金魚は、上手に育てれば案外、長生きする生き物です。
しかも、体もかなり大きく成長しますので、犬や猫の様に直接的なコミュニケーションを取る事は、難しい印象があるかも知れませんが、それでも、慣れてくるとご飯の時間には、ガラス越しに寄ってきてくれたり、お腹が空いたとアピールして、ダンスをしたり、綺麗な尾をふわふわと動かして見せてくれたりするんですよ。
また、水槽の前で指を動かすとその動きに合わせ、水槽の中を楽しそうに動き回ったり。折角、縁あって我が家に来てくれた新しい家族と一日でも長く共に暮らせるように、何をすべきか考えてみましょう。
長寿にするための金魚の育て方気を付けたい7つの事
健康な金魚を購入しよう
勿論、ペットショップなどで購入したり、知人から譲っていただく際には、元気な金魚を選ぶ事が大切です。
それでも、病気にかかっていたり、寄生虫がついている可能性はあるのです。ですから、まずは金魚を3日ほどバケツ(10リットルのバケツに金魚2尾までが適当でしょう)で、管理することをお勧めします。
その期間に金魚の健康状態をチェックし把握しましょう。
また、購入の際に気を付けて見てみると良いポイントをいくつかご紹介しす。
群から離れて泳いでいる・体に傷がある ・泳ぎ方がおかしい・目が濁っている・痩せている・体に白や赤い点がある、白い糸の様な物がついている・体に透明の膨らみがある(寄生虫の可能性)などの様子が見られる個体は、絶対に避けましょう。
元気に泳ぎ回り、ヒレや鱗に傷みがなく、体に艶・輝きがあるものを選ぶ事が必須です。
まずは、「塩水浴」が効果的
家に持ち帰ったらまず「塩水浴」をすると良いそうです。
人間でいう点滴の役目があるそうで、ペットショップなどでは、専用の金魚用塩という商品も販売していますが、家で作る場合には、普通の塩(混じりけのないもの)でかまいません。それを0.2%の濃度になるようにバケツなどで水づくりをします。
そこに金魚を入れてあげれば良いそうです。また、これは、普段の飼育時の塩浴・薬浴時にも役立つという事で、心に留めておくと良いと思います。
また、どうしても、購入し直接水槽に移さなければいけない場合には、袋に入ったまま水槽に20~30分程浮かべ「水温あわせ」を必ずおこなってください。
※ちなみに0.2%の塩水とは10リットルの水の場合、塩20gが目安です。
カルキ抜きした水道水で金魚に適した水作りを徹底しよう
そもそも、金魚は水道水に含まれるカルキが、苦手です。水道水を汲み置きし、天日にあててカルキを抜くということもできますが、手間や準備に時間がかかる事を考えると、市販の「カルキ抜き」を用意しておいた方が便利でしょう。
金魚の飼育には井戸水や川の水を使用すれば絶対安心という考え方もあるでしょうが、実は、自然の水は、地方による水質の違いが有る事、井戸水の場合には水道水に比べ硬度が高かったり酸素含有量が少ない場合がある事、井戸水・川の水は低温のため、急激な温度変化に弱い金魚を入れる前には温度調節が必要である事など、やや難しい点もあるのです。
それならば、水道水であれば「カルキ抜き」さえしていれば、常に、ほぼ一定の環境を整えるという意味では、手軽で安心と言えるでしょう。
金魚の数に合った水槽選びを心がけよう
目安は「金魚1匹あたり10リットル」と言われます。基本的には、金魚1匹あたりの水量が多ければ多いほど、水質が悪化しにくくなるという理由から水量は多く、水槽も大きい方が望ましいのです。
市販の水槽セットなどで、エアーポンプ・濾過器などがセットになっているものが、個別で揃えるよりも安価である事、また、最適な物がセットアップされているという点でも安心でしょう。
エサのやり過ぎに注意しよう
エサを選ぶポイントは、まず「粒の大きさ」と「浮遊性or沈降性」です。粒の大きさは、金魚の口に入るサイズ(稚魚用・成魚用など)を選びましょう。
浮遊性というのは、ぷかぷか浮くもので、食べ残しの確認や取り除くのが簡単という特徴から初心者にお勧めです。ただし金魚が丸形金魚(出目金、ランチュウ、水泡眼など)の場合、エサを食べる事が上手ではないので、エサといっしょに空気をとりこんだ結果、ガス病になってしまうという心配がある為、沈降性のほうが良いと言えるでしょう。
