フクロウをペットにするときに注意するべき7つの環境

近年、フクロウやタカなどの猛禽類をペットとして飼育する人が増えています。その羽の美しさや鋭い表情、解き明かされていない生育の方法などについてもっと知りたいという猛禽類のマニアも増えています。

また映画の中で美しい姿を見せてくれたシロフクロウなどはペットとしての人気が急上昇中です。しかし、猛禽類についてはその生育方法が完全に解明されていないため、飼育はかなり難しいと言われています。

犬や猫のようにペットとして飼われた歴史が浅いため、飼育する人も自分の体験や、他の飼育者の経験などとすりあわせながら飼育しています。魅力あるフクロウをペットとして飼うには、エサやり、体調の管理、病気などたくさんの点に注意しなければなりません。
フクロウをペットとして飼うために一番大切な環境作りについて、注意すべき点についてまとめてみました。

 


フクロウをペットにするときに
注意するべき7つの環境

 

大きなケージを置くスペースを作ろう

フクロウをペットとして飼育する場合、屋内で大きなケージに入れて飼うという方法があります。どのくらいの大きさのケージを置くことができるかにより飼育するフクロウの大きさを決めたほうがいいでしょう。

自分が飼ってみたいフクロウが大型のもので、広いスペースを必要とするのに、大きなケージを置くことが出来なければフクロウの自由を奪ってしまうことになり、かなりのストレスを与えてしまうことになります。まずは、どのくらいの大きさのケージなら自分の家の室内に置くことができるのか確認しましょう。

フクロウを入手する際には専門のペットショップから購入すると思いますので、現地に行き担当者の方と部屋の広さとケージの大きさについて打ち合わせするといいですね。そのスペースに合わせて飼育できるフクロウの大きさについてアドバイスしてもらいましょう。

また、フクロウが生まれ育った環境になるべく近くしてあげることがストレスを与えず、元気に活動できるので、どのような気温や湿度の中で生育しているのか?止まり木などの種類についても、細かく確認して、購入する前の環境になるべく近づけようにすることが重要です。

 

放し飼いができる環境を作ろう

フクロウをペットとして飼育する場合、ケージに入れず1つの部屋をフクロウ専用の部屋にして放し飼いをしている飼い主もいます。自然の環境に近づけるのであれば、自由に飛び回れることのほうがフクロウのためにもいいですね。ただ、フクロウは犬や猫と違いトイレの場所を覚えるわけではありません。

部屋のあちらこちらで糞をしますので床はすぐに掃除ができるフローリングがいいですね。通常のフクロウの糞は、あまり臭くないのですが、肉食のフクロウの場合、盲腸がありそこから定期的に「盲腸糞」というものが排出されます。

この「盲腸糞」はネバネバしていて匂いもキツイ糞です。このネバネバした「盲腸糞」が洋服などに付いてしまうと、なかなか取れないので糞の掃除には気をつけましょう。放し飼いの場合、部屋の中に隙間がないかしっかりチェックしておきましょう。

小さな隙間でも抜け出てしまうことがあります。自宅の外に逃げ出したら大変なので、隙間には網などを張り、逃亡しないように注意しましょう。

 

鳴き声が気にならない場所で飼育しよう

フクロウの大きさにより、鳴き声の大きさもそれぞれですが夜行性のため近所の方々が寝静まった夜間に鳴き始めます。鳴き声自体も、普段あまり聞いたことのないような珍しい鳴き声ですし、それが夜間に聴こえてくるのはちょっと怖いですよね。

ご近所の方々を驚かせないためにも、鳴き声が気にならない環境で飼育するようにしましょう。家と家が密接しているような場所ではなく、比較的お隣との距離が離れているような住宅環境が望ま
しいです。それが難しい都会での飼育であれば、防音設備をきちんとするなど迷惑のかからないようにしましょう。最近ではペットの犬の鳴き声がうるさいだけで怒鳴りこんでくる人もいるようですから、充分に配慮する事が大切です。

 

