猫にも口内炎ってできるのか。以前我が家の猫も特に体調を崩してる訳でも無いはずなのに食事を嫌がった事がありました。あの食いしん坊さんがほとんどフードを口にしない・・・。食事を口にしないのですからだんだん体力も落ちて元気も無くなる。さすがに心配になりいつも与えるドライフードを水でふやかして柔らかくして食べさせたらやっと食べてくれた・・・なんて経験があります。
その時はなんらかのお口トラブルだろうとは思いましたがすぐには猫の『口内炎』とは考える事は出来ませんでした。でも今思えばあの頃の彼は可哀想に辛い『口内炎』に悩まされていたのかも知れませんね。わずかながらでも食事ができるようになると徐々に元気をとり戻し普段通りの彼に戻りました。もっと早く彼の異変に気付いてあげられれば・・・と今は深く反省しています。
人間でもとても辛い口内炎、言葉でその辛さを伝える事が出来ない猫達の苦痛は飼い主さんが気付いて正しく対処してあげなければいけませんよね。そしてそれが悪化すると猫にとってはとても危険な病気を発症する可能性があるという事を覚えておいてください。では口内炎から悪化してしまう病気についてお伝えします。
猫も口内炎ができる?
悪化すると危険な7つの病気
口臭の原因は口内環境の悪化、正しいケアを!
猫のお口トラブルの代表選手『歯周病』のサインは腐ったような強烈なにおい・ドライフードなど堅い食品が食べにくい・よだれが多い・歯が歯垢で黄ばんでいるなど。これらの症状を放っておくと歯垢が硬くなって歯石になり猫も『口内炎』やその他様々な病気の原因になります。
猫の口臭の原因としては歯周病の他に加齢・腎臓病・風邪・便秘・においの強い食事などもあげられます。
猫がかかりやすい病気としてあげられる腎臓病も息が尿のような匂いになるといわれます。食事量は変わらないのに飲む水の量が倍以上になるような状態なら腎臓病を疑います。つまり口臭が気になる時は病気発見の重要なサインとなりますので見逃すことなく気付いたら早急に動物病院に連れていく事が大切です。
歯石除去が重要
歯が汚れたら歯磨きすればいい!と簡単に考えがちですが実際には歯石がこびりついたままの状態で歯を磨いても決して効果的ではありません。まずは動物病院で歯石を除去するのが効果的。とは言え猫の歯石除去には麻酔が必須となります。実は麻酔は猫の身体には負担になることをご存知ですか?
幼少な猫は勿論、老猫にとっては時として大切な命までも脅かす行為となる事だってあるのです。つまり大切な猫を口内炎にしないためには口内環境を整える日頃からのケアがとても重要なのです。それでも溜まってしまう歯石を除去する必要があるのなら猫の健康状態が良好である時を見極めて実施するのが大事です。
猫の口内炎『歯槽膿漏』『歯肉炎』には『抗生物質』や『栄養剤』
口内環境が整ったら次は絶対に悪化しないように予防策を講じるという事が大切になって来る訳です。口内環境の為の歯磨きの重要性は今更いうまでもありませんがそれでもなかなか猫に歯磨きをする飼い主さんは少ないものです。それは犬に比べて猫は歯磨きという行為自体を嫌う子がとても多いからです。ですから猫に歯磨きなんて必要なの?という疑問を持つ方も多いはず。
そんな歯磨き嫌いの猫を口内炎にしない為には『歯石除去ドライフード』『マウスケア』『液体ハミガキ』などを活用する事をお勧めします。また口内環境の悪化は大切な猫を『口内炎』『歯槽膿漏』『歯肉炎』にする可能性もあります。更に餌を食べる度にそれらの菌が体全体に運ばれ『心内膜炎』『膿胸』『腎臓病』など生命にかかわる病気に発展する心配もあるのです。
猫の口内炎の治療法は口腔内の消毒によって常に清潔に保つことと細菌を抗生物質でコントロールしたり炎症を抑えることです。しかし口腔内の癌である場合には切除する必要もあります。副腎皮質ステロイドは少ない量の内服や1カ月以上あけるのであれば副作用の心配もない。しかし慢性化したものにはかなり治療は困難です。故に予防と早期発見が非常に重要です。
