グッピーはラテンアメリカ原産の、まるで蝶のような鮮やかで美しい尾びれが特徴の熱帯魚です。日本でとても人気が高く、熱帯魚といえばまずグッピーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。水の中で宝石のようにゆらゆらと揺らめく姿は、見ているだけでとても癒されますよね。
熱帯魚は、「ペットを飼いたいけれど、散歩や躾の時間がとれない」という人や、「お魚が好きで水族館にいると落ち着く・水に触れていると癒される」という人には向いていると思います。自分だけのアクアリウムがあると、お部屋が一気に幻想的な雰囲気になりますから、インテリアとしての価値も非常に高いです。
ただ、世話が楽そうだからといって軽い気持ちで飼い始め、やっぱりうまくいかなかった!と投げ出すのは考え物です。どんな生き物もそれぞれ飼育の難しさがあり、命を預かることに変わりはありませんから、飼いはじめる前にグッピーの飼い方の基本をチェックしておきましょう。
実は難しいグッピーの飼い方。
7つの基本事項
その1.グッピーを入れる前に、棲家つくり
グッピーを飼うことが決まったら、まずはじめにかれらの棲家を整えてあげましょう。水槽に入れる水は水道水でよいのですが、そのままだと塩素が含まれているので、グッピーが生きられません。グッピーを入れる前に、市販の薬剤で塩素を抜いておきましょう。また、バクテリアがいないとグッピーにとって有害な水中物質を分解できないので、濾過機を設置し、そのまま一週間くらい放置してバクテリアがふえるのを待ちます。
その2.酸素
グッピーが水中で心地よく泳ぐためには酸素が必要です。エアレーションという酸素を送り出すポンプを購入しとりつけましょう。水草もまた水中に酸素を送り出してくれますが、光合成しない夜間などは逆に酸素を消費しますから、グッピーが酸欠にならないようエアレーションを調節してくださいね。エアレーションはメーカーによって、夜間の稼働音が気になるものや、水流を乱すものがありますから、できるだけ静かに稼働するタイプを選びましょう。
その3.水質の管理をおこたらずに
グッピーは基本的に、水温20~30℃の弱アルカリ性の水を好みますので、数値を測り適正値を保つようにしましょう。特に冬は水温が下がるので、専用ヒーターを設置して水温を保ってあげる必要があります。アルカリ性の水をつくるには、貝殻やサンゴの破片が混じった大磯砂を敷くとよいでしょう。水がちゃんとできているか不安なら、グッピーを放つ前に小さなパイロットフィッシュを投入して様子を観察してみてくださいね。
その4.えさ
えさは、食べきれずに残りかすが水中に浮遊していると水質が悪くなるため、グッピーが食べ切れる量だけ与えるようにしましょう。稚魚のうちは、しっかりした体をつくるため一日に2,3回ほど与え、成長したら1回で大丈夫です。もし旅行などで家を長く空ける時は、知り合いに頼んでえさを与えてもらうか、自動給餌機を使ってえさを与えましょう。
その5.尖ったオブジェや砂に気をつける
水槽に置くお洒落な水中オブジェなどは、たくさん種類があって選ぶのが楽しいですが、中にはグッピーにとって危険なものがあるので買う前に安全かチェックしてくださいね。狭い隙間のある岩のオブジェなどは、グッピーが挟まって大変なことになります。また、水槽に敷く砂は、グッピーの体に傷がついてしまうおそれがあるため、角のないなめらかなものを選びましょう。
その6.繁殖
グッピーは繁殖力がすごいですから、増やしたくない場合はオスとメスを分けてください。ひとつの水槽のなかにあまりたくさんグッピーがいると水質が悪化し弱ってしまいますから、水槽は常にグッピーのために余裕をもたせてあげましょう。
その7.生態系を守る
グッピーは元々日本の自然界に生息しない外来種ですから、事情があり飼えなくなったからと地元の川に放すようなことはしないでください。バランスのうえに成り立っている地域の生態系が、そのような一人の住民の行動で崩されてしまうためです。また、地域の方々の健康を守る意味でも、亡くなってしまったグッピーを公共の場所に埋めないようにしてくださいね。亡くなったグッピーをどうするべきかは、自治体のきまりに従いましょう。
いかがでしたでしょうか。このように、はじめは水槽のお掃除や水質の管理など大変なことが多いですが、慣れれば楽しめるようになると思います。グッピーの水槽はほんのちいさなガラスの箱ですが、その中につくりだすことのできる世界は無限大ですから、自分だけのミニ水族館をつくって 潤いのある暮らしを楽しみましょう♪
まとめ
実は難しいグッピーの飼い方。7つの基本事項その1:グッピーを迎え入れるための水槽つくりは入念に!
その2:酸素を補給するための準備
その3:グッピーが快適に生きられる水の質を保とう
その4:えさの量に注意する
その5:グッピーが怪我をしないよう安全な水槽をつくる
その6:繁殖は、増えすぎる前にきちんとコントロールする
その7:生態系の保護と地域の衛生管理に貢献する