人間にとっても辛い症状の口内炎ですが、猫にとっても口内炎は要注意。むしろ、人間よりも猫の口内炎の方が問題だと言っても良いでしょう。猫が口内炎になると、その痛みや不快感から食事をとらなくなってしまったり、あくびやグルーミングができなくなってしまったりという事態に。そして、水や唾液さえも飲みこむことができなくなり、体力の低下や、衰弱という結果に繋がります。
ここでは、猫がどうして口内炎になってしまうのか、そもそも猫の口内炎に隠された病気やストレスは何なのか、そして予防方法についてご説明します。口内炎の絶対的な治療法はまだ開発されていません。対処療法はたくさんありますが、それでも口内炎はまだ未知なる部分もたくさんある病気です。今回の記事をぜひ参考にしてあなたの大切な愛猫を、口内炎から守ってあげてください。
猫の口内炎で隠された
病気やストレスを見抜く方法
猫の口内炎の原因とは
人間の口内炎にも、原因がはっきりしないものがあるように、猫の口内炎においても、こういう症状が出ているからこれが原因であるということがはっきり言えないといわれています。原因がわからないため、予防が難しいところが猫の口内炎の怖さでもありますが、その中でも直接的な原因としてあげられるのが「歯石、歯垢についた細菌が増殖した結果、口内炎になった」というものです。
ただ、この原因がわかったからといって、猫に歯磨きを強制することは難しく、なかなか根本的解決に至りません。また、逆に言えば、歯石や歯垢に細菌がつくことは猫にとって珍しいことではありませんから、細菌が増殖しなければ問題が無いとも言えます。次に、細菌が増殖する原因についてご説明します。
口の中に出来た傷から、細菌が増殖&感染
猫の口内炎の直接的な理由となる、口の中での細菌の増殖。一番わかりやすい原因は、猫の口の中に傷がある状態で細菌がついてしまった状況でしょう。普段ドライフードなど猫専用の餌をあげているけれど、生の魚など小骨の多い餌を与えてしまった、落ちている尖ったものを噛んでいた、電気コードを噛んで感電してしまったなど、口の中に傷をつくる出来事は日常の中にもたくさんあります。
外飼いの猫は、口内炎になる危険が高まるのは言うまでもありませんが、室内飼いの猫でもリスクはたくさんあると覚えておいてください。またこの場合、猫が自分の口の中に違和感を感じているそぶりを見せたり、ドライフードを食べることを嫌がったりすることがあります。病気ではないのに、餌を食べることを嫌がったり、やわらかい餌しか好まなくなった場合は口の中の傷を疑いましょう。
体調やストレスから猫の口内炎も発生します
人間の口内炎も、ストレスから発生することがあるように、猫の口内炎も体調を崩していたり、ストレスがかかったときに出来ることがあります。病気になった後は、完治したように見えても口内炎が出来ていないかチェックが必要ですし、普段と違う環境に猫を置いた場合。例えば、引越しをした、赤ちゃんなど家族が増えたなど些細な出来事であっても、猫はストレスを感じているかもしれません。
家の中の環境が変わるときは、飼い主のあなたも多忙な時期かもしれませんが、猫の口内炎を防ぐために猫の立場も気にかけるようにしましょう。
ウイルス感染からの猫の口内炎発症は危険!
猫の口内炎の中でも、上記の原因2点については外部刺激のため、対策がとりやすいものですが、ウイルス感染により猫が口内炎になってしまった場合は、症状が更に重くなる可能性があります。猫のインフルエンザともいわれる猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスなど、感染力の強いウイルスは細菌と共に猫の体内に侵入し、口内炎をつくってしまいます。
ウイルス感染を防ぐには、猫を完全室内飼いにすること。どれだけ清潔にしていても、外には多種多様な猫や動物が存在しています。ほとんどの野良猫は何かのウイルスに感染していると考えた方が良いくらいですから、あなたの猫を口内炎から守るためには、室内飼いを行いましょう。
免疫力・抵抗力の低下からの猫の口内炎は、慢性的
あなたの猫の口内炎がずっと治らない…ということはありませんか。一旦完治したかのように見えても、また発症する…。その場合は、他の病気に感染している可能性があります。例えば猫エイズと呼ばれている猫免疫不全ウイルス感染症や、糖尿病や腎不全が原因で、免疫力や抵抗力が低下していることから、口内炎を発症している可能性も。
たかが猫の口内炎、と思わずに、慢性的である場合は一刻も早く動物病院で診断してもらうことをおすすめします。
いかがでしたか。口内炎と聞くと、大した病気ではないと感じていた人も多かったかもしれませんが、猫の口内炎は人間の口内炎よりも命に直結する病気です。同じ口内炎といっても、これだけの理由があるということを初めて知ったという人もいるのではないでしょうか。猫が自分の口の中に傷をつくらないように、餌に気をつけたり、ストレスをあまり与えないようにしたり、また、定期的に健康診断に連れて行くだけでも、猫が口内炎に感染するリスクは減らせるはずです。
予防法に関しては、人間の口内炎とそう変わらないもの。口内炎治療のために、抜歯という選択肢を迫らずにすむように、愛猫がいつまでも元気で過ごせるようにこの記事を参考にしてください。
今日のまとめ
猫の口内炎で隠された病気やストレスを見抜く方法・猫の口内炎の原因は、細菌の増殖
・口の中に出来た傷から細菌が増殖・進入することがあります
・引越しなど環境変化が起きた後は、口内炎に注意
・ウイルス感染からの猫の口内炎発症は危険!
・慢性的な猫の口内炎は、免疫力の低下を疑いましょう