猫の年齢を知るときにしっておくべき基本事項

猫を飼っていると「お宅の猫ちゃんの猫の年齢は?」ってよく聞かれますが「○年目です」と答えるものの実際には人間に換算した歳もお伝えした方が実感湧くんじゃないのかな~と思って後から反省することも多いものです。猫はいつまでも可愛くてもうすぐ我が家に来て10年になる人間でいったら結構ご高齢の子に対してもつい子供に接するのと同じようにしてしまってから「ちょっと待てよ。ひょっとしたら私よりお年寄りなのかも…」なんて思うことも多くなりました。

大切な我が家の一員である猫ちゃん達の年齢を人間の年齢に換算してみたりその年齢に応じた一般的な成長過程をしっておくことは飼い主さんにとって大切なことです。そんな猫の年齢を知るときにしっておくべき基本事項についてお伝えします。

 


猫の年齢を知るときに
しっておくべき基本事項

 

生後1年を過ぎれば立派な大人の猫

猫の年齢を人間の年齢に換算してみるとどんなことがわかるのか。生まれた時は当然人間と同じ0歳です。しかしそこから1年の間で猫は劇的に歳を重ねていきます。例えば1週間で人間の生後1カ月に値し2週間で生後3カ月、3週間で6カ月、1カ月経つと1歳の赤ちゃんと同じ年齢に達するのです。2カ月で3歳、3カ月で5歳、6カ月で9歳、9カ月で13歳、なんと1年で人間の15~17歳に相当するのだという興味深い報告を見つけました。

その後は少し緩やかになって

1年半で20歳。2年で24歳、3年で28歳、4年で32歳、5年で36歳、6年で49歳、7年で44歳、8年で48歳、9年で52歳、10年で56歳。11年で60歳、12年で64歳、13年で68歳、14年で72歳、15年で76歳、16年で80歳と1年ごとに4歳年をとると考えられるのです。

一般的な寿命が10~16年ということですから80歳以上、つまり16年以上生きられればご長寿猫さんと呼べるのかも知れませんね。

我が家の4匹の猫の中で最年長は11年に突入した60歳のエジプシャンマウ風メス猫モモちゃん。次が9年目の52歳のメインク―ン風オス猫カカちゃん、7年目44歳の生粋のペルシャオス猫ココちゃん、末っ子の黒猫ササちゃんは5年目の36歳。我が家の可愛い子達と思っていたらなんと上の子達は飼い主の年をはるかに越していたんですね。どうりで長女のモモちゃん、この頃ちょっと行動があやしい時があるわけです。労わってあげないといけませんね。

因みにこのような換算年齢はあくまでも目安で品種や生活環境・個体差により違いがありますので「一般的に」という文言を付け加えておきます。

 

猫の年齢と成長過程

猫の年齢を人間の年齢に換算してみてわかるように猫ちゃん達は最初の1年でめまぐるしく成長するのです。生まれた時は体重が100~120グラムで1日のほとんどを寝て過ごします。目も開いておらず排泄も自力では出来ないので母猫に促して貰うんです。1週間で体重は200~250グラムほどに増え目が開いてきてやっとあの子猫特有の可愛い表情になってきます。目が見えて来て周囲の様子がわかるようになるのは2週間経った頃ですね。その頃には耳が立ちよちよち歩きが始まります。

3週間目からは一気に成長が進み体重も300~400グラムになり歯も生え離乳食が始まります。自力で排便が出来るようになり爪を引っ込めることもできるようになって兄弟猫がいる場合一緒に活発な遊びが始まります。

猫の年齢が人間で言えば1歳である1カ月頃になれば体重も約400~500グラムになって猫特有の喉を鳴らすことが出来るようになります。この行動って猫なら当たり前に生まれた途端出来るのかと思っていたら出来る時期もあり上手な子・下手な子がいるんですよ。ちょっと意外じゃありませんか?感情を表せるようになりそろそろ乳離れの時期です。トイレトレーニングも本格的になり第1回目の駆虫を行い様々な病気に対する注意も必要になってきます。

