「猫の集会」・・・そう言って真っ先に私が思い浮かべた風景は、やはり、スタジオジブリの『猫の恩返し』の中の様々なシーンです。彼らは、自分達の世界を守る為に集っていましたね。
我が家にも4匹の猫達がいますが、みんな、それぞれマイペースで、勝手気ままに行動しています。そんな彼らが、一同に会すのは、1日2回のご飯タイム。
我が家では、洗面所がそのスペースになっているので、毎日決まった時間になると家の中で、それぞれお気に入りの場所に散って生活していた彼らが、ケージ内の決まった自分の階で、餌のお皿が目の前に置かれるのを待つわけです。
自然界における「猫の集会」とは、多分、全く違う意味合いなのでしょうね。さて、本当の「猫の集会」って、一体何なのでしょう。見ていきましょう。
猫が集会をしている7つの秘密ポイント
猫が集まるポイントはココだ!
猫が集まりやすい場所は、「公園」「お寺や神社」「駐車場」「広い庭」「空き地」などです。
よく野良猫達用に定期的に餌が置いてある場所があります。その様な餌場では、餌の到着を待つうちに、自然に集会所になったケースもあるでしょう。
その様な集会は、都会や猫の密集した地域でよく目撃されます。他の猫と争わなくても食べものが手に入るのなら、お互いの縄張り、つまり、テリトリーが重複してしまっても、平和共存できるという訳です。
人間と共生している猫の場合、食生活は人間から与えられる食料です。故に、与える人間がいる一部のエリアこそが、集会場所になるのです。そして、その共通の餌場を地域の猫たちで守るために協力しているとも考えられるのです。
定期的に猫集会を開き新参猫が来て大事な餌場を荒らしていないか、などを確認しているとも考えられます。
つまり、猫の生態としては非社会的で、協力すること等ないと長年信じられてきました。しかし近年では、特に都心部の猫においては、共通の利益(人から与えられる餌)があれば、血縁関係のない猫間でも協力行為が出来るという見方もあるようです。
漁村など、人から与えられる食べものが豊富な場所には、多くの野良猫が群れ暮らす様子は、よく知られていますね。
時間もキチンと決まっている?!
定時に集まってきて、一斉に立ち去っていきます。
「猫の集会」とは、夕方から夜にかけて、野良猫達が空き地や駐車場で開催する会合の事と言われています。そして、その静かな集会は数時間続き、終了すれば、それぞれの場所に帰って行くという事です。
都市伝説的にいえば、それは「満月」に起きる現象などという話もあるようですが、実は「満月」の晩に限るわけでもなく、特に夜に多い印象はありますが、まるで、集合時間が決まっているかのように、ほぼ定時に集まる様です。
昼間は、よそよそしく、すれ違っても無視し合っていた猫達が、夜になると、誘い合わせた様に一斉に集まってくるのです。
しかし、実は、集会は夜中だけではなく、昼間でも日向ぼっこをしながら開かれることもあると言われます。もちろん多数の猫が集まる訳ですから、時には小さな争いが絶対起きないとは言えませんが、おおむね平穏無事に終わり、猫達は、何事も無かったかのように、元の居場所に帰っていくのです。
実はお行儀もいいのです♪
集会にやってきた猫たちは、お互いにある程度の距離をとり、行儀良く座っています。
どうやら、専門家の意見の中には、「猫の集会」とは、地元の野良猫や外飼い猫達が、縄張りの中立地に集い、約4mの距離を保ち、ゆるやかな円を描いて座るものという定義の様なものがあるようです。
集まった猫達は、特に会話をする訳でもなく、各自自由に毛繕いや昼寝をするだけ。10匹以上の猫の集会を目にすると、異様な雰囲気すら感じてしまうものです。
「猫の集会」の参加資格は、全ての地元猫にある様です。特に喧嘩が強いオス猫や、年配猫だけでなく、野良猫も、家と外出入り自由の飼い猫も、メス猫やメス猫に連れてこられた子猫もそのテリトリー内の全ての猫が参加出来るのです。
仲の良い猫同士ならば、その場で、寄り添いグルーミングをし合ったりもするようです。パーソナル・スペース(個人空間)を越えて近づいたお陰で、軽く威嚇される事位はありますが、喧嘩に発展することまではないようです。
例え、仲の悪い猫同士が、その場に居合わせたとしても、適度な距離は保っているので問題ありません。
どの猫も緊張している様子ではなく、とても落ち着いて穏やかな態度で集会に臨むのが暗黙のルールのようです。この集会は、終始穏やかな雰囲気で進められ、中には、猫同士、相手の鼻に自分の鼻を近づける、いわゆる挨拶行為をする猫もいるようです。
-番の目的は顔合わせ!!
