チワワに起こりやすい病気ともしもの時の対処法

チワワに起こりやすい病気ともしもの時の対処法

チワワの魅力はなんと言ってもうるうるした大きな目。よく、「目が合ってしまって・・」と言う話を聞きますが、あの表情豊かな大きな目に見つめられてチワワに決めたという飼い主さんも多いことでしょう。

それと成犬でも約3kgがスタンダードサイズなので、狭いマンションでも楽勝で飼えるし、寒さにはじゃっかん弱いものの基本的には丈夫なこともチワワの人気の理由です。そんなチワワですが、小さいがゆえにかかりやすい病気もあります。そこで今回は、チワワに起こりやすい病気と症状、それにもしもの時の対処法も合わせてお伝えします。

変だなと感じたら油断しないで!適切な処置を心がけましょう。普段一緒に遊ぶ時やお手入れの際には健康チェックを一緒に行ってみてください。

 

チワワに起こりやすい病気と
もしもの時の対処法

 

低血糖症

小さいがゆえの病気、特に生後間もないチワワの子犬に起こりやすい低血糖症です。低血糖症は消化系の疾患ですが、長時間食事をしなかったり、食事の量が不足することにより血液中の糖分濃度が低下、ぐったりして起き上がれなかったり痙攣を起こす病気です。

・低血糖症の原因
あまり食べないのに食が細い子犬によく見られますが、一部で極小のチワワを作るために子犬に食事制限をするペットショップやブリーダーも存在していてるのも事実。まったくなげかわしい話です。

・低血糖症の予防
単純な話ですが、毎日いっぱい食べさせてあげることです。どうしても食の細いチワワの子犬には、少ない量で食事回数を増やして対応してください。また、日頃から砂糖水やはちみつを舐めさせるという方法もあります。

・ぐったりした時の応急処置
濃い砂糖水を作って口元に運び舐めさせます。自分で首を持ち上げる程度に回復したら、ふやかしたペットフードを少しずつ食べさせてみてください。うまく食べてくれたら一安心ですが、念のために獣医師に相談されることをお勧めします。

 

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

膝蓋骨脱臼とは人間で言えば膝の皿が正常な位置から外れてしまう病気で、チワワをはじめとする小型犬に多い病気です。

・小型犬の膝蓋骨脱臼の原因
膝関節の溝が浅いというのが物理的な原因ですが、先天的なものとしては、もともと膝が弱かったり、骨格の異常や変形などが考えられます。また後天性のものは、落下や事故などによる怪我が原因です。

・膝蓋骨脱臼の症状
軽度の場合、歩いたり走ったりしている最中に時々外れてケンケンすることがありますが、自然と元に戻るので生活に支障はありません。ですが重症になると、膝が外れたまま戻らなくなって常に足をひきずって歩いたり、自力では歩けないような状態になります。

・膝蓋骨脱臼の対処法と予防法
■床をじゅうたんやマットなどの滑らない素材に変える
膝蓋骨脱臼を患いやすいチワワなどの小型犬にとって足元が滑るフローリングの床は危険です。犬が立ち入る場所は、じゅうたんかマットなど滑らない素材を敷いて対応してください。

■段差に気をつける
膝蓋骨脱臼の予防にもつながりますが、すでに患っている犬にとって、飛び上がったり飛び降りたりする行為は症状を悪化させる原因になります。散歩の時にはあまり高い所に登らないように気をつけてください。

■適度な運動をさせる
前項の「段差に気をつける」話とじゃっかん矛盾点もありますが、要するに膝に負担をかけずに膝の回りの筋肉を増やし、膝が外れにくくすると言うことです。そのためには、愛犬とゆっくり散歩を楽しむことはもちろんですが、お風呂のお湯で足マッサージをしてあげるのも効果的です。

 

ペコ(泉門開口)

ペコは別名モレラとも言い、ほとんどのチワワの子供が持っている病気です。頭蓋骨のちょうどてっぺんあたり、頭頂部に頭蓋骨に覆われていない穴が開いているもので、小さいもので鉛筆の先ぐらい、大きいものだと100円玉ぐらいの穴が開いています。チワワの成長と共にその穴は塞がっていきますが、生後1年経過しても塞がらない場合は将来水頭症を発症するリスクがあります。

・ペコの原因
人間が作り出したとも言える遺伝的な疾患で、長い間チワワの品種改良を重ねるうちに、犬種特有の疾患として根付いてしまったものと推測されています。

・ペコの対処法
生後間もない時期は特に頭を保護してくれるはずの頭蓋骨が発達不十分なので、頭をたたいたり、頭から壁にぶつかるなどの衝撃を避けるのは当然のことです。また、成犬になって穴が塞がらなくても、小指の先程度の大きさであれば健康には問題ないとされていますが、念のため獣医師の診察を受けておくことをお勧めします。

 

