カブトムシの飼い方で知っておきたい7つの事

カブトムシの飼い方で知っておきたい7つの事
かつては夏になると、早朝や夜などに虫カゴと虫とりアミを持った男の子達が採集に夢中になったカブトムシ(甲虫、兜虫)。

正式名コウチュウ目(鞘翅目)・コガネムシ科・カブトムシ亜科・真性カブトムシ族に分類される昆虫の種の標準和名です。大型の甲虫で、成虫は夏に発生し、和名「カブトムシ」の由来は、頭部によく発達した大きな角が日本の兜のように見えることによるとされています。2大甲虫、あなたはカブトムシ派かクワガタ派か?

こんなアンケートもよく目にしますね。最近では、ペットショップやデパートなどで購入するものと思っている子供達も多いのではないでしょうか。今日ハカブトムシを飼う上で知っておきたい7つのお話しをします。

 


カブトムシの飼い方で
知っておきたい7つの事

 

 

飼育ケース、意外とおすすめなのは小型のコンテナ

水そう、またはコンテナ、衣装ケースを飼育ケースにしましょう。発砲スチロールを使用する人も多い様ですが、実は発泡スチロールの様な柔らかい素材では♀が破ってしまうことがあるので絶対に使用しない事です。

カブトムシの行動範囲は案外広いものです。水そうは大きければ大きいほど良いと言えます。横330mm×縦190mm×高さ210mmサイズの水そう(乾燥しやすいのが欠点)が適当でしょう。

衣装ケースは大きい割に値段が安いという意味では、スペースさえ許すのであれば、お勧めです。

 

マット、一番良いのは園芸用の腐葉土

安価で手軽に手に入り、トラブルが少ない園芸用の腐葉土(ホームセンターの園芸コーナーにある殺虫剤等を含まない落ち葉100%の物を選ぶ)は、落葉や枝がそのままの形で入っています。

成虫飼育用や、卵~初齢には「ふるい」にかけて使用します。卵から孵化した初齢幼虫は粒子が粗いと分解できないのです。「ふるい」にかけた腐葉土ならばパウダー状になり初齢幼虫でも分解することが可能になる為、望ましいと言えます。

ホームセンターで販売しているクヌギマットは成虫には問題はないのですが、卵や幼虫には合わない場合があるので注意しましょう。

また、一般に売られているクヌギマットは、どちらかというとクワガタ用で、粗い粒子で分解も進んでいない為、カブトムシの弱齢幼虫には合いません。発酵が完全に終わっていないものも多くガス(二酸化炭素)が発生し、幼虫は苦しさのあまり地上に出てきてしまい、食事が出来なくなり、やがて死んでしまうのです。

また、蛹になる直前であれば蛹室を作れず地上で蛹になってしまい、マットの上に寝転んだ状態で羽化する事になり、羽化不全になってしまいます。

その様な理由から腐葉土か、完全に発酵が終わった微粒子マット(クワガタ専門店のものがお勧め)を用意してあげて下さい。

前年に卵から成虫までの飼育に成功していたならば幼虫が食べた腐葉土を捨てないで成虫飼育用マットに使います。分解され土状になった腐葉土は、初齢幼虫にとって最適のマットです。厚さ10cm程敷き詰め、適度な湿気(手で握るとだんご状に固まる程度 )をもたせましょう。

マットは成虫にとっては昼間もぐって休む場所であり、卵からふ化した幼虫にとってはえさとして大変重要な役割があります。

 

えさ、昆虫ゼリーかバナナ

実際にカブトムシを育てた事がない人や、その昔、カブトムシやクワガタなど当たり前に採れていた時代の人達はスイカやきゅうりなどを餌にするのが一番だと思っている人も少なくはないでしょう。

しかし実は、スイカ、メロン、きゅうりなどは水分が多すぎてカブトムシに食べさせると下痢をして弱ってしまうと言う事がわかりました。確かに野外で自然の中に暮らしているカブトムシはクヌギなどの樹液が主食です。

樹液はタンパク質と糖分が多く栄養タップリです。そして、夜行性の生き物ですから、餌は毎日夕方に取り換えてあげる事が大切です。

 

