猫の便秘を解消するために知っておくべき5つの基本事項

猫の便秘を解消するために知っておくべき5つの基本事項
最近、うちの猫ちゃん、お食事の量の割にはウンチの量が少ない。以前は長いウンチをしていたのに、なんだか最近は小さいコロコロウンチばっかり…なんて、毎日のトイレ掃除をしながら感じた事はないですか?

また、トイレタイムの前に必ず走り回る。何度もトイレに出たり入ったりして落ち着かない、あるいは、逆に便が出るまで長時間トイレにいる…なんて事はないでしょうか?

更には、ウンチをしようと力むと、トイレの中で吐きそうになったり、力みながら、突然大声で鳴いてしまったり…など、あきらかに普通の状態ではない場合、そんな猫ちゃんは、ひょっとしたらひどい便秘でとても苦しんでいるのかも知れませんよ。

食事や行動には、目に見えて変化はないし、ウンチの様子は少し違うけれど、毎日、排便はしているし、ウンチの量が減ったことで、トイレの掃除が楽になったし…別に問題ないんじゃない?などと便秘を非常に軽視してしまってはいませんか?便秘について少し詳しく見てみましょう。

 


猫の便秘を解消するために
知っておくべき5つの基本事項

 

食物繊維の多い食事を心掛けましょう

便秘も初期段階であれば、食事の内容に少し配慮しただけでも改善出来ます。例えば、食物繊維が豊富なサツマイモは、便秘対策の為の代表選手ですね。蒸かして潰したものを普段のお食事に加えたり、スープにしたりするのは、とても良い様です。

因みに輪切りにしたさつまいもを水で濡らし、ラップでくるんでレンジで加熱すると簡単に蒸かすことができますので、お勧めです。

また、オリゴ糖や市販の食物繊維商品をふだんのお食事の缶詰やレトルトに混ぜたりすることも効果があります。ヨーグルトなどもいいでしょう。

調理した肉や野菜を与えるのも良いようですが、ほとんどの猫は食べ慣れないものは警戒し、なかなか食べてくれないので、蒸かして冷ました後、小さく切って食べさせるなどの工夫が必要です。

猫ちゃん、それぞれの嗜好もありますから、様々な食物繊維豊富な食材を試してみるのもいいでしょう。

食事の他に酵素のサプリメントを足してみることで、毎日の生活で消耗していく酵素を補うことが出来るので、効果があるとも言われます。

そして、毎日の水分摂取が少ない猫ちゃんの場合は、便も硬くなりがちですので、いつでもきれいなお水を飲めるよう準備してあげましょう。

 

十分に運動をさせましょう

お宅の猫ちゃん、運動不足ではないでしょうか?勿論、普段の状態の猫ちゃんは、寝るのが大好きでいつでも日向ぼっこしながらのんびり過ごしているイメージがあるものですが、運動時間つまり遊びの時間には、思いっきり身体を使って遊ぶはずです。それなのに、運動することが減りゴロゴロ寝てばかりいるようになったら病気か、あるいは、便秘のサインかも知れませんので、見逃さない様にして下さい。

また、十分に身体を動かせば、お腹の中も活発に活動しますので、お通じも良くなり、便秘にならずに済みます。時間がある時は、なるべく猫の遊び相手をして積極的に運動出来るよう、意識しましょう。

 

マッサージをしてあげましょう

猫ちゃんの様子がいつも少し違うと感じたら、猫ちゃんの下腹部に、「の」の字を書く様にマッサージして撫でてあげると良いそうです。

軽度の便秘の場合には、腸の働きを促してあげると、便通がきやすくなると言われている様です。猫ちゃんのお腹に触れる事に慣れてくると、便秘がかなり酷い状態であれば、腸の中で固くなっている便の様子が触った感触でも分かる様になるそうです。

しかし、このマッサージについては、少し注意が必要です。

このお腹に触れるという行為は、猫ちゃんが嫌がる時は絶対にしないようにしてください。猫ちゃんにとって、他人にお腹を触られるという事は、大変抵抗を感じるものだと言われていますので、そのストレスが逆に便秘の原因になり、新たな便秘、更には、深刻な便秘を引き起こさないとも限らないからです。

 