子猫の頃から歯磨きなど積極的に行い口の中の消毒やケアに慣らしておく事が予防・早期発見にも役立ちます。また食事内容も日頃から歯石のつきにくいものを摂る努力や配慮が必要です。
ウイルス感染や『腎不全』『糖尿病』など重篤な病気のサイン
人間の場合口内炎はよくあることと捉えられがちですが猫の口内炎は決してそうではありません。多くの場合、猫が口内炎を発症していると他の重大な病気である場合が多く、例えば『ウイルス感染』や『腎不全』『糖尿病』などが疑われます。
『猫免疫不全ウイルス感染症』
免疫機能の低下を引き起こす病気で感染した猫との喧嘩による噛み傷や交尾によって感染するものです。感染した最初の数ヶ月は風邪や下痢などの軽い感染症状でその後発症に至るまでは目立った症状が出ないのが特徴。「猫のエイズ」とも呼ばれて感染しても発症しないことがありますが約50%に口内炎や歯肉炎が見られその他貧血、慢性の鼻炎や腸炎、結膜炎などもあります。
免疫機能低下と共に口内炎・病気や怪我が治りにくかったり体重の減少・下痢・肺・、リンパ節の腫れなど様々な症状がみられます。この病気にかかってしまうと悲しい事に最終的には死に至る病気です。
『猫カリシウイルス感染症』
猫伝染性鼻気管炎のような症状で発熱・くしゃみ・鼻水・目やに・よだれと共に口内炎ができるのが特徴の呼吸器感染症です。重度になると痛みを伴い食物を食べられなくなることもあります。冬に多く見られ感染猫との直接接触・くしゃみ、咳など飛沫感染。人間を経由する間接感染が主な感染経路です。
症状が回復した後も咽喉頭粘膜に持続的に存在し無症状で数週から数ヶ月~一生唾液中にウイルスを断続的に排出。無症状の猫でも感染源になる可能性があります。 感染後1~3日で発熱・元気消失・鼻炎・結膜炎などが起きて舌や口の粘膜に口内炎が見られることも多く肺炎や跛行などを併発するケースもあります。
単独で感染するというより多くの場合、猫ウイルス性鼻気管炎と混合感染するのが特徴です。
『猫白血病ウイルス感染症』
ウイルス感染による免疫力の低下・病気や傷が治りにくい・下痢が続く・歯ぐきが白い・痩せた・元気や食欲がない等症状は様々。リンパ肉腫・白血病などの腫瘍性疾患をはじめ、貧血、白血球の減少などの骨髄機能の低下、腎炎、慢性口内炎、免疫不全のため他の感染症を併発する。残念ながら根本的な治療法はなく若い猫が感染すると数年で死亡する危険性があるおそろしい病気。
感染猫の唾液中には多量のウイルスが含まれ猫同士の毛づくろいや同じ食器を使うことで感染。感染した母猫から生まれた子猫にも感染する病気です。
いかがですか。以上が猫も口内炎ができる?悪化すると危険な7つの病気です。猫の口内炎は意外な事に重篤な病気のサインである事がおわかりいただけましたね。猫が口内炎になるとよだれに血が混じる・口が痛いがために口周りのグルーミングを嫌がる・その結果常に顔が汚れている、これら分かり易い3つの症状が見られます。
猫の口内炎が疑われる場合、獣医師に診て貰うとFIVやFeLVの検査をします。また、好酸球性肉芽腫群や悪性腫瘍の診断に組織をとり病理診断を行う事もあります。人間にとっての「たかが口内炎」・・・しかし猫にとっては健康上とても重要な意味を持つ「口内炎」であることがよくお分かり頂けたはずです。大切な家族の一大事、飼い主さんは決して見落とす事無くいち早く見つけ出して正しく対処してあげて下さいね。
まとめ
猫も口内炎ができる?悪化すると危険な7つの病気・口臭の原因は口内環境の悪化、正しいケアを!
・歯石除去が重要
・猫の口内炎『歯槽膿漏』『歯肉炎』には『抗生物質』や『栄養剤』
・ウイルス感染や『腎不全』『糖尿病』など重篤な病気のサイン
・『猫免疫不全ウイルス感染症』
・『猫カリシウイルス感染症』
・『猫白血病ウイルス感染症』