オッドアイと言えば、左右の虹彩色が異なる虹彩異色症、あるいはそれを有する猫のことです。例えば、代表的な物では、一方が黄色系で、もう一方が淡青色の左右が違った色合いの眼を「オッドアイ」と呼びます。
日本では「金目銀目(きんめぎんめ)」として珍重されてきました。
オッドアイは、どのような毛色の個体にも存在はしますが、特に「白」に多く現れると言われています。
そんなオッドアイを持つ犬や猫は、どこかミステリアスな雰囲気が人気で、アニメや文学の世界にも時折登場し、熱狂的なファンも多いようです。
その様に希少価値が高く、魅力的なオッドアイの誕生の理由を考えてみましょう。
犬や猫のオッドアイが発生する7つの理由とは?
遺伝子の色素欠乏により「オッドアイ」になります
一番最初に理由として考えられるのは、「遺伝子」の関係で、オッドアイとなることが挙げられます。これは、特に白い猫に多くみられるケースでしょう。
なぜ体毛が白い猫、若しくは体毛の一部に白色を持つ猫に、オッドアイが多いのか。それは、白い体毛の猫が生まれる為の遺伝子のメカニズムとオッドアイの発生には深い関係があるからです。
白毛の遺伝子という物は、体毛を白くする為に、色素細胞(メラノサイトといいます)を欠乏させて起こるということが原因と言われています。
例えば、同様に、青い眼の猫には、目に青い色素があるから、眼が青いのではなく、眼の色素が欠乏することで眼が青く見えているのです。
これらふたつが同時に出る事は多く、その理由としては、色素を欠乏させる遺伝子が、体毛と眼の両方に影響を及ぼすことにより、白毛で青い眼の猫の割合が高くなるのだと言われます。
して、この時、片方の眼だけの色素を脱落させるという現象がおこると、片方の眼だけが青い「オッドアイ」が生まれるという事になります。
胎内での色素形成の異常が起こり「オッドアイ」が生まれます
同じ先天性の理由の中にも、個体の遺伝子によるものではなく、母親の胎内にいた際に、正常な色素の作成が行われず「オッドアイ」という形で現れるというケースもあります。
このケースでは、体のどの部分に色素の異常や違いが出てきてもおかしくなく、様々な可能性が考えられるのですが、それが、たまたま「虹彩の色」に現れた場合に、左右の眼の色が違う「オッドアイ」という形になる訳です。
メラニン色素の量の減少が「オッドアイ」を作ります
人間も動物も同様ですが、メラニン色素の量で、虹彩の色が決定されると言われています。
例えば、猫について考えてみると、メラニン色素が多い猫の場合、猫の目の虹彩の色は「銅色(カッパー)」で、そのメラニン色素が少なくなっていくに従い、「薄茶色(ヘーゼル)」から緑、そして青という目の色の違いが出てくる訳です。
生まれた当初は、両虹彩ともに、メラニン色素の多い「銅色(カッパー)」の目であったとしても、その後、様々な理由で片方の虹彩の色素だけが薄くなるという状態が起こる事があります。
その際に、左右違った虹彩の色に変化していく事により、後天的に「オッドアイ」になるという可能性もあるのです。
ちなみに、「銅色(カッパー)」や「薄茶色(ヘーゼル)」などのいわゆる黄色系統の目の色は、ヤマネコの目の色に近く、たとえ子猫の頃には黄色系統の色の目であっても、成猫になるとグリーンに変わる猫も多くいます。
青い色の眼は、白猫やシャム系のネコに、多く見られます。
これらは、元々日照時間が少ない地域に暮らしていた種の猫に多く見られる物です。それは、眼の色素を薄くすることで、眼球内に入る日光の量を多くするという猫の環境に適応するための身体的メカニズムから、その様な事が起こったと考えられるのです。
事故により、光彩の損傷が原因となります
上で挙げた先天性の理由以外にも、後天性の理由で「オッドアイ」になることがあります。後天性の理由とは事故で光彩を、直接損傷してしまったというケースでの「オッドアイ」です。
目のけがにより、神経の損傷が原因となります
また、直接目をけがしたような場合には、目の神経を損傷してしまうこともあります。その結果、片方の目のメラニン色素の量だけが減少してしまい「オッドアイ」になることもあるのです。
病気の影響で「オッドアイ」になります
緑内障などの病気の結果、「オッドアイ」になる可能性もすてきれないそうです。
緑内障になると、眼圧の上昇を伴う事が多いため、眼の色を左右する虹彩の損傷が起こることがあり、眼の色を変えてしまう事に繋がる事があると言われます。
選択交配により生みだされる事もあります
特に、純血のジャパニーズボブテイルは、ブルーアイやオッドアイの三毛が好まれます。その様な理由から、ブリーダーがあえて選択交配を行う事により、生まれる確率を高くするという事もあります。
ブルーアイやオッドアイの白三毛は、ほとんどが真っ白な身体で、頭のてっぺんとシッポ部分にのみ、黒や茶色の柄が入というパターンになっています。
いかがですか。「オッドアイ」の発生のメカニズムについては、以上の様な事が考えられますが、いずれにしても偶然が重なり、現れるという印象は否めません。
「オッドアイ」については、魅力もさることながら、共に、障害の心配も一般的に語られますね。
「オッドアイ」を有する猫については、薄い色、すなわち青色の眼の側の「聴覚」に障害がある場合が多いので、「オッドアイ」=障害があると捉えられがちです。
万が一、障害があったとしても、これは青色の眼の側の「聴覚」だけに起こる事が一般的で、青色ではない方の眼の側の「聴覚」は、正常であるということが普通ですので、あまり大きな問題ではないと言えるでしょう。
また、その発生率についても、おおよそ3割から4割ほどであるという研究結果がありますので、デメリットにとらわれすぎない事も大切でしょう。
まとめ
犬や猫のオッドアイが発生する7つの理由とは?・遺伝子の色素欠乏により「オッドアイ」になります
・胎内での色素形成の異常が起こり「オッドアイ」が生まれます
・メラニン色素の量の減少が「オッドアイ」を作ります
・事故により、光彩の損傷が原因となります
・目のけがにより、神経の損傷が原因となります
・病気で「オッドアイ」になります
・選択交配により生みだされる事もあります