大切なペットを失った悲しみから起こる、ペットロス症候群。ずっと一緒に生活してきた家族がこの世を去るのですから、心にぽっかりと穴が開いたようになってしまうのは、無理もないことです。ですが、あまりに深く悲しみに暮れていると、仕事や私生活に支障が出てしまう場合もあるため良くありません。こんなペットロスにならないためには、まだペットが生きているうちから、対策を練っておく必要があります。
まだ死んでいないのに、大事なペットの死後のことを考えるのは本当につらいものですが、生きているうちだからこそできることもあるのです。今回はそんなペットロス症候群の概要と、そうならないためにできる準備について、お伝えします。
ペットロスにならないために
準備しておきたいこと
ペットロス症候群とは
ペットロス症候群とは、ペットを失った悲しみが大きなショックとなり、精神的な不調はもちろん、身体的な不調まで生じることを指します。これは、今までペットに注いでいた愛情が行き場を無くすることによって発生するものだと考えられています。今ではペットを我が子のように育てている家庭も多く、それを失ったときの喪失感は、血を分けた子供が死んだときのものに相当するとも言われています。ですから、心を病んでしまうのは無理もないことですね。
具体的な症状としては、うつ症状や不眠、無気力などの精神的なものや、ストレスによる胃炎や胃潰瘍、うつ症状から来る頭痛や吐き気などの身体的なものが挙げられます。このペットロスが重症化すると、仕事が手に付かなくなったり、日常生活がままならなくなるために、精神科を受診する必要が出てくる場合もあります。
後悔の無いように育ててあげよう
ペットロスを完全に避けて通ることは難しいものですが、それでも、軽減させる術が無いわけではありません。まず、しておきたいことと言えば、ペットを飼う上で後悔の無いように努めることです。ペットロスに陥りがちな心理状態として、「ああしてやればもっと長生きしたかも」とか、「もっと大切にすればよかった」などの後悔があります。誰でも大切な存在を失えば、多少の後悔はするものですが、これが強くなりすぎると心が折れる原因になってしまいます。
ですから、ペットが生きているうちに、してやれることは全てしてやろうという意気込みを持って、育ててあげるようにしましょう。
「生き物には寿命がある」ということを自分に言い聞かせよう
何を飼っているかによりますが、ペットは、飼い主よりも先に死んでしまうものだという認識をしっかり持ちましょう。ペットの代表格、犬や猫の場合は、15年前後でこの世を去るのが一般的です。15年は長いようで短く、飼い主が高齢になってから飼い始めた場合を除けば、間違いなく飼い主よりも先に寿命が来ます。このような考えを常に頭に留め置いておけば、いずれ来る別れの時の覚悟ができるでしょう。
まだ生きているペットを前に、常に別れの時のことを考えるのはつらいものですが、その時が訪れることを見て見ぬふりするよりも、ペットロスに陥るリスク軽減されます。
たくさん写真を撮っておこう
ペットを失った悲しみを癒すことは簡単ではありませんが、せめて、いつでも生前の元気な姿を思い出せるように、たくさんの写真を撮っておくことをおすすめします。できれば動画などで残しておければ、なおベストです。
もちろん、生きているペットの重みや体温、匂いや気配などを感じることはできませんが、それでも今まで一緒に人生を歩んでくれたペットの存在を感じられるものがあれば、寂しさも和らぐはずです。ペットの死後すぐには、彼らを思い出す媒体を見ることはできないかもしれませんが、時間が経てば、あなたにとって心強いお守りになってくれるでしょう。
ペットの死後、あなたが元気に暮らすことを願っていると信じよう
ペットロスになるくらい愛情を注いでいたのなら、きっとペットの方もあなたのことを深く愛していたに違いありません。そんな彼らは、大事なあなたがずっと悲しみに明け暮れている事態を望んでいると思いますか。きっと、そうではありませんよね。ペットは先にこの世を去ってしまったけれど、どこかであなたを見守っていて、あなたが元気に、前向きに生きることを望んでいるはずです。
そう信じることで、ペットが去った後も、何とか前を向いて生きる気力が湧いてくるはずです。あなたが元気で生き続けることが、ペットに対しての何よりの供養だと思えるようになって下さいね。
いかがでしたでしょうか。ペットロスにならないために持っておきたい覚悟や考え方について、ご説明しました。ただ、そうは言っても、大事な家族の旅立ちに立ち合い、全く悲しまず、何のショックも受けずにいることなんてまず不可能です。ただ、その状態からいかにして立ち直るかが重要なのです。
ペットロスに陥ることは避けられないとしても、そこから回復するためにできることはたくさんあります。それは、ペットが生きているうちから存分に愛情を注いであげることと、生き物の死を受け入れる覚悟を持つこと、そして、ペットはあなたが悲しみ続けることを望んでいないと信じることです。このいくつかを意識しておけば、必ず悲しみを乗り越えることができるはずです。
まとめ
ペットロスにならないために準備しておきたいこと
・ペットロス症候群とは、ペットを失うショックにより生じる心身の不調
・後悔の無いように育ててあげよう
・「生き物には寿命がある」ということを自分に言い聞かせよう
・たくさん写真を撮っておこう
・ペットの死後、あなたが元気に暮らすことを願っていると信じよう