そして、初心者に最も多い失敗がエサのやりすぎです!貴重なコミュニケーションタイムですから、つい、という気持ちも解らなくは無いのですが、エサを与えすぎる=食べ残しが水槽の底などに沈殿し、水槽内の水質の悪化を招く事が一番の問題です。
エサやりは、水槽に移してから2日後からです。
それと、注意して欲しいのが、バクテリアが繁殖する1ヶ月後までの、いわゆる「魔の期間」です。
この時期には、バクテリアが繁殖していないため、水質悪化しやすく、つまり、金魚が体調不良や病気、更には死んでしまう事が起こりやすい時期と言えます。ごく少量を1日~2日に1回与える位にして食べ残しが出ない様に気を付けましょう。
それと、金魚は消化器官が未熟なため、消化不良を起こしやすい生き物です。
消化不良にならない為に、違う水槽に移したり水替えをおこなう時など環境が変化する時、体調が悪そうな時には、エサやりを中止したり、量の調節をしましょう。
病気には、隔離→塩浴→薬浴
金魚は病気になると治療が大変困難です。金魚の様子の異変に気付いたら、まずは、とにかくその金魚を水槽から早く出しましょう。
もし病気なら他の金魚にうつしてしまう心配があるからです。その際にも、水温の変化が無い様に、気を付けましょう。
そして0.2%ほどの金魚用塩を入れた「塩浴」で様子を見ます。異変を早い段階で察知し、ちょっとした体調不良であるならばなら、ほとんどは「塩浴」で回復がみられるのですが、この際に守らなければならない事は、体調が戻るまで絶対にエサやりはしない事です。
また、それでも良くならない場合には、 唐辛子をお茶パックにいれた「薬浴」をさせましょう。この時、 念のため、本水槽にも唐辛子を入れておきましょう。
それでも改善されない場合には、ペットショップなどで、「薬浴」のための薬を購入する事をお勧めします。
金魚がかかりやすい病名と症状は、 えらぶたの付近に白い点が現れる「白点病」。 体をまっすぐにして泳げず、転覆してしまう「転覆病」。
尻尾やひれがぼろぼろになって、骨のようなものが露出してきたら要注意な「尾腐れ病」などがあります。
水質管理の要となる砂利を忘れないで
見た目に自然な雰囲気を演出する目的で砂利を、とお考えの方もあるでしょうが、実は水質を維持する上で、とても重要な役目を担っているのが砂利なのです。
水を綺麗にする役割として重要なバクテリアは、目に見えない細かな凸凹のある場所を好むため、水槽の底に敷かれた砂利は絶好の棲みかとなる訳です。
しかし、砂利には、金魚にとって不適切な水質にしてしまうものも全く無い訳ではなく、例えば極端に酸性やアルカリ性に傾けてしまうタイプのものもあり、中性から弱アルカリ性の水質を好む金魚にとっては、不適切なので、購入の際には十分特徴を知った上で選定しましょう。
いかがですか。金魚は起源を「フナ」とし、その改良種という事で、本来、フナに近い種は生命力が強く、改良が進んだ種ほど弱くなる傾向があると言われています。
今の季節ですと、お祭りで夜店の金魚すくいでゲットした小さな赤い金魚がいるご家庭も多いでしょうが、数日後には死んでしまい、子供たちに泣かれて、せっかくの夏祭りが悲しい想い出になってしまった、なんて事も少なくないでしょう。
そこで、試して欲しいのが、「塩水浴」と「軽い絶食」です。
あの金魚すくいで定番の「和金」、うまく育てれる事が出来れば、10~15年は普通に生きるそうです。
ちなみに、ギネス・ワールド・レコーズ(ギネスブック)では、金魚の最長寿記録は、イギリスの43歳が認定されているそうですので、是非、その記録に挑戦出来る位のご長寿金魚を育ててみてはどうでしょう。
まとめ
長寿にするための金魚の育て方気を付けたい7つの事
・健康な金魚を購入する
・まずは、「塩水浴」が効果的
・カルキ抜きした水道水で金魚に適した水作り
・金魚の数に合った水槽選び
・エサのやり過ぎに注意
・病気には、隔離→塩浴→薬浴
・水質管理の要となる砂利