ハムスターといえば、とても人気のペットですよね。また、大掛かりな散歩も必要なければ、鳴き声や糞尿などで人に迷惑をかける事も無い、動物に癒しを求める飼い主さんにとっては、とても優れた動物です。
しかし、意外に知られていないのが、簡単に親しくはなれない、という事と、全く手間がかからないという訳にはいかないという事でしょう。
ハムスターのあの風貌から、まったりしていて飼育も特に難しくはないという印象を受けがちですが、実はそうでもないというのが正直な所なのです。では、ハムスターの飼い方を知れば気持ちが通じる?その方法について、お話しましょう。
ハムスターの飼い方を知れば気持ちが通じる?
その方法とは
おやつをあげましょう
ペット全般に言える事ですが、勿論、ハムスターも例外ではなく、最も喜ぶものは、「おやつ」でしょう。ハムスターと仲良くなるコツは、この「おやつ」を与える事と言っても過言ではありません。時にはお膝に乗せたりしながら、コミュニケーションの小道具として、上手に使い、楽しく食べさせましょう。しかし、いくら喜んでくれるからと言って、あげすぎには注意してください。
市販のハムスター専用のおやつにもバリエーションは豊富ですので、いくつか用意しておいて、その日の気分で選びながら与えると、ハムスターも飼い主さんも楽しめるでしょうね。
市販品のおやつ、穀類・ナッツや野菜以外にも、ドライフルーツも喜んでくれます。中でもパインやパパイヤはお美味しいのと同時に、成分にたんぱく質を溶かす効果があり、毛玉を防止し、健康維持にも役立つと言われています。
優しくなでたり、抱っこしてみましょう
ハムスターのお散歩タイムを利用して、充分人慣れした子とはスキンシップをとってみましょう。ハムスターは、あの癒し系な見かけとは違い、神経質だったり攻撃的だったり、気性が荒かったりする事もあります。
抱っこを許してくれない子も少なくはないようです。しかし、飼い主さんが放っておいてくれるのであれば、お膝やお腹に乗るのは好きで、そーっと乗って来てくれる事もある様です。
ハムスターは、意外に個性豊かですから一匹一匹に新しい発見があり、一言では言い尽くせない感情表現や行動を見せてくれます。まずは、よく観察して、我が家のハムスターの性格や個性を把握する事が大切です。
様々な個性がありますが、臆病だったり、慎重だったりするのがハムスターです。どんな子であっても気長に大らかに接する事が大切です。
世話の時間には配慮が必要です
ハムスターは夜行性です。故に普段の世話の時間は夕方以降、ハムスターが起きてからが良いでしょう。夏と冬とでは起床時間も違うので、その時間に合わせるのがベストです。
毎日、同じ時間に世話をするのであれば、ハムスターもその時間に合わせて寝起きする様になる事もあります。巣箱から出てくる時間や歩き方をよく見て、病気の兆候を見逃さないようにしましょう。
ケージを洗う場合には、昼以降にしましょう。乾かす為の時間への配慮も必要ですし、温度の下がった夜に寝床が使用出来ないなどは、生活や健康に問題が出るので、避けなければいけません。
ハムスターが寝ている間に、そっと世話をする様な事はやめましょう。就寝中に驚かせてしまうと、飼い主さんを敵と思ったり、または、知らない間に環境が変わる事で、見えない敵がいると思いこんでしまい不安になる可能性があるのです。
ペットとして飼われているハムスターにとって、人間と暮らす事が快適な暮らしであり、人間が自分の世話をしてくれる存在なのだと認識してもらう必要があります。
万が一、馴れていないとしても、起きている時間に世話をする事が大切です。人に馴れていない場合、巣箱から出てこない事もありますが、そのハムスターの活動時間であれば、巣箱の中で音や臭いで周囲の状況を観察しているので、巣箱から出てこなくても意味があるのです。
集団飼育(多頭飼い)は出来ません
ペットショップでは、ハムスターの赤ちゃん達は、一つのケースにかなりの数が入れられ皆仲よさそうに、くっついて生活している状態で販売されているのが普通ですので、家で飼うのにもそれで良いと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際ハムスターの習性は、とてもなわばり意識が強く、必ず単独飼育する必要があるのです。ですから、成長したハムスターなら、1匹に対し1つのケージが必要になるのです。
同じ親から生まれたメス同士なら、小さいときから一緒に飼えばあまりひどいケンカになる事は無い様ですが、過密飼育が原因で病気になったり、ストレスが溜まり長生きできないというケースも少なくありません。
また、オス同士であれば、一緒のケージに入れると、親兄弟関係なく確実に激しいケンカになります。また、ケージを分けて飼った場合でも、他の個体の臭いが気になり気が荒くなったりすることもあるのです。
鳴き声をしっかり聞きましょう
ハムスターは、ふだんはほとんどと言って良い位、鳴き声をあげる事はありません。例えば、寝言で『チュッチュッ』『チーチー』『チチッ』と声を出すことはたまにはありますが、それは意味のある鳴き声ではない事がほとんどです。
