猫ちゃんにも人間同様にアレルギー症状が出る場合があります。例えばくしゃみの多い猫ちゃんやまた異常に痒がる猫ちゃん結構いたりしますよね。全てがアレルギーが引き起こす症状と断定するのは出来ませんが言葉で自分の様子を伝えられない猫ちゃん達ですから飼い主さんは猫ちゃんの様子をしっかり観察した上であらゆる可能性を考えてみる必要はあります。
猫のアレルギー症状と言えば生まれもったもの(遺伝的な物)や食べ物、日常生活の環境によるものなど原因も様々。対策をすれば完全に解消できる物や全く効果の無い物、少し好転するものと色々です。勿論それぞれの猫ちゃんによってアレルギーの症状もその度合いも違いますからこれをやれば絶対大丈夫などと一概に言えないのは当然です…。
やらないよりはやった方が良い、やってみて損は無い猫のアレルギー症状に負けない5つの対策法についてお伝えします。
猫のアレルギー症状に負けない
5つの対策とは
猫のアレルギー症状は環境の変化が引き起こす?
猫のアレルギー症状或いはアレルギー反応とは簡単に言ってしまえば何らかの刺激に体の免疫が過剰に反応してしまう現象です。本来なら攻撃の必要のない外部の刺激に対しても攻撃を加えて出るものです。メカニズムから言えば猫のアレルギー症状も人間のアレルギー症状も同様です。
人間のアレルギー症状が疾患として認識された1960年代以降、数十年でアレルギー性疾患患者数は激増していきます。その理由として考えられるのは最近ではごく当たり前に流通する抗菌アイテムなどの種類や数からもお分かりになる様に人の意識の変化があげられます。
普段の生活の中で『清潔』『抗菌』などを過剰とも思える位意識するようになったせいで細菌などとの接触が少なくなった点も一因と考えられるのです。食生活の変化も関わりが無いとは言えません。添加物の多い食品を摂取する機会の増加は一昔前では考えられない状況です。
しかし果たしてそれがアレルギー性疾患の直接的な原因であるかかどうかはまだはっきりとはわかっていないのが現状です。猫ちゃん達も同様で以前は屋外での飼育が主流でしたが近年では様々な理由から完全室内飼育も多くなり日常を家の中で過ごす猫ちゃんも多くなりました。
フードも市販の猫専用の食事が通常で栄養のバランスはとれてはいるものの反面、添加物の摂取量も増えてしまっています。つまり最近では猫ちゃんを取り巻く環境も人間同様アレルギー性疾患を起こしやすい環境になってきている可能性があるのです。
どんなアレルギー症状が出ているかしっかり観察
具体的に猫ちゃんにはどんなアレルギー症状が出るのか?湿疹・かゆみを伴う皮膚炎や外耳炎などの皮膚症状や下痢などの消化器症状。クシャミや咳・鼻水などの呼吸器症状が主なアレルギー症状と呼ばれています。一般的な人間のアレルギー症状とほぼ一緒ですね。
後ろ足で執拗に耳を掻いたり耳垢が出ていたり嫌な臭いがしていたらアレルギー性の皮膚炎や外耳炎のサインと考えても良いかも知れません。涙や目やにが出ていて結膜炎や角膜炎の症状がでている場合もアレルギーが原因である可能性があります。
動物学に関しては素人である飼い主さんが自己判断で決めつけてしまうのは危険でもありますし大切な猫ちゃんを長く苦しめる事態になりかねません。猫のアレルギー症状がみられたら一番の対策法はまずはかかりつけの動物病院で相談してみることです。
近年動物病院ではアレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定する検査を実施する医療機関も増えてきているので正しい診断ができます。我が家の猫ちゃんは本当にアレルギー体質か…そしてアレルゲンは何なのかを知ることが可能な時代なのです。
猫のアレルギー症状には対症療法と環境改善
我が家の猫ちゃんがアレルギー性疾患と診断されたらそのアレルギー症状への対処法を見つけなければなりません。しかし現在では残念ながら未だ症状を抑えるための対症療法が主流で根本解決に結びつくような有効な治療方法は見つかっていないのが現実の様です。
実際の治療にはステロイド剤や抗ヒスタミン剤などが使われるのがほとんどです。しかしこの治療は長引けば長引くほどそれらの薬の副作用も心配になってきます。猫ちゃんのアレルギー症状がひどければひとまず薬での緩和が必要でそれと同時に飼い主さんがアレルギーの原因を生活の中から取り除く努力をする訳です。
診断の結果、食物アレルギーならアレルゲンになりにくい成分で出来たフードに切り替えるのが一番です。また一種類に偏らない様に色々な食事を摂る配慮も大切です。花粉・ハウスダストアレルギーなら空気清浄機など導入してみるのをお勧めします。主な生活空間である床等に埃が溜まらない様頻繁に拭き掃除し清潔を心掛けるのも大切です。
やみくもに色々な対処法を試していても埒が明きません。何はともあれ無駄のないアレルギー対策をする為には検査での原因追究が何より大切なのです。
