猫にマッサージをする、体の表面を軽く撫でることで静脈血の流れが促され同時に体の深部を押すことで動脈血の流れも促されるのです。その結果として体の隅々にまで酸素がスムーズに運搬され逆に細胞で発生した老廃物を手際よく体外に排出出来るのです。

このように猫にマッサージをすると猫の血流促進と新陳代謝を活発にするという大きな効果があるので是非飼い主さんは猫ちゃんにマッサージをしてあげて欲しいものです。特に厳しい決まりもありませんので双方の負担にならない程度に日常生活に取り入れて下さい。

猫へのマッサージにかける時間にも明確なルールはありません。猫と飼い主さん、双方の集中力を考慮して5分~20分程度が妥当と言われます。当然猫からの「やめて!」サインが出れば速やかに中断が基本です。

例えば自発的に猫が飼い主さんから離れるのは「充分満足」のサインです。「デビルフェイス」と呼ばれる耳を横に広げて悪魔の角のように尖らせ瞳孔をまん丸に開いた顔も「もうやめて!」のサインです。そんなやんわりサインにも気付けない鈍感飼い主さんには突然手に軽く噛みついてくる「愛撫誘発性攻撃行動」とも呼ばれるやや強目の拒絶サインを出してきます。

逆に「もっとやって!」欲しいサインはのどをゴロゴロ鳴らしたり目を半開きにしてうっとり顔。撫でてほしい場所を押し付けてくる。しっぽの先をゆっくりと振るなどです。飼い主さんは決して独りよがりにならず猫にマッサージをする時には常に猫の一挙手一投足を注意深く見て行うのが重要なのです。

 

いかがですか。以上が猫をマッサージするといいことがある理由です。健康面・精神面共に良いのはお分かり頂けたと思いますが最後にひとつお話しておかなければなりません。それは、猫ちゃんがどんなに飼い主さんにマッサージをおねだりしても心を鬼にして中止を決める時もあるといういわゆるマッサージの禁忌です。その条件をお話します。

例えば猫が捻挫・肉離れ・急性炎症・ヘルニア・骨折などの怪我をしている時。炎症が治まっていない状態でマッサージを受けるのは逆効果になる危険性があります。痛みを紛らわせたいという思いが猫ちゃんや飼い主さんにあるかもしれませんが絶対だめです。

また熱がある場合、体内に入ってきた異物に対し免疫系が一生懸命に反応しているので人間で言えば風邪で熱っぽい時に体を触られるのが不快に感じるのと同様猫にとっても不快感が高まるからです。

食事の直後も血液が消化器系に集まり一生懸命に消化活動を行っている最中ですからせっかく内臓に集まった血液をまた筋肉に戻してしまうことになります。

激しい運動の直後もまだ筋肉や神経が興奮していてしばらくクールダウンが必要ですのでタイミングをみます。呼吸が落ち着き適度な疲労を感じた頃にマッサージするのが効果的です。

ガンを患っている猫ちゃんへのマッサージは要注意です。ガン細胞は血液やリンパ液に乗って体の中を巡ります。マッサージによって体液の流れを促すことでガン細胞の移動を早めてしまう危険性があるのです。

これら猫ちゃんの状態をしっかり把握した上で飼い主さんは可愛い猫ちゃんに正しいマッサージをして心身共に健康でいさせてあげて下さい。

 


まとめ


猫をマッサージするといいことたくさんな理由

・猫も体はこるのです!
・健康管理に役立つ!
・ツボを刺激して健康になる!
・飼い主さんと猫ちゃんの絆を深める
・血流を促進する


連記事