2カ月には体重は約950~1000グラムでこのころに目の色がそれぞれの色に変わるのが特徴です。乳歯も生え揃い母猫が授乳を嫌がりいなされる様子が見られます。仔猫用フードに切り替えてみます。社会性や狩りを学ぶ時期でもあります。トイレトレーニングが完成していれば里親にあげるお考えがあるならそろそろ考えてもよい頃になります。最初のワクチン接種もこのころが最適です。

3カ月、とても活発に活動するようになり乳歯が抜けて永久歯が生え揃います。被毛が生え変わり顔つきも一人前になります。この頃から去勢・避妊手術を受けられるようになります。9カ月、メスの初めての発情が早まる時期です(早ければ7~8ヶ月で発情するケースも)。1年で体重は約3.5~4.5グラムほどになり成猫の大きさになります。門歯が減り始め成猫用フードに切り替えの時期です。オスは交尾、メスは妊娠が可能になります。一気に大人ですね。

猫の年齢が5年位になると人間で言えば36歳、猫は人生の折り返し地点に差し掛かります。少しづつ運動能力が低下してきて犬歯が衰え始め歯が丸くなり始めるのもこのころです。口の周りに白いヒゲが生えてくることもあります。そろそろ肥満や腎不全など健康面に不安が出て来ることもありますので配慮が必要になります。7年を過ぎた頃からは老猫(シニア)用フードに切り替えると安心です。

猫の年齢が平均寿命を過ぎるころになると猫も人間の老化と同様に何度もエサの催促をしたりトイレの失敗を繰り返したりやたらうるさく鳴いたり夜中に徘徊したりするなどいわゆるボケの症状が出ることもあります。我が家の長女は最近ちょっとそんな感じです。

 

猫の寿命

猫の年齢を見ていく上でどうしても避けて通れないのが『寿命』です。そんな日が来るのが今から嫌でしょうがないという飼い主さんがほとんどですよね。私も子供の頃、猫や犬などペットが欲しくて駄々をこねた経験がありましたが父や母からは「命があるものは必ず別れの時が来る、そんな時が辛くて嫌だからペットは飼わない」と言われ続けてきました。

飼い主である人間とペットである猫、大切な家族であるのは間違いないのですがどうしたってその命の最後を看取ってあげなければいけないのは飼い主さんの役割です。一般的に猫の寿命は10~16年と言われていますが近年では室内飼いが多くなったことや健康管理の意識が高くなった理由から15年を超えて元気に生きている長生きする猫も珍しくなくなりました。なかには猫の年齢が20年以上という長寿猫もいる程です。

しかしそれは人間の管理下にある猫の話で野良猫といわれるいわゆる地域猫の場合には平均寿命は4~5年ととても短くなります。その主な理由は事故や怪我・病気など様々です。また全般的にオス猫よりメス猫の方が長生きする傾向にあるといいます。

因みに日本では18年以上生きるご長寿猫も多数存在し最も長生きした猫は青森の「よも子」という猫で36年半も生きたという記録が残っています。一方世界に目を向けると最長寿猫として知られているのはイギリスのプスとう36歳の猫。ギネスブックで公式記録になっているのは「34年2ヶ月4時間」のグランパという猫です。猫の年齢は21年で人間年齢に換算すれば100歳というわけですからそんなご長寿猫たちは私達の想像を超えていますよね。

 

いかがですか。以上が猫の年齢を知るときにしっておくべき基本事項です。猫の年齢を知ればおのずと日常生活の中で注意すべきことも見えて来るものです。どんなに可愛い家族であってもいわゆる「猫っ可愛がり」は決して猫にとっては良いことばかりではありません。しつけが可哀想だとか避妊や去勢は自然ではないとか食べたいものはなんでも食べさせてあげるのが愛情だとか…

そうすることが猫にとっての幸せなのかそれとも様々な面でしっかりと管理し穏やかに一日でも長く共に暮らすのが幸せなのか、それはそれぞれのご家庭の猫と飼い主さんの信頼関係の形です。言葉を話せない猫の幸せは飼い主さんのさじ加減ひとつなのです。これを機会に私も我が家の猫達との関わり方を今一度見直してみようと心から思いました。

 


まとめ


猫の年齢を知るときにしっておくべき基本事項

・生後1年を過ぎれば立派な大人の猫
・猫の年齢と成長過程
・猫の寿命


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