カブトムシの幼虫飼育マニュアル☆上手に育つ7つの注意点

以前はカブトムシの幼虫を飼育しようと思えば、製材所のおがくず置き場に行って、中をかき混ぜれば幼虫がたくさん見つかったものでしたが、最近ではカブトムシの幼虫を自然の中で手に入れるのが困難になって近所のホームセンターか通販を利用するのが一般的のようです。

カブトムシの幼虫の飼育はマンションのベランダなどの小さなスペースがあれば育てる楽しみを満喫できるので、子供から大人までたいへん人気がありますが、ちょっと油断すると、りっぱなカブトムシが誕生するはずだったのに残念な結果になってしまいます。

そこで今回は、今までうまくいかなかった人や初めてカブトムシの幼虫の飼育に挑戦しようとしている人のためにカブトムシの幼虫飼育マニュアルを大公開!また上手に育てるための注意点も合わせてお伝えします。

 

カブトムシの幼虫飼育マニュアル☆
上手に育つ7つの注意点

 

☆カブトムシの幼虫の飼育に必要な物

飼育ケース

カブトムシの幼虫の飼育には、昆虫飼育用のプラケースがホームセンターなどに売ってあります。飼育する幼虫の数は中型のケースなら2匹までが原則。複数の幼虫を育てたい時は中が広くでしかも丈夫な衣装ケースなどがオススメです。

[注意点1]
なるべく幼虫1匹に対する占有面積を広くするために、1つのケースでたくさんに幼虫を飼うのは避けるようにしてください。あまり詰め込みすぎると死んでしまったり、成虫に育ったとしても小さなカブトムシになってしまいます。

 

飼育用マット

カブトムシの幼虫を飼育する専用のマットはペットショップか通販で手に入ります。また、大量に育てる時や幼虫を卵からかえして育てる時は大量に必要になりますので、ホームセンターの園芸コーナーに売っている腐葉土でも代用できます。

[注意点2]
飼育用マットにカブトムシの幼虫を入れる前にはガス抜きと加水をしておく必要があります。買ってきた飼育用のマットを袋から出して衣装ケースなどの大きな容器に入れるかビニールシートに広げガス抜きをします。マットを袋から開けた時の異臭がとれて、山の土のような臭いになったら完了です。(1日〜7日間放置、必ず日光にさらすこと)

加水とはマットを湿らすことで、ガス抜きしたマットに均一に水をかけて湿らせます。目安は土を手で握った時に形が残る程度です。また握った時に水がにじんできたら水のかけすぎなので注意してください。

 

朽ち木

朽ち木とは小さい頃に山で遊んだことのある方はお解かりと思いますが、公園や林の中の地面に落ちている腐りかけて柔らかくなった枝のことです。特にクヌギやコナラはカブトムシの幼虫の大好物なので、飼育の際に朽ち木をマットと一緒入れればより良い環境で育てることができます。

[注意点3]
朽ち木の中に害虫がいるかも知れないので、拾ってきたら一度かなづちで割って中を確かめること。また飼育ケースの中に入れる前に一度水に浸して湿らせてから入れるようにしてください。飼育内の乾燥防止にも効果的です。

 

☆カブトムシの幼虫を飼育するのに適した環境

直射日光を避け、日陰で風通しの良い場所で育てる

直射日光があたるベランダや暖房や冷房の影響で飼育ケースの中の温度が極端に暑くなったり寒くなったりする場所を避けるようにしてください。また、カブトムシの幼虫は寒さには比較的強いのですが、真冬に飼育ケースの中の湿気が多すぎるとマットが凍って死んでしまうこともあります。ちなみに理想的な温度は20℃から25℃です。

[注意点4]
日陰のベランダで育てる場合でも、飼育ケースをベランダのコンクリートの上に直接置くと、コンクリートに溜まった熱がケース伝わって中が高温になることがあります。必ずベランダの床に底木をひいて、その上に置くようにしてください。また、暖房が効いた室内でカブトムシの幼虫を飼育する場合、タンスの上などの高い場所に置くと酸欠で死んでしまう可能性がありあます。飼育ケースはなるべく低い場所に置くようにしてください。

 

