犬の飼い主さんが、必ずしなくてはいけない愛犬へのしつけですが、この「しつけ」をするには、時には愛犬のしたい事を制止しなければいけない必要もあります。
愛犬が可哀想で、そんな事出来ない!なんて声を耳にする事がありますが、果たして、人に飼われる犬にとって、しつけをして貰う事として貰わない事、どちらが幸せなのでしょう?
この事については、人それぞれ、様々なご意見がおありでしょうが、しかし、全くしつけをされずに自由奔放に生活している犬が、ある日突然、飼い主さんを自分のボスだと認める事はとても難しいではずです。
飼い主さんが自分にとって必要な存在と感じながら、日々暮らす愛犬なら、飼い主さんが「NO!」と言えば、それはしてはいけない事と理解しますが、飼い主さんをお友達と勘違いしてしまっている様子なら、専門家の力を借りるしか方法は無いかも知れませんね。そんな「犬にしつけ教室が実はとっても必要な7つの理由」について、お話しましょう。
犬にしつけ教室が
実はとっても必要な7つの理由
信頼関係・上下関係を築くコミュニケーション法を学ぶ
まずは、飼い主さんと愛犬との信頼関係・上下関係を築く事が何より重要です。しかし、このコミュニケーションの取り方という物は、一見簡単な様で、実はとても難しい物で、これに失敗してしまうと、愛犬に飼い主さんや人間に対する自分の位置関係を勘違いさせてしまい、自分勝手でわがままな愛犬にしてしまう事があるのです。
それらをレクチャーしくれるのが、プロの手による「しつけ教室」でしょう。しかし、ここで大切なのは、教室でトレーナーの指示を聞く事が出来る様になっても、生活を共にする飼い主さんの指示を聞く事が出来なければ、それは全く意味のないことだと言う点です。
ですから、飼い主さん参加型のレッスンを推奨しているスクールを選ぶ事をお勧めします。『スワレ・フセ・マテ・来い・ツケ』などの一般に知られるコマンドのレッスンは、その飼い主さんと愛犬の関係成立後に行うのが有効です。
「ほめてしつけるトレーニング」 (陽性トレーニング)を学ぶ
現在のしつけ教室では、体罰などを使わない「ほめてしつけるトレーニング」 (陽性トレーニング)を主流としている所がほとんどです。悪癖の矯正という事で無ければ、決して、怒らなくても、犬は色々な事を学習していく生き物です。
優秀なしつけ教室であれば、愛犬の性格や飼い主さんの望みを考慮した上で、きめ細かいアドバイスをして貰えるはずです。楽しいしつけトレーニングが目標であれば、プロの手を頼る事も一案でしょう。
一言に「しつけ」と言っても、初めて犬を飼う時には、どう育てたら良いか分からないものです。そして、「しつけ」とは、厳しい物という印象があり、もっと楽しくしつけられる方法があるのではないか?と、どの飼い主さんも一度は思われる事でしょう。
犬の学習理論・犬の行動心理に基づいた、合理的で継続性の高い「褒める・慣らす」しつけを学んでみましょう。しつけを通じて、犬個体の性格や特徴を知るだけではなく、犬の嫌がる行為や触られるのを嫌う体の部位、逆に犬が何に対して興味を持ったり喜んだりするのかといった、行動学や学習理論などプロの意見から多くの事を学べます。
何より、沢山褒めて、ご褒美をあげる事で、愛犬も楽しい気持ちになれるのは勿論ですが、愛犬の喜ぶ姿を見る事は、飼い主さんにとっても喜びです。
楽しいしつけは、お互いの関係を良くする事に繋がり、信頼関係の構築や精神的安定にも大きく影響します。穏やかで人好きな犬、そして、誰からも愛される犬に成長出来る様、楽しいしつけを目指しましょう。
飼い主さんが愛犬の心理を学ぶ
飼い主さんの努力次第で、愛犬は必ず変われると言っても過言ではないでしょう。そんな愛犬の無限の可能性を、飼い主さんの手で引き出してあげたい・・・とお考えにはなりませんか。しかし、その方法は?というと全くわからないと言うのが正直な所でしょう。
例えば、ニュージーランドのしつけ教室などは、飼い主さん自身のスキルを向上させるという点を大切にしているという事で知られています。
社会性を学ばせるパピースクールを除いては、専門のトレーナーが自宅に来るというスタイルが一般的で、すぐに役立つ「技」、いわゆる具体的なコマンドのレッスンではなく、愛犬へのしつけというよりは、飼主さんに「犬の心理」を教えてくれるという意味合いの強い物だという事です。
内容的にも、面談を通して、まずは生活のリズムやスタイルなど、飼い主さんの調査から始まり、カウンセリングを通し、詳しく話を聞いて貰う一方、ケースごとの細かなアドバイスも貰えます。
大切な事は、飼い主さんが自信をもつこと、そして、常に人間がリーダーであるという事実を明確にし、愛犬に覚えさせる事なのです。これは、子犬の頃から飼育していれば、比較的、自然にできるかもしれませんが、成犬からの飼育にはなかなか伝わり難いという事が、あるようです。
誤った反応・対応を知る
