子猫を我が家の家族に迎え入れる日、それは当然ワクワク、ドキドキの大イベントです。まだまだよちよち歩きで目も開かないごくごく小さな赤ちゃん猫ちゃんだとしても、飼い主さん家族は、夢が膨らみ、様々なおもちゃやおやつ、色々なグッズなど飼いそろえてしまう事でしょう。
でも、ちょっと待って下さい!まず、今、一番大切な事は、ひょっとして・・・それじゃあないかも知れませんよ。動く毛玉ちゃんみたいな、ちっちゃなぬいぐるみみたいな子猫ちゃんを目の前にして落ち着こうなんて無理な事だとは思いますが・・・子猫が来た!はしゃぎすぎは要注意、飼い方7つのコツ☆について、考えてみましょう。
子猫が来た!
はしゃぎすぎは要注意、飼い方7つのコツ☆
手を掛け過ぎてはいけません
生まれたばかりの子猫の場合、基本的には母猫が率先して面倒を見るものです。もし、母猫が一緒にいる場合、母猫がきちんと保育をしているにもかかわらず、人間が不要に介入し世話をしてしまうと、母猫がその瞬間を目撃していないとしても、赤ちゃんに人間の匂いが付いてしまっていたりして、母猫は育児を放棄してしまう事がありますので要注意なのです。
ですから、母猫が率先して子猫の面倒を見ているときは、「じっと見守る」事を基本とし、母猫が何らかの理由で世話が出来ない時、また、母猫に何らかの異常が見られる時にだけ人間が補助するようにしましょう。
0~1週の子猫への授乳は大変です
「誕生~7日齢」の「0~1週」の期間には、2時間に一度の授乳と、それに伴う排泄処理が必要となります。
しかし、出産頭数が多い、母猫の育児放棄、母猫の母乳の出が悪い、子猫が未熟児で自力で乳首にたどり着けない、などなんらかの問題がある場合には、飼い主さんによる人工哺乳の必要があります。
なお、子猫が最初に飲む初乳(しょにゅう)には、栄養素のほかに免疫力を高める抗体が含まれており、約8週間は病気にかかりにくくいと言われています。この初乳ですが、出産後7~10日間のみ分泌される母乳ですので、母猫がいる場合には、生後16時間以内にこの初乳を子猫に飲ませてあげる事が大切です。
また、両親猫の血液型の組み合わせ次第では、初乳を飲むことにより「新生子溶血」という病気を発症する可能性がありますので注意が必要です。
排尿・排便のお手伝いが必要です
子猫のおしっこは、通常であれば母猫が子猫の股間をなめることでふきとるものですが、母猫がいない場合には、飼い主さんがお尻を軽くこすって排尿を促してあげて、母猫の代わりをしてあげなければいけません。
これは、哺乳のたび、毎回行う必要がありますので、正直な所かなり大変な作業です。生後23~39日齢になるまでの継続となります。
まず、汚れてもいいようにタオルや新聞紙を膝の上に置き、子猫のおなかを支えて下向きに保持し、濡れたコットンやティッシュなどで股間を10秒くらい軽くこすってあげます。すると、薄黄色の尿が出てきますので、色が付かなくなるまで、この作業を繰り返します。
排便の場合、ふき取りは通常、24~36時間に一度行います。おなかを支えたときパンパンに張った感じがある場合は、肛門付近を排尿と同様の手順でこすります。
便が溜まっている場合には、茶色~黄色でペースト状の便が出てきますので、色が付かなくなるまで何度かコットンを換えながら行います。便が緩すぎたり硬すぎる時には、感染症や脱水症状の可能性がありますので、念のため獣医さんに相談します。
子猫の寝床環境を整えてあげましょう
生まれて間もない子猫は、ほとんど皮下脂肪を持たないため、体温を失いやすく、1週間程度の間は、自分でうまく体温を調整することができません。
子猫の体温は、出生時は34.7~37.2度、生後1週間で36.1~37.8度程度です。通常であれば、母猫の体温を利用して、自分にとって最適な温度を見つけては、そこにもぐりこもうとするもぐりこみ反射や、兄弟猫同士で作る「猫団子」を作る事により、体温を維持します。
しかし、母猫や兄弟猫がそばにいないときは、飼い主さんが子猫の寝床をセッティングしてあげる必要があります。実は、生後1週間は子猫が命を落としやすい極めて不安定な時期です。人間の不注意から最悪の事態が起こらないよう、充分な注意が必要です。
子猫が簡単に脱走出来ない、必要に応じて飼い主さんが子猫を取り出しやすいデザインのペットサークルを選び、毛布を敷き、床の温度が直接子猫の体に伝わらないようにしましょう。
ペット用保温出来るカーペットを用いる場合には、低温やけどの危険性を考慮し、温度が33度以上にならないよう注意しましょう。また、子猫自身が心地よい場所を選べるよう、保温性のある部分とない部分の両方を設定する様にしましょう。
電気製品を用いない場合には、保温性の高い毛布を用意し、室温は25℃以上、湿度は55~65%を目安にしましょう。
成長の時期ごとのケアが必要です
「8~14日齢」の「1~2週」の時期には、3時間に一度の授乳と、それに伴う排泄処理が必要です。1回の授乳では、約10cc程度の乳を飲めるようになるので、授乳に過不足に気をつけましょう。
生後10日前後に、まぶたがくっついているようでしたら、湿らせた脱脂綿(だっしめん)などで目頭をそっと拭いてあげましょう。ドロッとした膿の様な物が出る場合には、獣医さんに相談しましょう。放置していると失明の恐れがあります。
