愛犬と暮らすことは飼い主である私たちに幸せをもたらしてくれます。言葉を話すことのできない愛犬と理解しあい、家族として一生涯付き合うために「しつけ」というルールを作ることが大切です。
困ったくせのある愛犬は家族だけでなく他人にも迷惑をかけてしまいます。大切な愛犬と心豊かな生活を送るために犬のしつけは必要不可欠なものです。「しつけ」を通して愛犬と飼い主が理解し合える関係となり、一生涯の素敵なパートナーになりましょう。
犬のしつけを基本から見直そう!
困ったくせを解消する方法
噛みぐせを治そう
犬は口の中に対象物を入れて、それが何か確認しようとします。犬は遊んでいるつもりでも大型犬になると人や物を傷つけてしまうほどの力があります。
犬には「むやみやたらに噛まない」というしつけが必要です。犬はどんな時に噛むのか、原因を知ることにより噛みぐせを治すことができます。遊びの延長で人の手や物に噛み付いてしまうことが多いですが、じゃれついて来た時には飼い主が大声で「痛い」と言いながら少しオーバーに痛がります。
反対に噛まれた後に犬を完全に無視するのも効果的です。これで犬は噛むことは良くないこと、飼い主に喜んでもらえないことと認識して噛むことをやめます。本気で犬が噛んでくる時には、犬の口の中に腕を押し込み、なるべく低いトーンで「いけない」と言います。
一度や二度では覚えませんが、根気よく繰り返すことが大切です。
むだ吠えを治そう
犬の困ったくせの中でも悩みが多いのがむだ吠えです。最近では近隣住民との鳴き声トラブルが問題になっています。大切な愛犬がトラブルの原因にならないように、早めにむだ吠えを治すようにしましょう。
犬は見知らぬ物や人に会ったときに恐怖心などから吠えることがあります。子犬の頃からいろいろな物を見たり人に接してきた犬は平気ですが、そのような体験のない犬、もしくは以前に怖い体験をした事がある犬はむやみやたらに吠えてしまいます。
飼い主は何に犬が恐怖心を抱いているのか観察して「これは大丈夫だよ」ということをわからせてあげることが大切です。リラックスした状態で優しく声をかけてあげましょう。人や物に慣れさせようと無理やり人ごみや交通量の多い場所へ連れ出すことは逆効果になってしまうので絶対にやめましょう。
また、留守番をしているときに寂しくて吠え続ける犬がいますが、そのような場合、飼い主が帰ってきた際に「上手に留守番できたね」と言いながら思いっきり褒めてあげましょう。留守番を繰り返すうちに、飼い主が帰ってくると褒めてもらえることを理解し静かに待っていられるようになります。
トイレ以外での排泄をやめさせよう
室内飼いの犬がトイレ以外の場所で排泄してしまうのは、飼い主を悩ます困ったくせの一つですね。犬がトイレ以外の場所で排泄してしまうのには、いくつかの原因があります。
トイレが気に入らない、マーキングのため、しつけ不足、飼い主の関心をひくため…など。それぞれの原因に合わせてくせを治していくことが大切です。トイレが気に入らないという場合、トイレの回りに犬が不快に感じるものがないか確認し、あればすぐに取り除いてあげましょう。
例えば、カサカサと音がするビニール袋など犬が怖がる物があったり、エアコンの風が直に当たるので置き場所を少し変えるなど環境を変えるだけで解決できることがあります。犬がトイレに行きたいような仕草をしたらすかさずトイレに連れていき、上手にできたら必ず褒めてあげましょう。
犬は賢い動物ですから繰り返し教える事で必ず覚えてくれます。
リードを引っ張るのくせを治そう
家の中でしっかりしつけをされている犬でも、戸外へ散歩に出かけると興奮して走り回ってしまう犬がいます。大型犬にリードを引っ張られ飼い主が転倒して大けがをしてしまった例もあります。飼い主はいつでもリーダーですから、飼い主の制止を振り切って走り回ってはいけません。
そうならないためにもリードを引っ張るくせをしっかり治しましょう。散歩中はリードを短めに持ち、常に飼い主の左側に犬がつくことを覚えさせます。犬が好き勝手な方向に行こうとしたらリードを引っ張り所定の位置につけさせます。
