一緒に暮らす猫が病気せず、できるだけ長い間元気でいて欲しいと思うのは、猫を飼っていれば誰しもが願うことです。ですが、ただ願っているだけでは猫の病気を防ぐことはできません。猫の病気とは、偶発的に起こるものではなく、生活習慣や環境などの様々な要因が絡み合って発生します。飼い主は、猫からこれらの病気の要因を排除してあげる義務があります。あなたは、ちゃんと猫の病気を遠ざけるための配慮をしてあげているでしょうか。
猫の病気を防ぐ術はたくさんあり、面倒に思うかもしれませんが、逆に言えば、その全てを真摯に行えば、限りなく猫の病気のリスクを下げられるということになります。今回は、そんな様々な予防策から、特に気を付けたいことについてお伝えします。
猫が病気にかからないためにする
7つの予防策
予防接種を受けさせよう
猫を飼い始めたら、予防接種は必ず受けさせましょう。猫用のワクチンには3種混合~7種混合などありますが、一番一般的なのは3種混合ワクチンです。これは、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症の3つの病気に対するワクチンです。最低限、この3種だけは受けさせることをおすすめします。ただ、これらのワクチンは、病気にかからなくするためのものではなく、かかった時に症状が重症化しないようにするためのものですから、ワクチン接種したからと、安心しきってはいけません。
ストレスを与えないようにしよう
猫は、ストレスに弱い動物で、些細なことでもストレスを感じ、病気になってしまうことがあります。ですから、猫が嫌がるようなことを無意味に行ったり、頻繁に環境を変えたり、猫が慣れない人に触らせたりしないようにしましょう。人間の感覚で「ストレスくらい……」と思ってはいけません。猫は、ストレスによって血便を出したり、膀胱炎になったり、脱毛症になったりします。また、猫エイズなどに感染した場合、ストレスが発病のきっかけになることもあります。
外飼いはやめよう
猫がウイルス性の病気をもらってくる原因第一位は、外での野良猫との接触です。野良猫が持っている病気は、猫風邪などの軽い病気から、猫エイズなどの死に至る病気まで、実に様々。これらをもらってくる心配を排除すれば、猫の病気はかなり防げることになります。つまり、猫は外飼いでなく、完全室内飼いにした方が病気のリスクをぐっと下げられるのです。完全室内飼いにすることで、猫がストレスを溜めるのではと心配な人もいると思いますが、猫は室内でも運動できる環境であれば、ストレスは感じないようです。
人間の食べ物を与えないようにしよう
猫には、人間の食べ物を与えてはいけません。人間の食べ物の味を覚えた猫は、もれなく長生きできないとまで言われています。人間の食べ物は、猫にとっては塩分やミネラルが多すぎたり、ネギ類などの猫が中毒を起こすものが含まれていることが多いです。ですから、猫が欲しがるからと自分のおかずを分けてあげたりしては、病気の元になります。また、人間の食べ物を好むようになると、キャットフードを食べなくなるというリスクもあります。
ブラッシングをしよう
猫をこまめにブラッシングすることで、毛づくろいの時に飲み込む毛の量を減らすことができ、毛球症などの病気を防げます。年中抜け毛しやすい長毛種の猫はもちろん、あまり抜け毛しなさそうな短毛種の猫も、季節の変わり目にはかなり毛が抜けます。この抜け毛を飲み込む量を減らしてあげることで、毛玉による余計な便秘や血便などを防ぐことができます。猫とのスキンシップも兼ねて、こまめにブラッシングしてあげる習慣を付けましょう。
目やにや鼻水などをこまめにチェックしよう
普段から、飼い主自ら猫の健康チェックをするようにしましょう。一番見ておきたいのは、目やにと鼻水。目やには健康な猫でも出るものですが、猫クラミジアなどの病気になると、普段と様子の違う目やにが出ます。また、鼻水も、猫風邪の悪化やその他の病気の目安になるので、こまめに拭き取りながらみてあげるようにして下さい。軽い病気も、重い病気も、目やにや鼻水から始まるものが多いので、こまめなチェックは、病気の早期発見に繋がります。
健康診断を受けさせよう
猫も人間と同じく、定期的に健康診断することをおすすめします。基本的には、尿検査、検便、血液検査を行うことが多いです。病気がちな猫の場合は、MRIなどを撮ることもありますが、どんなメニューで行うかは、獣医さんと相談しましょう。頻度としては、病歴の無い若い猫なら年に1回程度、高齢猫なら半年に1回程度行うと良いでしょう。もちろんお金がかかりますが、病気が重くなってから高額にかかる治療費を考えれば、安いものです。
いかがでしたでしょうか。飼い主がしてやれることだけでも、こんなにたくさんの猫の病気の予防策があるのです。猫の病気は重くなってからではお金がかかりますし、何より猫が病気で苦しむ様を見たくはありませんよね。これらの予防策は、「やらなければ」と気負いして行うと飼い主にも大変なストレスになりますが、やって当然のことと受け止め、普段の生活に組み込んでしまえば、大した手間ではありません。お金がかかったり、出かけたりする必要があるのは予防接種と健康診断くらいのもので、それ以外は全て、普段の生活で少しずつ気を付ければ済むことばかりです。
どれも、猫が病気にならず、元気で過ごせると思えば重労働ではありません。猫の健康のために、ひと手間かけてお世話してあげましょう。
まとめ
猫が病気にかからないためにする7つの予防策とは
・予防接種を受けさせよう
・ストレスを与えないようにしよう
・外飼いはやめよう
・人間の食べ物を与えないようにしよう
・ブラッシングをしよう
・目やにや鼻水などをこまめにチェックしよう
・健康診断を受けさせよう