「15~35日齢」の「2~5週」の時期には1日5~6回、子猫が飲めるだけ授乳します。また屋外で野良の子猫を拾った場合、母猫の健康状態がよくわからないので、この4週齢を目安に一度動物病院に相談し、ワクチン接種と虫下しを実施しましょう。週齢が不明な場合には、体重が500グラムを超えたのを目安にしましょう。
乳歯は2週齢ころから生え始め、5週齢で生えそろいます。爪の出し入れや自力での体温維持も3週齢までにできるようになります。
この時期において特筆すべきは、生後2週目頃から社会化期が始まります。この社会化期とは、猫の性格を形成する上で極めて重要な時期です。この時期に兄弟猫、他の動物、人間などと幅広く接すると、将来的に人懐こくて社交的な猫に育つと言われます。
因みに、社会化期は長期的ではなく、およそ生後7週目で終了してしまう期間限定のものですので、この時期、子猫の扱い方はデリケートに考慮しましょう。
生後23~39日齢には、股間への刺激による排尿排便反射が消失し、自力での排泄が出来る様になります。つまりトイレトレーニングを始める時期です。爪切りにも慣らしましょう。
離乳期以降の子猫の様子
子猫の乳歯が生え揃ったら、ミルクから離乳食(りにゅうしょく)に切り替えましょう。半固形状態ドロッとした、多少顎を使って咀嚼する必要があるエサに変えましょう。
離乳食として与えるのに適した食材は、牛肉や湯がいた鶏ササミ、白身魚などをフードプロセッサにかけた簡単に自宅でも作れる物、更に、市販の猫用離乳食を利用すると簡便ですね。
母猫が子育てを行う場合には、乳歯の生えた子猫が母猫の乳首を噛んでしまうので、自然と乳離れになります。
この時期には、柔らかいものばかり食べていると顎の発達や歯並びにも影響しますので、生後40日前後を目安に、離乳食から顎を使って噛む食事に切り替える必要があります。
1日3~4回の食事に切り替え、おやつとして猫用のミルクを与えましょう。極端な偏食にならない様に、缶詰フードや子猫用のドライフードなど、食べやすい状態にアレンジして色々と試すことも重要です。
目と四肢の連動が急激に発達し、運動や遊び兄弟間のじゃれあいも激しくなります。兄弟猫達がいれば、生えたばかりの乳歯でお互いにかみ付き合ったり、取っ組み合ったりする中で痛みや手加減を覚えます。この様なじゃれ合いの経験は、将来、攻撃的な猫になる危険性を避ける、社会化勉強に極めて重要です。
「歯牙脱換期」、つまり乳歯から永久歯へのはえ変わりの時期、歯や顎の発達した生後5ヶ月(150日齢)を目安に、柔らかめの食事から成猫用の硬いドライフードに切り替えてあげる事も必要になります。
本来、野良猫なら、2~4ヶ月齢は母猫から狩りの方法や獲物のとり方を教わる時期です。母猫が自分の尻尾でじゃれさせたり、生きたままの獲物を持ち帰り、止めを刺す練習を子猫にさせる時期ですから、飼い主さんも遊びを通して子猫の運動能力を高める協力をしてあげましょう。
子猫のかかりやすい病気の色々
飼い主の心がけにより予防できるものもありますので、事前に認知し、いざという時、慌てないようにしましょう。子猫衰弱症候群・先天的奇形・低血糖・感染症・寄生虫症・免疫性溶血症など様々な病気があります。
兄弟猫との母猫の乳首争いに負けた子猫、人工授乳が適切に行われなかった子猫など栄養不足には気をつけてあげなくてはいけません。
感染症については、母猫が各種感染症にかかっていた場合にも、血液や胎盤を経由し子猫も感染する可能性がありますので、予防には、母猫の妊娠前のワクチン接種完了も必要となります。
また、免疫性溶血症は、母猫の初乳が子猫の血液中にある赤血球を破壊し、貧血症状を引き起こし死にいたる事もありますので、気をつけましょう。
本来、初乳の持つ抗体作用により、子猫には免疫力があるという事は広く知られている事です。
しかし、母猫と父猫の血液型の組み合わせによっては、味方であるはずの抗体が、子猫の赤血球を破壊し溶血現象を引き起こし、子猫の命を奪ってしまう事があります。
必ずしも初乳を与える事が絶対!ではない、という事だけは覚えておきましょう。
いかがですか。以上が、子猫が来た!はしゃぎすぎは要注意、飼い方7つのコツ☆です。可愛い子猫に愛情を注ぐという事は、実に、時間も根気もいるものだという事がお分かりになりましたか?
生まれたての小さな子猫、小さければ小さいほど可愛さも格別ではありますが、飼い主さんは、可能であれば24時間体制で、赤ちゃん子猫に注意を払い、世話を怠らないという必要があるのです。それは、想像をはるかに上回る苦労です。
それが、無理なら早くて生後1カ月、待てるのであれば、生後3か月位までは、母猫さんの元、様々な心配がいらなくなる時期まで、子育てを母猫さんにお任せして、その後、譲りうける事をお勧めします。
覚悟をもって、新しい家族を迎え入れましょう。
まとめ
子猫が来た!はしゃぎすぎは要注意、飼い方7つのコツ☆・手を掛け過ぎてはいけません
・0~1週の子猫への授乳は大変です
・排尿・排便のお手伝いが必要です
・子猫の寝床環境を整えてあげましょう
・成長の時期ごとのケアが必要です
・離乳期以降の子猫の様子
・子猫のかかりやすい病気の色々