猫がかかる病気は、実に多様です。それは、どんな猫でもかかるような代表的なものから、聞き慣れない名前の珍しい病気まで、多岐に渡ります。猫も人間と同じく五臓六腑のある生き物なのですから、色々な病気のリスクは常にあるもの。猫を飼うなら、そんな病気の数々を、事前に知っておくことをおすすめします。猫の様子がおかしくなって初めて調べるのでは、遅い場合もきっとあるでしょう。
また、猫の様々な病気を知っておくことによって、事前に予防できるものは対策を立てることができるようになりますから、絶対に知っておいて損はありません。今回は、たくさん存在する猫の病気の中から、代表的なものからレアなものまで、順にお伝えします。
猫の病気を代表的なものから
レアなものまで集めました
猫風邪
猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、猫クラミジアの3つからなる病気をまとめて、猫風邪と呼びます。これは、猫の病気の中でも一番耳にするものではないでしょうか。これらは感染力が強く、多頭飼いしている場合は、最初の一匹から始まり、同居猫に次々と感染します。症状は、鼻水、くしゃみ、発熱、目やになどから始まります。事前にワクチンを打っていれば重症化することは避けられますが、感染しないようにすることはできない病気ゆえ、よく耳にするのでしょう。
命の危険は少ない病気ですが、子猫の場合は要注意です。体力が無いため、簡単に死に至る可能性がありますので、ワクチン接種はできるだけ早く行いましょう。
猫エイズ
猫エイズも同じく、猫の中ではよく聞く病気ですね。猫エイズウイルスの感染力はそれほど強くはありませんが、一度感染すると急性期、無症状キャリア期、猫エイズ発症期の3つのステージに分かれ、感染してから死を迎えるまで、年単位の長い付き合いになる病気です。そのため、感染力は弱くても、他の猫と長期間一緒に過ごしている間に、いつの間にかうつしてしまっているという事態もよくあります。急性期、無症状キャリア期は命の心配は小さいですが、猫エイズ発症期になると免疫力がどんどん落ち、様々な病気に対抗することができなくなり、死に至ります。ただ、猫エイズ発症期は、ストレスの有無によって訪れる時期が変わると考えられているので、無症状キャリア期にストレスを少なく過ごせば、余命を長くすることができます。
腎不全
猫は腎臓や膀胱などの、循環器系の病気になりやすいです。その中でも、腎不全は猫の死因のトップとも言われます。これは、猫のご先祖が乾燥地帯に住んでいた頃の名残で、水分をあまり摂らなくても活動できることに起因します。水を飲まなくても動けるからと言って、身体にダメージが無いわけではありません。水分が足りないせいで、濃く濃縮されたおしっこが腎臓にダメージを与え、機能を低下させるのです。
この腎不全は、高齢猫なら誰でも起こり得る病気と言われていますが、なるべく水分を飲ませるようにして、腎臓を健康に保つようにしましょう。
血管肉腫
猫の病気の中では、かなり珍しい部類に入る病気です。これは、血管の内側にある細胞がガン化し、珍しい中でも、10歳くらいの高齢猫に多い病気とされています。見てわかる症状は嘔吐や下痢などですが、身体の内側では痛みや腫瘤などが発生していて、飼い主が気付くのが遅くなることが多いようです。この腫瘤は大きくなると血管を破裂させ、最悪、命を落とす危険がある病気です。心臓にできることもあり、その場合は心不全の症状を見せるようになります。
いわゆるガンの一つですから、予防策はありません。猫が高齢になったら、その他の病気チェックも併せて、まめに様子を見てあげて早期発見に努めましょう。
猫伝染性腹膜炎
「伝染性」とある通り、コロナウイルスというウイルス感染により起こる病気です。この病気は謎が多く、感染経路もはっきりとしていません。ですが、ほとんどの猫は、このコロナウイルスに感染しても、発病せず元気に過ごせます。ただ、感染した猫のうち数パーセントのみが、ストレスや体調不良など、色々な要因が重なった結果発症するそうです。症状としては、発熱や食欲減退から始まり、腹水、胸水が溜まったり、内臓や神経系が冒されて感覚麻痺や排便の困難などが起こります。
抗生物質や免疫抑制剤を使用した対症療法が主ですが、まだはっきり解明されていない病気のため、完治は難しいとされています。残念ながら、発症してしまうと死に至る可能性が極めて高い病気です。
いかがでしたか。今回ご説明した猫の病気の中で、初めて聞くものはありましたでしょうか。猫風邪、猫エイズ、腎不全は恐らく何度も聞いたことがある病気だと思いますが、血管肉腫と猫伝染性腹膜炎については、初耳だという人もいるのではないでしょうか。これらの猫の病気はあくまで一例で、世間にはもっとたくさんの病気が存在します。それら全ての病気から猫を守るということは不可能に近いですが、事前に猫の病気に関する知識を身に着け、感染予防や早期発見ができるようになると、かなり便利です。
ここでご説明した病気はもちろん、代表的なものだけではなく、レアな病気に至るまで、色々な知識を身に着けておくと、もしもの時に必ず役立つはずです。
まとめ
猫の病気を代表的なものからレアなものまで集めると
・猫風邪
・猫エイズ
・腎不全
・血管肉腫
・猫伝染性腹膜炎