猫が咳をしたときに知っておくべき基本の知識

猫が咳をしたときに知っておくべき基本の知識
我が家の猫ちゃんがくしゃみや咳をしたら当然の事ながら飼い主さんは心配しますよね。風邪をひいたのか?毛玉を吐きたいのか?なにか誤飲誤食してしまったのか?そんな時に慌てず騒がず冷静に正しい対処をするためには『猫の咳』に対する正しい基礎知識をもっていなければいけません。

それと同時に正しい対応の基本を知っている事が重要なのです。ちょっと出た咳に大騒ぎして慌てふためく必要もありませんし、逆にたかが咳とうけ流したために重篤な状態を見逃してしまう事も問題です。

そこで今日は飼い主さん自身が猫の咳について知っておくべき基本の知識や、しっかりと身につけおいて欲しい事についてお伝えします。ではご覧ください。

 


猫が咳をしたときに知っておくべき
基本の知識

 

 

正常な咳のパターン、鼻?喉?

気管・喉頭・肺などに侵入した異物を取り除こうとして起こる呼吸器系の生理現象である「咳」(せき)。一般的に猫が咳をする場合には四つん這いになり頭を下げた状態で前方に突き出すという基本姿勢をとるものです。

そんな咳にもいくつかパターンがあり

例えば『鼻』に違和感がある時には口を閉じた状態で「フンフン」と鼻から小刻みに息を吐き出す形。

『喉』に違和感がある時には口を開けて少し舌を出して「ケホケホ」と息を吐き出す形です。

また咳の合間に「ゼーゼー」という喘鳴が入る場合には気道が閉塞している状態にあると考えられます。

咳のタイプをしっかり見極めて原因追究や正しい対応の判断に役立てる事が重要なのです。

獣医師に診て貰うにも飼い主さんがただ咳という表現だけで診察して貰うには正確な診断は下せない場合もありますから。大切な我が家の家族の一員である猫ちゃんの命を守る為、日頃の状態はしっかりと把握しておくことが飼い主さんの義務です。

 

「逆くしゃみ」は収まるのを待つ

猫の「逆くしゃみ」と呼ばれる現象をご存知ですか?大きな音を出しながら繰り返し息を吸い込む動作を指します。とても苦しそうで見ている飼い主さんまで辛くなってしまうこの猫の咳は正しくは「咽頭絞扼反射」「発作性呼吸」と言われる状態です。

通常の咳とは違い息を吸い込むとき肋骨が膨らみ鼻の奥から「グーグー」という音が出るのが特徴です。この「逆くしゃみ」の原因は鼻の奥の違和感を取り除くためと考えられ一般的には特別な治療は必要なく自然に収まるのを待てば良いというものです。

 

咳のでる病気の色々

猫の咳は通常は数秒~数分で収まのがほとんどです。しかしなかなか止まらない場合や日常的な場合には病的な可能性もあります。

「ゼーゼー」という苦しそうな音が混じる場合、感染症や心臓・肺の病気も考えられますので獣医師に相談しましょう。

「逆くしゃみ」でも発作が長時間続いたり頻繁に起こる場合には副鼻腔炎・鼻や喉の腫瘍の可能性も考えられます。

その他猫の咳から考えられる病気は猫ウイルス性鼻気管炎・猫クラミジア感染症・猫エイズウイルス感染症・フィラリア症。その他食道アカラシア・心臓の病気・悪性リンパ腫・血管肉腫・咽頭炎・気管支炎・喘息・肺炎・肺水腫・乳び胸などです。

猫の喘息(慢性気管支炎、アレルギー性気管支炎)も耳にされた事があると思います。アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)が猫の気管支を収縮させ咳や呼吸困難をひき起こし悪化すると命にも関わりますので早期発見・治療が大切です。

猫のトキソプラズマ症もはトキソプラズマという寄生虫が感染する病気で人やほかの動物にも感染する人獣共通感染症でもあると言うのが特徴です。妊娠中の女性が感染すると胎児に悪影響が及ぶ可能性があると言う事でご存知の方もいらっしゃるのではないですか。