猫のアレルギー疾患の治療にはアレルゲンの特定と除去
猫はアレルギー症状が出て体に痒みを感じれば我慢はできないのが当然です。体のいたる所を掻き続けるようになってしまいます。最初はほんの気になる程度のわずかな痒みでも何度も掻いてしまい脱毛してしまったり皮膚を傷付けてしまうのです。更にその傷口から細菌が入り二次感染を起こし症状を悪化させます。
このような場合、痒みを止める薬物治療としてステロイド剤や抗ヒスタミン剤を用います。ここで問題になるのが副作用です。これらの薬の副作用は肝臓や膵臓にダメージを与え免疫力が極端に弱くなてしまいその結果として薬を止めると途端に症状を悪化させてしまうのです。
つまり薬物治療に頼ることは決して根本的な解決ではなく逆に自然治癒力を低下させてしまうデメリットも大きいのです。ですから猫のアレルギー症状が現れその疾患の治療をする場合一番大切なのはアレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)の特定と生活環境から少しでもその原因を取り除くのが何よりも重要なのです。
つまり最近ではその様な理由から食事療法を中心に生活環境の見直しや衛生管理を重視しステロイドを使わない体質改善にも安心な治療法をすすめるケースも増えてきているのです。
猫がアレルギー症状を引き起こす主な原因には塵や埃・細菌やカビ・花粉や草花・ノミやダニなどの数多くの物質が挙げられます。外出する習慣のある猫ちゃんの場合、皮膚の異常が腹部や足に見られるのであれば花粉や草花に対してアレルギーの疑いもあります。
この様な場合には草むらや茂みに入らせないように室内での飼育で様子を見る必要があります。室内ではカーペットや毛布・プラスチックや金属の食器・首輪などに接触する事でアレルギー症状を起こすケースもあります。これらはいわゆる接触性アレルギー(接触性皮膚炎)と呼ばれるものです。
腹部中心に痒みや炎症が見られる場合にはカーペットに対してアレルギー、口周辺だけに現れる場合には食器に対してアレルギーを起こしている可能性があります。猫のアレルギー症状対策の近道は原因となるアレルゲンの特定が鍵となり猫ちゃんの日常生活の環境から出来る限り取り除く配慮が症状改善に繋がります。
食事はタンパク質と添加物に注意
猫ちゃんは食事が原因でアレルギー症状を起こしてしまう場合もあります。このような場合の多くは食後すぐに症状が現れるのがほとんどです。口の周りなどの局所的な部分を痒がったり全身に強い痒みを感じるなどのケースがあります。この場合、皮膚症状の他にも、下痢などの消化器症状が現れる場合もあります。
たった一度の食事が原因で猫のアレルギー症状が約一ヶ月も継続するケースもあり原因物質の特定は容易ではありません。アレルギー性皮膚炎などを起こしている場合の治療には高タンパク・高カロリーの食事は極力控える必要があります。
現代人の食生活が欧米化したことがアレルギー患者数を増加させてているとも言われますが猫も同様で食生活の変化が原因と考えられています。動物性のタンパク質は動物性皮脂が結合して脂肪酸は体内で酸化しやすくアレルギーの症状の悪化を招く有害物質へと変わります。
それを避けるためにはなるべく植物性タンパク質を摂取する方が好ましいと言われるのです。そうは言っても動物性タンパク質のみに含まれる栄養素もありますので完全に除去するのは不可能。食事にはバランスが必要なのです。
肝臓や腎臓が弱っていると体内の毒素の排出も正常に出来ずにその結果アレルギーの症状を悪化させてしまう場合もあるのです。それらに対する対応としてはフードに含まれる添加物には十分注意し成分は常に意識する習慣をつける必要があります。
いかがですか。以上が猫のアレルギー症状に負けない5つの対策です。猫にアレルギー症状がみられたらそれに正しく対処してあげるのが飼い主さんの役割です。猫のアレルギー症状への対策は一にも二にもそのアレルギー症状を引き起こしている原因であるアレルゲンの特定が必須です。
早急にアレルゲンをつきとめ正しい治療、正しい対応をしてあげなければ猫ちゃんは苦しみ続け症状も悪化するばかりです。更に医薬療法に頼るリスクもしっかりと認識した上で猫ちゃんにとって何が一番負担でないかを大切に考えた上で対策法を決めていくべきです。
大切な家族である猫ちゃんの健康と幸せは是非飼い主さんが守ってあげて下さい。アレルギーと呼ばれる未だ実態が解明されていない敵と戦うのは至難の業です。しかし、きっと根気強く取り組めば必ずや明るい光が差してくる筈です!
まとめ
猫のアレルギー症状に負けない5つの対策とは
・猫のアレルギー症状は環境の変化が引き起こす?
・どんなアレルギー症状が出ているかしっかり観察
・猫のアレルギー症状には対症療法と環境改善
・猫のアレルギー疾患の治療にはアレルゲンの特定と除去
・食事はタンパク質と添加物に注意