飼育マットは常に適度な湿り気を保つ

カブトムシの幼虫の飼育に乾燥は大敵です。特に冬場、飼育マットの表面はからからになりますので注意が必要です。給水のしかたで理想的なのは、霧吹きを使ってこまめに水分を補給することですが、時間が取れない場合は湿ったスポンジや朽ち木を載せておくのも効果的です。

[注意点5]
コップの水を直接飼育マットにかけるのはNG!最初のうちはいいかも知れませんが、時間がたつとケースの底に水が溜まってしまい、飼育マットを全体的に湿らすことができません。

 

☆飼育マットの交換のしかたと冬越しの際の注意点

飼育マットは幼虫の発育やマットの状態によって取り替える必要があり、時期の目安は10月と翌年3月の2回です。

10月のマット交換について

飼育マットはカブトムシの幼虫にとっては寝床兼食料です。10月頃にマットの上の糞が目だってきたり、飼育マットのかさが減ったと感じたら交換のタイミングです。初回同様、飼育マットのガス抜きをして全体的に湿らせてから交換するようにしてください。また幼虫は交換したマットの上に置けば自分で潜っていきます。

[注意点6] 冬越しの際の注意点
カブトムシの幼虫は冬を向かえ気温が下がってくると活動がにぶくなり餌もあまり食べなくなります。この時期は無理に温かい場所へ置こうとせず、自然に任せて寒い場所で飼育するようにしてください。また飼育マットが一番乾燥しやすい時期でもあります。水分補給はこまめに行うようにしましょう。

 

3月のマット交換について

新しい年を迎え3月頃になると、カブトムシの幼虫はさなぎになる準備のために餌をたくさん食べ始めます。幼虫からさなぎになるのがだいたい5月から6月にかけてなので、少なくとも4月に入る前にはマットを交換しておくようにしてください。

[注意点7]
3月のマット交換は健康で大きなさなぎを作るためにとても大切な作業です。

■飼育マットの深さは最低でも飼育ケースの底から20センチ以上はあること→この深さがないとさなぎになるための蛹室が作れません。

■飼育マットの水分を多くしてガチガチに固める→飼育マットの水分が少ないと蛹室の空洞が崩れやすく、幼虫は自分の体から水分を出して空洞を作ろうとします→水分を出した分、さなぎが小さくなり、結果的に小さなカブトムシが誕生します。

 

いかがでしたでしょうか。

夏、カブトムシの幼虫の飼育を始めるところから冬を越して翌年5月か6月にさなぎにになる前までの飼育のしかたをご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。とにかく、ちゃんと育てるコツは大きめの飼育ケースになるべくたくさんの飼育マットを入れて少ない数で育てること。それと気温と湿度も大切な要素です。

ところで、全国各地のホームセンターやスーパーマーケットでは夏になるとカブトムシ用の飼育ケースをはじめ、むし籠や編みなどのカブトムシグッズがならびますが、カブトムシを飼うというのはそれこそ日本独特の庶民文化です。

昭和の時代、カブトムシの餌はもっぱらスイカの皮でありましたが、今ではカブトムシゼリーになり、カブトムシの幼虫を育てる場所も腐葉土から飼育用マットに変わりました。ですが、時代が流れ形が変わってもカブトムシを飼うという文化は変わらないないようです。ぜひみなさんもしっかりカブトムシの幼虫を飼育してりっぱなカブトムシを誕生させてくださいね。

 

まとめ

カブトムシの幼虫飼育マニュアルと育てるための7つの注意点をご紹介します

☆カブトムシの幼虫の飼育に必要なもの

・飼育用ケース
[注意点1] 1つのケースでたくさん飼育するのは避ける
・飼育マット
[注意点2] 飼育用マットは必ずガス抜きと加水を行う
・朽ち木
[注意点3] 害虫が中にいるかも知れないので金づちで割って確かめる

☆カブトムシの幼虫を飼育するのに適した環境

・日陰で風通しの良い場所で育てる
[注意点4] いくら日陰でもコンクリートの上に直接置くのはNG!
・飼育マットは常に適度な湿り気を保つこと
[注意点5] 湿り気を飼育マット全体行き渡らせるためには霧吹きが最適

☆飼育マットの交換のしかたと冬越しの際の注意点

・10月のマット交換について
[注意点6:冬を越す際の注意点] 飼育マットの乾燥を防ぐため水分補給をこまめに行う
・3月のマット交換について
[注意点7] 飼育マットの深さと水分量と固さに気をつける


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