昆虫のなかでも闘争力がひときわ強い甲虫であるカブトムシは、日本に古くから生息する夏の風物詩です。「昆虫の王様」という呼び名にふさわしいツヤツヤ光る立派な角は、見ているだけで思わずわくわくしてしまいますね。
そんなカブトムシは、子供でも比較的簡単につかまえることができ、おうちでも飼育しやすいのが魅力。
観察対象としても興味深い生態をもっていますので、自由研究の題材にしてみてはいかがでしょうか?今回は、カブトムシのお飼い方の基本と自由研究にまとめるためのコツを7つのポイントに分けてご紹介します。
カブトムシの飼い方を知って
自由研究に生かす7つの方法
野性に近いケースづくりをこころがける
カブトムシを飼うためのケースは、広めでふたつきのものを用意します。
底には樹木を発酵させたカブトムシ用のマットをしいて、直射日光のあたらない場所に置きましょう。カブトムシが自由にのぼれる木の棒があるとさらにいいでしょう。
木を置くのは、樹木の上で生活する野性のカブトムシの環境を再現するため。マットをしくのは、地中にもぐって休む性質のためです。自由研究でまとめるときには、そのような野性のカブトムシの生態を説明しつつ、イラストや写真つきで作ったケースの紹介をするとよいでしょう。
新鮮で栄養のあるえさを与えよう
えさは、カブトムシの体にあわせて栄養バランスがとられた昆虫ゼリーをあたえます。スイカなどもあげていいですが、ほぼ水分しかないのでオヤツ程度にして、ちゃんと栄養のあるえさをメインに与えてくださいね。
とくに夏は生ものが腐りやすいので、カブトムシがお腹をこわさないようにかならず新鮮なえさをあたえ、食べ残ったカスなどはすぐにケースから出して捨てるようにしましょう。
オス同士の共飼いに注意しよう
カブトムシの場合、オス同士をひとつのケースにいれるのはNGです。オスは闘争本能やなわばり意識が強いので、ケンカしてしまいます。メスどうしの同居だと、オスほどの激しさはありませんがちょっとケンカするかもしれません。
何匹か同時に飼いたいときは、別々のケースに一匹ずついれましょう。研究するときには、オスとメスのちがいを観察して気づいたことをまとめるのもいいかもしれませんね。
害虫対策をしっかりとしよう
ケースが蒸し暑くなると、カブトムシの体にダニがつきやすくなります。ダニはカブトムシを弱らせてしまうので、なるべく涼しく通気性のいい場所にケースをおいて、あまりひどいようなら一度マットを全部捨てて乾燥したタイプのマットに変えましょう。
また、コバエがたかっているときはケースへの侵入をふせぐため専用のフィルターをとりつけます。腐ったえさがあるとコバエをおびきよせてしまうので、えさはこまめに捨てましょう。
適度な温度と湿度を保とう
カブトムシは夏の虫というイメージですが、じつは暑さに弱いので、ケースまわりの気温をいつも25℃ほどに保つようにしましょう。とくに直射日光があたるとケース内の温度がどんどん上がってしまうので、かならず日陰におくようにしてくださいね。
多湿はコバエ発生の原因になりますが、乾燥しすぎてもカブトムシは生きられないので、たまに霧吹きで湿り気を与えてあげましょう。
繁殖させてみよう
繁殖のようすを研究レポートしたい場合、オスとメスを同じケースに入れておけばほぼ確実に産卵が観察できます。カブトムシはマットにもぐりこんで卵をうむので、マットの深さが浅すぎないよう気をつけてくださいね。
卵が産みつけてあるのを見つけたら、そっとすくいあげて別のケースのマットのなかに埋めておき、そのまま孵化するのを待ちましょう。
寿命を受け入れるのも研究のうち
カブトムシの寿命は短く、だいたい夏休みが終わるころになると死んでしまいます。悲しいですが、命の終わりを見届けるのも研究のたいせつな一部です。
死んでしまったカブトムシは、お庭に埋めて土に還してあげましょう。マンションなどでお庭がないおうちの場合、ちょっと遠くの公園などにいって埋めてあげてください。死骸は土の栄養になって植物がそだつのを助けてくれます。
いかがでしたでしょうか。このように、カブトムシは一見とっても強くて丈夫に見えても意外と繊細な生き物なのです。おうちで飼うときには、ケースまわりの管理にいつも気を配るようにしてくださいね。
カブトムシのような飼育系の自由研究をするときのポイントは、「観察」と「気づき」です。カブトムシのうごきや習性をよーく見て、気づいたことを自分なりの言葉でまとめてみましょう。
さらに、写真や図などを効果的につかってみんなの目を引くようなわかりやすいまとめを作ることができれば、きっと素敵な自由研究ができあがりますよ☆
まとめ
カブトムシの飼い方を知って自由研究に生かす7つの方法
・野性に近いケースづくりをこころがける
・新鮮で栄養のあるえさを与えよう
・オス同士の共飼いに注意しよう
・害虫対策をしっかりとしよう
・適度な温度と湿度を保とう
・繁殖させてみよう
・寿命を受け入れるのも研究のうち