水頭症

水頭症とは何らかの原因で脳内に水(脳脊髄液)が溜まり、脳室が異常に大きくなってしまう病気で、さまざまな神経障害を引き起こします。

・水頭症の原因
出生前の親犬からのウィルス感染や発育不全などの遺伝性の場合と頭部の外傷や脳炎など、後天的な要因が考えられます。また急に気圧が変化しただけでも発症するケースもあるので、旅行に連れていく場合などは注意が必要です。

・水頭症の症状
水頭症の症状は意識障害や痴呆症、神経系の障害、運動障害などさまざまですが、具体的な症状は次の通りです。

[意識障害]
■トイレやベットの場所など基本的なことを覚えられない
■理由もなく同じ所を回り続けている

[痴呆を疑う症状]
■一日中ボーとしていることが多い
■寝ている時間が異常に長い

[神経性疾患]
■突然吠えたり、何かを噛んで暴れるなど興奮状態に陥ることがある

[運動障害]
■歩き方や走り方が不自然
■ひきつけや痙攣を起こす

[視力及び知力障害]
■呼んでも反応がない
■目の焦点が合っていない、何を見ているのか不明

など、脳の病気はさまざまな症状が考えられます。

・水頭症の対処法
自宅で改善できる病気ではありませんので、ご説明したような症状が続くようなら早めに病院に連れて行くことをお勧めします。病院ではレントゲンやCT、エコーなどの検査を一通り行いますが、その後外科手術をすると5万円前後の費用がかかります。(あくまでも目安です)

完治は難しいとされる病気で、症状を軽くするために薬を継続的に飲ませる必要があります。また、食事に小豆やはと麦を混ぜたり、サプリメントを与えるなどの食事療法もあります。

 

気管虚脱

気管とは、のどと肺を結ぶ菅のことですが、その管が何らかの原因で押しつぶされて空気の流れが悪くなった状態です。気管の外側にはC型の軟骨が連続して取り巻いていて、首の動きに合わせて柔軟に変形し、常に空気を吸い込みやすい状態に保っていますが、その軟骨が本来の形を保てず潰れてしまうと呼吸に支障をきたします。夏場に多く発症すると言われ、一度症状が治まってもいつ再発するか解らない厄介な病気です。

・気管虚脱の原因
原因としては、遺伝的に軟骨が弱いことや小型で短頭種であること。老化による気管周辺の筋肉の衰え。肥満などが考えられます。このうちの肥満に関しては対応できる部分なので前もって改善しておくようにしてください。

・気管虚脱の症状
散歩の後や興奮して吠えた後、食事の直後などにガーガー、ゲーゲーという苦しそうな咳を続ける。よだれをたらす。口の中の粘膜が青紫色をしている。などの症状があらわれます。

・気管虚脱の病院での対処
犬の様子から気管虚脱の疑いを感じたら、動物病院で診察を受けるにが先決です。まだ軽症の場合は、病院で処方された咳止め薬や抗炎症薬などで改善する時もありますが、呼吸困難で酸欠状態の場合は酸素吸入でその場をしのぎます。また投薬治療では効果がないと判断されたら外科手術が行われます。

・気管虚脱の予防
気管虚脱の予防は肥満に注意すること。激しい運動をしないこと。熱い時は外出を控えること。首輪をハーネスに変えて首元を楽にすることなどが考えられます。

 

いかがでしたでしょうか。

ここまで、チワワに起こりやすい病気や原因、もしもの時の対処法などをご紹介しましたが参考になりましたでしょうか。

チワワは愛らしい目と大きな耳が特徴的な世界で一番小さな犬種です。飼い主に忠実で縄張り意識が強く勇敢な性格ですが、小さいがゆえにかかりやすい病気もあります。

病気の予防のためには、栄養のバランスの取れた食事を十分に与えて適度な運動をさせることが基本です。かわいいのでつい抱いて歩きたくなりますが、天気のいい日には一緒に外を散歩してあげてください。また、チワワは寒さに弱く、冬は体温維持のためにエネルギーをたくさん使いますので、冬の寒い時期はカロリー高めの食事を与えるようにしてください。

 

まとめ

チワワに起こりやすい病気と症状、もしもの時の対処法などをご紹介します

■チワワの子供起こりやすい低血糖症
・低血糖症の原因は食事制限
・予防はたくさん食べさせましょう
・低血糖症でぐったりした時は応急処置

■膝の皿が外れる膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
・小型犬の膝蓋骨脱臼の原因は落下や事故
・膝蓋骨脱臼の症状は重傷になると歩けなくなります
・予防法はすべらない素材と段差に注意と適度な運動

■ペコ(泉門開口)
・人間が作ったペコの原因は品種改良
・ペコの対処法として頭の衝撃に注意しましょう

■脳内に水が溜まる水頭症
・水頭症の原因は先天的なものと後天的なものがある
・さまざまな症状
・対処法は早めの受診をしましょう

■呼吸困難に陥る気管虚脱
・気管虚脱の原因はさまざま
・症状は苦しそうな咳
・病院での対処法は投与と重度な場合は手術
・肥満にならないように予防しましょう


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