また、老化が進むと鳴き声をあげる場合があるとも言われます。では、ふだん鳴かないハムスターが鳴く時は、どの様な時で、どの様な意味があるのでしょうか。
例えば『ジージー』や『ジュッ』などと鳴いた時は、ハムスターが怒っていたり、嫌がったりしている場合に出す声なので、ハムスターをいきなり後ろからつかんだり、頭の上から手を出したりしてはいないでしょうか?ハムスターが驚いた時、こうした鳴き声を出すことがあるのです。この様な声はストレスを抱えているという合図だと捉えて、接し方に気をつけましょう。
滅多にある事ではありませんが、病気で鳴くこともあるのです。ストレスが貯まり過ぎていたり、肺炎を起こしていると『キューキュー』と鳴く事があります。様子がおかしい様であれば、獣医さんに診察してもらいましょう。
初心者にはゴールデンハムスターがオススメです
数種類のハムスターの中でも、ゴールデンは、なつきやすく、比較的身体も大きいので扱いやすく、体調の確認もしやすいでしょう。人間を噛むこともほとんどありません。また、飼育書等も豊富で、飼育に関する情報も多いでしょう。
ハムスターを診察できる病院も意外にありますので、病院探しも比較的簡単です。他のハムスターに比べて体が大きく、おとなしいという面では、診察しやすいというメリットもある様です。
比較的簡単に繁殖できる種類ではありますが、たくさん子供を産むうえ、多頭飼いができない種類のハムスターなので、子供が産まれ、全てを飼育し様とすると様々な問題に直面するでしょう。
臆病すぎず、頭も良いので、比較的なじみやすいでしょう。よほどのことがない限り、人を噛むことはありません。ゴールデンハムスターに噛まれるような飼い方をしている人は、ジャンガリアンハムスターであれば確実に噛まれると言っても過言では無い様です。
あまり食事の好き嫌いも言わず、体が大きいので他のハムスターに比べて、よく食べます。トイレのしつけも比較的簡単です。飼い主さんの思い通りの場所にしなくても、ハムスター自身の中では同じ場所をトイレとして決めている事が多いので、その場所にトイレを移動させてあげれば良いのです。故に、掃除等も比較的楽だと言えるでしょう。
馴染むまでのプロセスを楽しみましょう
とは言え、ハムスターは小動物ですので、臆病で物事に慎重なのは、仕方がありません。譲って貰ったり、購入して、家に来たその日から、餌を飼い主さんの手から取って食べたり、手のりしてくれるなんて事は不可能です。
時間をかけて、じっくりお付き合いしましょう。そのプロセスも大切なのです。決して、ハムスターに無理強いしたり、仲良くする事を強要したりする事のない様、注意して下さい。
1日目は、とにかくさわらないでそっとしておく事です。これまでと違った環境に置かれて、ハムスターの緊張は相当な物なはずです。ストレスに弱い生き物なので、特に配慮が必要です。エサもハムスターを入れる前に用意しておいてあげて下さい。
2~3日目は、少し新しい環境に慣れてきて、夜になるとケージの中を探検するようになるでしょう。そっと様子を見る程度にして、刺激しない様にしましょう。エサもハムスターが寝ている間にこっそりとあげる事が大切です。
4~6日目になれば、やっと、少しづつ関わっていきましょう。飼い主さんの声を覚えさせるため、やさしく声をかけながら指先でもったエサをあげてみましょう。ケージ越しにあげる事から始めましょう。この頃になると、やっとケージや環境にも慣れてくるので、人懐こい子で有れば、エサを受け取ってくれる事もあるかも知れません。
7日目になって、飼い主さんの手をこわがらなくなったら、指先で持って渡していたエサやオヤツを、手の平に変え、ハムスターに取らせるようにします。こうして飼い主さんの手の平にのれるように慣らしていくのです。
いかがですか。以上が、ハムスターの飼い方を知れば気持ちが通じる、その方法です。可愛いハムスターに癒しを求める飼い主さん達が多いのは事実です。当然、生き物ですから、全てが思い通りにはいきませんが、仲良くなれるために、しっかりプロセスをふんで関係を築き上げて行けば、ハムスターも飼い主さんの愛情にきっと答えてくれます。
我が家のハムスター達も、毎晩の残業続きで帰宅は家族が寝静まった頃という夫の「深夜の話し相手」になってくれ、夫も彼らに救われた様で、日々感謝していました。
ハムスターの楽しみであるお食事には、飼い主さんの愛情いっぱいの工夫をしてあげましょう。ハムスターにとっての食事とは、水分補給と食物繊維摂取と食欲を満たすことが目的です。そう考えると、フードの他にも、生の野菜や野草を与える事も大切でしょう。飼い主さんの中には、春には、タンポポやヘビイチゴを自然採取したりして与えてみたり、秋には皮付きの焼き芋を与えたりする人もいる様です。
あなたは、どんなサプライズでハムスターを喜ばせてあげますか?
まとめ
ハムスターの飼い方を知れば気持ちが通じる?その方法とは
・おやつをあげましょう
・優しくなでたり、抱っこしてみましょう
・世話の時間には配慮が必要です・
・集団飼育(多頭飼い)は出来ません
・鳴き声をしっかり聞きましょう
・初心者にはゴールデンハムスターがオススメです
・馴染むまでのプロセスを楽しみましょう