猫の心筋症は心筋(心臓の筋肉)が厚くなったり薄くなったりする事による異常が原因で心臓の働きを弱めてしまう病気です。血流が悪くなり心臓内に血栓ができてそれが心臓から出て動脈血管に詰まることから動くのを嫌がったり息が荒い・呼吸が苦しそう・元気がない・疲れやすいなどの症状が現れます。

猫の先天性心疾患が引き起こす咳・猫風邪(猫の上部気道感染症:猫カリシウイルス、猫鼻気管炎(ヘルペス)ウイルス、クラミジア・フェリス)による鼻水やくしゃみ・咳があります。猫の気管支炎は猫ウイルス性呼吸器感染症などのウイルスやマイコプラズマなどの感染がおもな原因です。つまり猫の咳には危険な病気が隠れている可能性もあるので飼い主さんは充分な知識と観察力が必要です。

 

咳は乾いている?湿っている?

猫が「ケーケー」と乾いた咳を繰り返す事があります。そんな場合に考えられるのは気道などが炎症を起している可能性が考えられます。

具体的に考えられる病気としては咽頭炎・気管支炎・心臓病など。もし激しいくしゃみも伴う様なら猫ウイルス性鼻気管炎に感染の可能性もあります。

猫の咳が「ヒーヒー」と弱々しく乾いている印象なら肺炎を疑います。いずれにしても繰り返し出ている様なら獣医師に診て貰う事をお勧めします。

逆に「ゼエゼエ」と湿った咳なら猫の気道に炎症が起こり痰などの水分を伴っている様子です。

この様な場合には重度の「肺炎」・肺に水がたまる「肺水腫」・胸に膿が溜まる「膿胸」、場合によっては「ガン」の可能性を疑います。

実際には乾いた咳よりも深刻な病気であるケースが多く非常に危険ですので念のため出来るだけ早く病院へ連れて行きます。

 

「毛球症」が引き起こす咳

猫は毛づくろいをする物です。そしてその毛づくろいの際に飲み込んだ自分の毛玉を上手に吐けず「毛球症」になることがあります。その為、猫は「ケホッケホッ」と咳をしてお腹に溜まった毛玉を吐くしぐさをすることがあるのです。

軽度の「毛球症」であれば動物病院では毛球除去剤などを使いますが症状の重さによっては外科手術も必要になる場合もあるのです。

毛球症の予防にはこまめなブラッシングが第一。特に抜け毛の多い春と秋はしっかりブラッシングをすることが大切です。また、食物繊維豊富な餌を与えるといった日常の食生活で改善策を行っても症状が良くならない場合には獣医師の診察が必要です。

 

いかがでしょう。以上が猫が咳をしたときに飼い主さんがオロオロしない様、知っておくべき基本の知識です。そもそも猫の習性や健康・猫という生き物のことを何も知らない状態で、ただ可愛いからという理由だけで飼ってはならないという事に尽きます。

一般的に 猫はほとんど咳をしない生き物と言われます。そんな猫が咳をしている時は何らか体の異常を疑ってみます。猫が咳をしている場合、まずは「気管」「気管支」「肺」などの呼吸器系のトラブルや「心臓病」などの原因が考えられます。言葉を発しない猫のこと、病気が重篤化する前に飼い主さんは体調の変化に気付いて対応してあげるべきです。

当然の事ながら猫は咳をすること自体が体へ与える負担も大きいので咳の症状や様子から原因を早めに突き止めて対処することがとても大切です。また猫の咳は温度が高い場所では症状が悪化しやすいので風通しがよく涼しくて静かな落ち着いた環境を用意してあげる事をお勧めします。

まとめ


猫が咳をしたときには

・正常な咳のパターン、鼻?喉?
・「逆くしゃみ」は収まるのを待つ
・咳のでる病気の色々
・咳は乾いている?湿っている?
・「毛球症」が引き起こす咳

などを確認しましょう


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