正しいしつけの知識と接し方を学んで、愛犬と飼い主さんが大切なパートナーになれる事が大切です。愛犬と生活していくと、当然、様々な問題に直面するものです。
しかし、そのほとんどは、犬の本能的な行動に原因があると言われます。そんな時、私達人間が誤った反応や対応をしてしまった結果、愛犬は混乱し、間違った解釈をする事により、余計に問題を悪化させてしまうケースも少なくはありません。
飼い主さんがしつけ教室を通し、正しい知識と接し方を学ぶ事で、愛犬を理解し、また、愛犬との絆を強くすれば、飼い主さんと愛犬は、言葉は通じなくても、心で通じ合うことができる存在になれるはずです。
飼い主さんが必要な事・大切な事を、愛犬にきちんと教えて熱心に教育をしているつもりでいても、何故か上手く伝わっていない様子が見られる事も多い物です。
何故わかってくれないの!と、ついイライラしてしまうという事もあるでしょう。そして、間違った方法でしつけをしてしまう事のない様、行き詰った時には、しつけのプロに一度相談してみましょう。
しつけ教室のメリットは、経験の幅を広げる事
飼い主さん自身が、愛犬をしつけることができれば、わざわざお金をかけてまで、しつけ教室を利用する必要はないだろうと思われるでしょうが、実は、しつけ教室でしか経験できない事や、しつけ教室を通して学べる事というのもあるものです。例えば、飼主さんのマナー意識やしつけに対する姿勢が、その例でしょう。
当然、しつけ教室には沢山のトレーナースタッフや沢山の犬達がいます。つまり、飼い主さん以外の様々な人や犬と触れ合いがある訳です。
専門的なトレーニングだけではなく、気の合うお友達が出来たり、思いっきり遊んだり、様々な人と関わりを通して、愛犬の穏やかな性格や精神的成長も促してくれます。
また、しつけ教室で規則正しい生活やお散歩、トレーニングをしながら運動不足や肥満、小食など生活環境における問題解消につながる事も望めます。
愛犬の生活習慣を改善するという事はとても難しい事ですが、そんな時にこそしつけ教室は最適だと言えるでしょう。
叱ることは危険、しつけが大切
愛犬が悪さすれば、多くの場合、飼主さんは、それを叱るでしょう。さて、そんな時、愛犬の心理を想像してみた事はありますか。
実際に、大好きな飼い主さんに叱られたことで、犬はその行動をやめるかもしれません。しかし、時間が経てば、また、同じことを繰り返すかもしれないのです。
これは、実は、愛犬にとって、飼い主さんが何に対して叱ったのか、何がいけなかったのか、という本質を理解できていない事が多いのです。
そればかりか、愛犬にとっては、理由もわからないまま、飼い主さんから叱られ続けていれば、人間に対して脅威を感じ、飼い主さんと愛犬との信頼関係など作れないのも当然なのです。
ですから、「叱る」ことと「しつけ」の本質的な違いがわからないのであれば、プロの意見を参考にしてみる事をお勧めするのです。
生活の幅を広げる
飼い主さんや飼い主さん家族の中でだけ日常生活を送っている愛犬は、飼主さん以外の人になつかない、他の犬と仲良くできない、いつも無駄に元気で落ち着きがない、トイレが上手くできない…などの問題行動で飼い主さんを悩ませるなんて話を、よく耳にします。
当然、その結果の悪循環で、こういった問題を抱えている愛犬の生活の幅は狭くなってってしまうものです。ドッグランやドッグカフェにも行けず、旅行に連れていく事もできない、果ては、散歩に行くのも一苦労なんて事も。
愛犬との生活を最大限に楽しむ為にも、愛犬に、しつけやマナーを教える事はとても大切なことです。
いかがですか。以上が、「犬にしつけ教室が実はとっても必要な7つの理由」です。愛犬にとって、ルールが存在する事は、ある意味、幸せな事だと思いませんか?ルールに従って生活する事が、実は、とても居心地が良い事だと教えてあげる事が、飼い主さんの持つ大きな役割だと考えてみたら、しつけの必要性は理解できるのではないでしょうか。
そして、犬という生き物は、とても賢い動物ですから、実際には、そのしつけも、ほんのわずかな期間、早ければ、1、2度で、覚えて欲しいルールを覚えてくれる物です。そのポイントをおさえたプロの手によるしつけ教室で、愛犬と共に、飼い主さんも愛犬との関わり方を学ぶと言う事は、とても大切な事です。
何より、しつけ教室が大切な理由とは、飼い主さんの為の学びの場であると言う事が一番大きな意味があると言う事です。
皆さんの大切な愛犬が、社会生活における必要なマナーを身に付けて、決して無駄な問題行動などせず、幸せな一生を送れる事をお祈りします。
まとめ
犬にしつけ教室が実はとっても必要な7つの理由・信頼関係・上下関係を築くコミュニケーション法を学ぶ
・「ほめてしつけるトレーニング」(陽性トレーニング)を学ぶ
・飼い主さんが愛犬の心理を学ぶ
・誤った反応・対応を知る
・しつけ教室のメリットは、経験の幅を広げる事
・叱ることは危険、しつけが大切
・生活の幅を広げる