誤飲を避けよう

フクロウも未消化の食べ物は「ペリット」として吐き出すことがあります。ケージや飼育室で遊んでいるうちに、エサ以外の物を飲み込んでしまうことがあります。

「ペリット」として体外に吐出されれば良いのですが、胃の中にずっと滞在してしまうと大変な事になります。フクロウは見つけた物をおもちゃとして扱っているようですが遊んでいるうちに飲み込んでしまう、いわゆる誤飲をしてしまうのです。

ケージや飼育室の床にあるビニール紐、輪ゴム、針金、ボールペンキャップ、薬、サプリメント、クリップ、紙類などを飲み込んでしまいます。未消化物として吐き出されたのが確認できれば安心ですが、長時間吐き出さなければ獣医の診察を受けましょう。

誤飲は何度も繰り返ししてしまうので、誤って飲んでしまわないように毎回気をつけて片付けることが重要です。飼育場所に何か危ない物が落ちていないか、毎日確認しましょう。

 

溺死を防ごう

フクロウもインコや文鳥のように水浴びをします。浅い容器に水をはっておくと自分でその場所に来て、バシャバシャと気持ち良さそうに水を浴びます。

しかし、注意しなければならないのは浴槽などに残り湯がはってあったり、大きな水槽にフタがしてなかったりする場合です。飼い主の目の届かないうちに溺れてしまったという事例があります。

「これくらいの水なら大丈夫だろう」という気持ちは捨てて注意するに越したことはありませんので、フクロウの活動領域内に水をはって放置しておくことはやめましょう。また水浴びもできるだけ飼い主の目の届く所でさせるようにしましょう。

 

室内環境の点検をしよう

ケージ内でフクロウを飼育している場合でも、運動のために室内に放鳥することがあります。飼育室内で放し飼いにしている場合も同様に、フクロウの飛び回る室内に危険なものがないか常に点検をして下さい。

部屋の天井から吊り下がっている電気のスイッチ紐に翼が絡まって取れなくなってしまうことがあります。すぐに翼が取れれば良いのですが、取れずに暴れてますます絡まってしまうと骨折に至る場合もあるので気をつけましょう。

また、放鳥時にガラスに気づかず突撃してしまったり、他の部屋から飛んで来た鳥と正面衝突してしまったり…と室内においても危険な箇所はあるのです。運動のために放鳥した際は、フクロウから目を離さずに観察していて下さい。気付かなかった危険箇所を発見する事ができるかもしれません。

 

外敵に注意しよう

屋外のケージでフクロウをペットとして飼うことがあります。

その際には外敵からフクロウを守る対策をしっかりして下さい。屋外には、ヘビや猫、イタチなどがいます。ケージの中にいるから安心だと思わずに、外から入って来られないように丈夫な金網などにしておきましょう。最近ではペットとして人気が高いフクロウですから、盗難目的でケージに近づく人もいるかもしれません。

特に夜間には注意が必要ですから、防犯カメラを設置する、番犬を置くなど対策をしてください。大切なペットのフクロウが傷つけられたり盗まれたりしたら大変ですから外敵に対する対策はしっかり行なって下さい。

 

いかがでしたか。猛禽類であるフクロウは今やペットとして大人気です。しかし、犬や猫と違いペットとしての歴史は浅く、飼育方法もまだわからない点が多いのが現状です。また、犬や猫のように人になつく、芸をするということはほとんどありません。

その美しい姿や羽の色、不思議な生態に魅了された人が、フクロウを身近で飼育したいと願っています。野性味を失うことなく、なるべく自然に近い環境で飼育できるように工夫しています。

エサやりや体調管理など、難しい点も多いフクロウですが、飼育環境作りに注意すべき点を守って飼育すれば、きっとあなたの素敵なペットになることでしょう。生涯大切な友だちとして大切に可愛がってあげてください。

 


まとめ


フクロウをペットにするときに注意するべき7つの環境

・大きなケージを置くスペースを作る
・放し飼いができる環境を作る
・鳴き声が気にならない場所で飼育する
・誤飲を避ける
・溺死を防ぐ
・室内環境の点検をする
・外敵に注意する


連記事