ビニールか新聞紙を用意しましょう

ビニール、または新聞紙を用意し、フタとケースの間にはさみます。ビニールの場合は蒸れを防ぐため5mm程度の穴をあけましょう(ケースの大きさに合う空気穴の数)。

これは、乾燥を防ぎ適度な湿気を保つためで、毎日の霧吹きの手間も省けます。実は、毎日の水分補給はマットの表面はちょうど良い湿り具合に見えますが、底に水がたまり水分過多になっている恐れもありますので要注意です。ダニやカビの発生もしやすくなりますので環境は決して良くないのです。

むしろ多少の乾燥位は、カブトムシの成虫にも幼虫にも大きな問題では無いようです。

 

注意したい5カ条

(1)直射日光と雨が当たらない涼しい場所

(2)アリなど他の昆虫が入ってこない場所

(3)1つのケースにオス1匹、メス1~2匹で飼う

(4)カブトムシは夜行性で昼間はほとんどもぐっているので観察は夜間

(5)ダニや線虫(2~10mmぐらいの糸のような生き物)が大量発生した場合(命には別状ないが)は歯ブラシを使用しカブトムシの体を洗い、マットも全て取り換え、小物は直射日光で半日干し、日光消毒

 

オスメスつがいで飼ってみよう

カブトムシをオスメスいっしょに飼育するとかなりの確率で交尾をし、卵を産みます。♀が数日間、一日中マットにもぐっている時期がありますので、その時は産卵している可能性が極めて高いと考えて良いでしょう。

3mmぐらいの白く丸いものがあればそれは卵ですので、すかさず成虫を別のケースに移しましょう。なぜなら成虫がマットにもぐった際に卵を傷つけてしまうかもしれませんから。♀はおしりから卵管を出して卵室を作り、1個ずつ産卵します。間違っても直接卵を指でつまむことはやめましょう。

卵は柔らかく、簡単につぶれてしまいますので、出来る事なら孵化するまでは、いじらない方が賢明です。半月程経った所で新聞紙などにマットごと広げ、そっと確認してみて下さい。

産卵直後3㎜程だった卵は孵化直前には直径5㎜程に大きくなり、5mmぐらいの小さい幼虫として生まれてきます。

 

止まり木・えさ台・広葉樹の枝、葉を用意しましょう

止まり木は広葉樹の木が良いでしょう。ホームセンターで購入するか野外で拾うと良いでしょう。えさ台は、ホームセンターで販売しているプラスチック等で出来た昆虫ゼリーがピッタリ入る専用の物が便利です。

広葉樹の枝や葉っぱは、決して必須ではありませんが、カブトムシが活動中ひっくり返ると起き上がるのは一苦労です。そのままにしておくと弱ってしまいますので、自力で戻る為のアイテムとしていれてあげる事が親切でしょう。

 

いかがですか。以上がカブトムシの飼い方で知っておきたい7つの事です。基本的にカブトムシが成虫でいる期間は2~3ヶ月ほどといわれています。初夏にサナギから成虫となり子供達を夢中にさせたカブトムシは、夏の終わりや暑さ和らぐ秋の初め頃には死んでしまうのです。実に淋しい感じです。

しかし、実を言うと、それは自然界でのお話で、家庭で飼育ケースを使い、環境を整え、上手に飼う事ができたなら、秋~秋の終わりぐらいまでは長生きさせる事も可能です。

温度や湿度の管理もされていて快適な環境が提供されている上に、エサに困る事もない、何よりカラスや野鳥などの外敵に襲われる心配もないのですから。

大きなカブトムシは憧れの的ですが、実はカブトムシの成虫は、どんなにエサを食べても大きく成長する事はないのです。何故ならカブトムシの体の大きさは幼虫からサナギになった時点で、ほぼ決まってしまうのだそうです。

つまり、幼虫時代に良い環境、栄養を摂って基本の体を作る事が大切という事ですね。

 


まとめ


カブトムシの飼い方で知っておきたい7つの事

・飼育ケース、意外とおすすめなのは小型のコンテナ
・マット、一番良いのは園芸用の腐葉土.
・えさ、昆虫ゼリーかバナナ
・ビニールか新聞紙を用意しましょう
・注意したい5カ条
・オスメスつがいで飼ってみよう
・止まり木・えさ台・広葉樹の枝、葉を用意しましょう


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