猫は非常にテリトリーに敏感な生き物です。本来、人間の生活圏外で暮らす猫、いわゆるヤマネコは、広大な土地で、食料も分散された環境で生きています。そのため猫同士が、お互いのテリトリーに進入する必要がないものでした。
しかし、現代の社会、特に都会など、人と猫の生活が同じフィールド内になっている場合は、そうもいっていられないのが現実です。他の猫と一緒に暮らしたくないけれど、食べものの豊富な場所を捨てる事は出来ない。さて、自分はどうするべきなのかと猫は考えます。
その為、地域コミュニティの形成の意味合いが強い「猫の集会」が必要になったと考えられます。1番の目的と言われる物は、その地域でテリトリーを共有するメンバーの顔合わせにあると思われます。
猫という生き物は、まず、基本的生活エリアとしてのテリトリー(これは行動圏とは区別される、本当に厳しい縄張りで、他の猫が入ることは出来ないプライべ-トエリア)と、これよりも、更に広い、ハンティングテリトリー(直径100メートルに及ぶ狩り場のことで、その一部には餌をあされるゴミ捨て場や、集会所などがある)を持っているといわれます。
猫密度の高い地域においては、このハンティングテリトリーは、複数の猫が共有する事になります。しかしながら、そこで顔を合わすたびに、その猫達が喧嘩になるのは面倒です。
それを避けるため、テリトリーを共有する者同士、相手のにおいや姿をその集会を通して、確認し合っているとも言われています。
猫は本来、単独生活者なので、他の猫と深く関わる事も、協力する事もありませんが、万が一、テリトリーへの侵入者(外敵)から、テリトリーを守る為、共有者同士連携を取り合い対処する上で、「顔合わせ」をしておく事は大変重要で、有効なのです。
つまり、縄張りを共有して暮らす猫達が、互いの存在を認め合う場が、「猫の集会」であり、集団生活を基本とする人間社会の中で生きていかなければならない猫達にとっては、この『群れ』に近い状態での生活は、やむをえない究極の選択だったのではないでしょうか。
つまり、この集会は、そのエリアを共有する猫たちが、お互いの顔を確認しあう事で、交流の安定化をはかる大切なものなのです。
また、顔合わせをする中で、政治的な話し合いが行われている事も考えられます。それは、地域猫の中から、いわゆるボス猫を決める会議が行われているのかもしれません。
集会は、実に穏やかであると言いましたが、その静かな中に、位置取りやポーズなどを通して、猫の間では、他の猫に牽制し、また自分の力をアピールしているのかもしれません。
通常では、単独生活者であるはずの猫に、犬や猿の社会の様なリーダー制度、ボス制度などというものは、存在するはずもないのですが、都会の密集エリアでは、意外にリーダー猫というものが存在するのかもしれません。
発情情報の確認の場?!