獣医師さんによる内科療法を受けましょう

以上の様な普段の生活の中で改善出来なかった、しぶとい便秘は、獣医師さんにお願いするしかない場合もあります。

動物病院では、血液検査、ラキサトーンなどの毛玉除去剤が処方、モニラック(ラクツロース)という薬剤で便の水分を増やし、排泄を促すなどの処置を行うと言われます。

便がでない状態、つまり便秘が長く続き、それを放置してしまうと、状態は更に悪化し、巨大結腸症などが発症する心配も出てきますので、早急に対処しなければいけないのです。

しかしながら、これらの薬剤使用にも、全く問題が無いとは言えません。

薬剤に耐性が出来て徐々に効果が薄くなってしまったり、長期に与え続けるには安全面で疑問がある事などです。

また、猫が脱水症状に陥らないよう、点滴や皮下注射によって輸液を行うというケースもある様です。

それと、実は、何らかの疾病によって便秘が引き起こされているという可能性もありますので、その様な場合には、まずは、それらの基礎疾患への治療が施されるのです。

 

獣医師さんによる「浣腸」や「摘便」で便秘解消しましょう

補液や、腸管刺激剤を使用した結果、一時的には頑固な便秘が解消出来るかも知れませんが、もし、それでもお通じが来なかった場合の対処法です。

自力で排便ができず、薬剤でも排便を促すことが出来なくなった場合には、最終段階の手段として「浣腸」や「摘便」といった直接的な方法で溜まった便を出す必要があります。

猫ちゃんの体への負担を考慮し、体温程度の温水で「浣腸」を行って下さる獣医師さんもいらっしゃいますが、多くの場合はグリセリンの濃度を調節した浣腸液を使用するそうです。

しかし、これには、十分な注意が必要で、グリセリン浣腸液を肛門から何度も入れることで、腸の粘膜を薄くしてしまうなどのリスクもある為、処置の際には腸を傷つけない為の技術的配慮が必要となるのです。

「摘便」は、直腸に便が詰まりきってしまい「浣腸」でも出ない場合の最終的な処置です。

直接、肛門に指を入れて、便を掻き出す訳ですから、場合によっては、麻酔が必要な事もあります。猫ちゃんにとっては、かなりのストレスです。

体への負担もさることながら、直接肛門から硬化した便を掻き出されることで腸管に傷がつくリスクは、かなり高いと言えるでしょう。その為、通常でも処置終了後には、細菌感染予防の抗生剤を処方されることが多いようです。

いずれにしても、これらはあくまでも対症療法であり、根本的な改善ということではないのです。

 

いかがですか。実際には、便秘状況に至るには、突然のできごとではなく、徐々にウンチの状態も変化していくものです。長さや太さは勿論、艶のあるしっかりした便から徐々に短くコロコロした便に変わっていくので、しっかり観察していれば、把握できるでしょう。

また、ウンチだけでなく、急に口臭がきつくなった。食事は、欲しがるが、実際に食べる量は減っている。避妊・去勢の手術もしていないのに急に下腹が出てきた。など、猫ちゃんの様子が変化する事もありますので、常に大切な猫ちゃんの様子の変化は見落とす事のないよう気を付けて下さい。

猫ちゃんの便秘の原因として、かんがえられる事は、単純に毛玉が溜まっている、食事のバランスが良くない、運動不足、代謝異常や排泄障害などがあります。

いずれにしても、その為、巨大結腸症になったり、長期に渡り便秘症状を繰り返すうちに、何度もグリセリン浣腸や摘便を行った結果、腸が弛緩しきってしまう猫ちゃんもいるという事です。

単なる便秘だと油断していると、実は腸内に腫瘍があり、その腫瘍が便の排出を妨げていたというケースもありますので、まずは、毎日の食事に配慮し、それでも便の状態が変わらない場合には、動物病院にて精密検査を受けましょう。

まとめ

猫の便秘を解消するために知っておくべき5つの基本事項

・食物繊維の多い食事を心掛けましょう
・十分に運動をさせましょう
・マッサージをしてあげましょう
・獣医師さんによる内科療法をうけましょう
・獣医師さんによる「浣腸」や「摘便」で便秘解消しましょう


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