またリードが張っている時には飼い主は一歩も動いてはいけません。リードが張った状態では飼い主が動かないことを犬に覚えさせるのです。これを繰り返すことにより、犬が自分の意思で好きな方向に動いてしまうことはなくなります。
拾い食いのくせを治そう
犬は本能的に自分のいる環境の中で、食べられそうな物があれば口にしてしまいます。エサの量が足りていない時、体調が優れず他の物で補おうとする際に拾い食いをしてしまうことがあります。
しかし、体に害を及ぼすような物をうっかり食べてしまったら大変です。飼い主は愛犬を危険から守るためにも、拾い食いをするくせをしっかり治すことが大切です。愛犬と飼い主の間に信頼関係を築くことにより、リーダーである飼い主が「いいよ」と言うまでは勝手に物を食べてはいけないとしつけます。
これは、ごはんやおやつを与える時も同じです。飼い主が「食べてもいいよ」という指示を出すまでは我慢する事を覚えさせます。また、一度口に入れた物を吐き出す事も教えましょう。リーダーである飼い主が言うことは絶対です。
どんなに犬が食べたいと思っても飼い主が「出せ」と言えば口の中から物を吐き出すしつけを行います。これにより万が一、危険な物を口にしてもすぐに出す事ができます。日常生活では飼い主が食べている物を犬に与えたり、こぼした物を下で拾って食べることを許可してはいけません。
食べるものは飼い主からもらう物だけと認識させることが大切です。
飛びつきくせを治そう
人が近づくと飛びつく犬がいます。犬は嬉しくて飛びついてしまうのですが小さな子どもやお年寄りに飛びつき転倒させてしまっては大変です。子犬のうちから飛びつきくせを治してしまえばよいのですが、実はこの飛びつきくせを飼い主が助長してしまっていることがあります。
子犬などが飛びついてくるとつい可愛くて「よしよし」などと言いながら頭を撫でてしまってはいませんか?このような場合は、犬を褒めることはせず、飛びつかれても嬉しそうな顔はせず低い声で「おすわり」と言いましょう。
おすわりができたら褒めてあげ、おすわりできない場合は完全に無視をします。おすわりができるまでじっと待ち、おすわりができたら思いっきり褒めてあげましょう。
おやつを与えてもいいです。この行為の繰り返しで犬は飛びつくことはだめなことで、飼い主の近くにおすわりすることが飼い主が喜ぶ行為だと気づきます。
このようにして犬の飛びつきくせを治しましょう。
かじりくせを治そう
犬は本能的にかじることで物事を判断し学習する生き物です。かじることは犬社会では当たり前のことなんです。その本能を理解しつつ飼い主はかじるくせを治す工夫をしなければなりません。
犬にとっては身の回りにある物はすべておもちゃに匹敵します。飼い主は犬を家庭に迎い入れたときからかじっていい物とだめな物の区別をつけなければいけません。
おもちゃやガムなどかじっていい物をかじった時は褒めてあげることを忘れずにして下さい。反対にかじっていけない物をかじってしまった際は、犬の目をしっかり見て「いけない」と低い声で叱ります。
犬は褒められる事が大好きな動物です。褒めることと叱る事の区別を飼い主がしっかり行うことでかじりくせを治すことができるのです。またストレスを溜め込むことで犬はかじってしまうことがあるので日常から散歩や遊びを充実してあげることが大切です。
いかがでしたか。愛犬との暮らしは飼い主の生活を豊かにしてくれる素敵な時間です。しかし、大切な愛犬がきちんとしつけをされていないと周囲に迷惑をかけることになったり、愛犬自身が不快な思いをすることになってしまいます。
愛犬にしつけをすることは飼い主の責任でもあります。人間と犬が同じ社会でお互いを尊重しながら暮らしていくために、愛犬の困ったくせを治してあげることが大切です。
あなたと大切な愛犬の豊かな暮らしを応援しています。
まとめ
犬のしつけを基本から見直そう!困ったくせを解消する方法
・噛みぐせを治そう
・むだ吠えを治そう
・トイレ以外での排泄をやめさせよう
・リードを引っ張るのくせを治そう
・拾い食いのくせを治そう
・飛びつきくせを治そう
・かじりくせを治そう