ハンティングエリアの更に外側に、特にオス猫たちが訪れるイレギュラーなエリアがあり、そこに行動を移すのは繁殖期です。
殖期が近づくにつれて頻繁に開催されるようになり、集会時間も長くなり、一晩中続くこともあるといわれます。また、繁殖期になると集会場所での交尾活動がみられることもあるそうです。
猫の繁殖シーズンに限れば、この集会は、いわゆる合コン、街コン的な相手探しの意味合いもあるようです。時には日中も集まるようになります。
しかし、繁殖シーズン以外にも、猫の集会は開催されているということから、発情情報確認が、メインの目的とは考えにくいと言えます。
ママ友集会なのです♪
保育園やベビーシッター機能を併せ持った場です。
また、子猫を持つ母猫が集まり、子猫同士を遊ばせている光景や、若いメス猫が子猫の遊び相手をしている、母子猫達の集会も目撃されています。
この様な、人間で言う保育園やベビーシッターの様な機能を併せ持った、進歩的な地域猫社会も存在すると言われる様です。
これらの集会におけるグループの基本単位は、母猫と娘猫を核とする母系集団です。そして、それぞれの母系集団では、発情や出産の周期を一致させる事により、グループごとの共同育児を実現させている様です。
また、地域の「猫の集会」に、母猫が子猫を連れて参加する事により、集会に集まった様々な地域猫達に認めてもらい、やっとそのテリトリーでの「市民権」を得たことになるという訳です。
理由はない?!
深い理由は、特にないのかも知れません。
人間は、猫の行動に理由をつけたがります。しかし、猫というものは、性格上、深い意味もなく行動する生き物でもあるのも確かです。ですから、「猫の集会」に関しても、ひょっとすると、たまには、他の猫の様子でも見てみるか、みんな集まってるからちょっと寄ってみるか程度の軽い気持ちなのかもしれません。
野生動物であれば、目的の為に行動したり、意味ある行動が当然かもしれませんが、人間と共生している現代の街の猫には、それは通用しないのかも知れません。
なんとなく集まっているのだと考えている人も多いようです。確かに、グルーミングしているだけ、ただ座っているだけですから。
また、季節も問わず、基本的に夜行性の動物なので当然、集まるのが夜になることが多い、時間なども厳密に決まっているわけではなく『なんとなく』なのじゃないかという意見もあります。
参加メンバーも、雌雄・年齢関係なく、猫の数も地域猫の数によりますし、猫集会には特にボスも存在しないかもしれない。勿論、役割分担などもない様です。
それと、猫集会が、なぜ駐車場など、コンクリートの場所で見かけられることが多いのかといえば、都心では、集団で集まれるような広いスペースといえば、駐車場ぐらいしかないという答えが返ってきます。
猫集会は、公園や神社などで開催される事も少なくはないらしいのですが。
つまり、なんとなく集まって、なんとなく顔をあわせるだけらしい「猫の集会」かも知れないのです。
いかがですか。この「猫の集会」には、まだ不明な点が多く、いろいろな説がありますが、決定的なものはないというのが、正直な所です。そこに様々な会話や目的・関係性が存在し、人間にはわからない奥が深い物であると考えたいという気持ちもありますが、忘れてはいけないのが、確かに、相手は勝手気ままな「猫」なのです。
本来、単独狩猟動物である猫が一度に多数集まるという事実には、何か意味があるのだろう、あったら面白いと思いたいのですが、こればかりは、「猫」のみぞ知るのです。
いずれにしても「猫の集会」は、実に自由な集まりであることだけは確かなのです。
そして、人間の生活圏で、また、都会で生きる猫達の生きる知恵かも知れません。地域にすむ仲間との無駄な争いをせず、食料を確保するために、単独生活を諦め、徐々に社会的な暮らしをしようという変化、または進化なのかもしれません。
まとめ
本当にあった。猫が集会をしている7つの秘密ポイント
・猫が集まるポイントはココだ!
・時間もキチンと決まっている?!
・実はお行儀もいいのです♪
・-番の目的は顔合わせ!!
・発情情報の確認の場?!
・ママ友集会なのです♪
・理由はない?!