この記事を読んでいる方は、きっとモモンガをペットにしたいという気持ちが少なからずありますよね。小さい体に愛くるしい大きな瞳、小さな手足にふわふわの毛並みと長い尻尾。
手足についたグライダーをつかい、自分の肩にとまってしがみついてくる姿を想像してみてください。モモンガは自分だけの特別な愛らしいペットだと感じられることができるでしょう。
最近はホームセンターの中にあるペットショップでもよく見かけることができるようになり、お家に迎えやすいモモンガは、飼い主も増えてきて、ペット界でも注目を集める存在になっています。
そこで今日はそんなモモンガをペットとしてお迎えし、モモンガと一緒に仲良く暮らすための注意点についてお伝えします。
モモンガの種類
現在ペットショップで扱われている多くのモモンガは「フクロモモンガ」と「アメリカモモンガ」の二種類になります。自分に合ったモモンガをペットに選びましょう。
【フクロモモンガ】
全体的に薄いグレーの毛色、頭から細長い尾にかけて黒い縞があり、その尾は自分の体より大きめな個体が多いのが特徴で、小さなサルのような外見です。
その名前の通り、メスにはお腹に赤ちゃんを入れるための袋がついています。尻尾を入れないで13-15cm程に成長します。寂しがりやで人懐こく、甘えん坊な性格の子が多いようです。
【アメリカモモンガ】
全体的に薄い茶系の毛色で、お腹は白毛が特徴です。一見リスのような外見で、尻尾はふさふさしています。大人になるとこちらも尻尾を入れず、13cm程の大きに成長します。
精神的に強い性格のため、警戒心が強く、赤ちゃんから慣れさせないとなかなか心を開いてくれないようですが、比較的飼いやすい個体が多いようです。
モモンガの生態
モモンガと言えば夜行性。夕方から夜にかけて活発に動き回り、朝方から昼間は眠っていることが多いです。野生では樹洞の狭い場所に住み、フクロモモンガの大概は数匹の群れで生活しています。
アメリカモモンガは暑さに弱く、フクロモモンガは寒さに弱いので、部屋の気温は20度〜23度程度を保てるようにしましょう。
手と足の付け根についた飛膜で滑空し、敵からの逃避や餌探しで木から木へ飛び移り、移動します。このことからできるだけ飼い主さんは、モモンガのストレスにならないよう、モモンガの起床時間に合わせたお世話や、住処作りを心がけましょう。
モモンガの習性
モモンガは鳴きます。威嚇や警戒の為に鳴くことがありますが、フクロモモンガには甘えるときの鳴き声もあります。
アメリカモモンガの場合は比較的大人しく、チチチと鳴く程度ですが、フクロモモンガはアウアウと大きな声で鳴くので、周りに注意が必要です。動物ですから、動物特有の匂いもあります。
尿などもありますが、頭等からも臭腺があり、これは縄張りを示すためと言われています。その為、ある程度の匂いについては覚悟した方がいいでしょう。そして、モモンガの為にも、自分たちの生活の為にも、清潔な環境を維持できるよう、ケージの掃除はこまめに行いましょう。
モモンガを飼育するために必要なもの
モモンガを飼育するのに揃えておくものは、高さの充分にあるリスや鳥用のケージ、とまり木、巣箱(ハンモック)、給水器、餌入れ(モモンガがわざわざ地面に降りなくていいよう、ステージといわれる仕切りのようなものをケージに設置し、その上に餌入れを置くのが好ましいです)、ケージ下に敷くおが屑か新聞紙が最低限必要になります。
モモンガは決まった場所で用を足すことはあまりないので、用がケージ外に飛び散る可能性があります。なので、ケージの周りにペットシートを敷いておくと、汚れが防げて良いでしょう。
モモンガの餌
フクロモモンガは柔らかい食べ物を好みます。りんごやみかんなどの果物や、きゃべつやにんじん、サツマイモなどの水分の多すぎない野菜をお腹を壊さないように気をつけて与えましょう。
野生のフクロモモンガは花の蜜も吸うのが大好きなので、昆虫用のゼリーや蜜もおやつにあげると喜んで食べます。アメリカモモンガもフクロモモンガ同様、柔らかい食べ物も食べますが、リスに近いため、硬い穀物も食べます。
なのでリスやハムスター用のペットフードも与えられます。また、栄養補給としてミリワームを時々与えるのも良いでしょう。
病院の確認
またモモンガをペットに迎え入れる前に、必ずモモンガを診てもらえる病院を探しておくことをお勧めします。動物病院のホームページなどに全動物をOKと表記していたとしても、モモンガは専門外だと言われてしまうこともあり得ます。
もしモモンガがなんらかの病気や怪我をしたときに、直ぐに病院で診て貰えない場合、小動物で弱い生き物ですので、命に関わる可能性は避けられません。なので必ずモモンガを診て、適切な処置をしてくれる病院を、飼育する前から探しておくことをお勧めします。
モモンガをペットに迎えよう
モモンガをペットに迎えるため、色々なことを伝えてきましたが、モモンガをペットに迎えるということは、モモンガの一生をお世話し、モモンガとずっと暮らすということ、モモンガを家族として愛するということです。
「かわいいから、癒されるから」その理由で動物をペットとして迎え入れるということは、その子を迎え入れる前から、その動物を愛せる素質があるということですから、大切なことだと言えます。
しかし、あなたの迎え入れたいモモンガも、人間と同じく性格や個性は様々です。イメージと違うから、情報と違うからといって、あたなに出会うために産まれてきたその大切な命や存在を軽々と投げ出して、捨ててしまうことは絶対にしないで下さいね。
それを充分踏まえて覚悟ができたのなら、あなたは自分のペットとなるモモンガと、素敵な日々を送れることができるでしょう。
いかがでしょう。愛らしいだけでない、モモンガの意外な一面や魅力をよく理解して頂けた事と思います。ペットとして普及され始めてきたばかりで、すこし珍しい動物ですが、モモンガの気持ちや生体をよく理解し、一緒に上手く生活ができたのなら、猫や犬などのメジャーな動物と同じくらい、モモンガも人間と相性の良い家族の一員になることは間違いありません。
また愛らしいモモンガにも愛される飼い主になるために、日々の生体をよく観察し、モモンガの体の変化やしぐさを把握し、だれも知らないような、更なるモモンガの魅力の発見も見逃せませんし、あなたとモモンガがこれから積み上げてゆく、素敵な絆の築き上げも、大変だからこそとても楽しみなものになりますね。
まとめ
モモンガをペットにするなら
・自分に合ったモモンガの種類を選ぶ
・モモンガの生体に合わせた適切な環境づくり
・鳴き声や独特な匂いには気をつける
・モモンガを育成するための必要品を揃える
・そのモモンガに合った適切な餌を用意する
・モモンガを診察してくれる動物病院を探しておく
・モモンガの生涯を最後まで責任を持ってお世話する